ものづくり補助金平成25年度製造業佐賀県

NCルーターと匠の技を融合したセミオーダー『木製ユニット建具』の一貫生産体制の構築

有限会社松田木工

この事例のポイント

  • 木工業界では技術の習得に時間がかかり、職人の育成が課題となっている。
  • シンクス製NCルーターを導入し、まず本体の始動をPC画面から行う操作確認をした。
  • 木製建具の加工工程の一部を手作業からNCルーターでの作業に変えたことで、安全かつ短時間で作業が完了するようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社松田木工
所在地佐賀県 佐賀県三養基郡上峰町
業種家具・装備品製造業
技術分野情報処理,精密加工,立体造形
従業員数7人
資本金500万円
設立1963年

事業の背景

当社は昭和38年の創業以来、半世紀以上にわたり建具製作を行ってきた。現在は家具製作、サッシ、ガラス工事、内装工事、建築業・設計業も手がけている。木工業界全体で技術習得に時間がかかり、職人の確保と育成が難しくなっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能木工業界では技術の習得に時間がかかり、職人の育成が課題となっている。
  • 人手・技能若手人材を確保し、熟練職人の技術を次代に継承する必要がある。
  • コスト・採算すべてを手作業で作ると時間と費用がかかり高価になるため、富裕層に限られた商品になってしまう。

やったこと

シンクス製NCルーターを導入し、まず本体の始動をPC画面から行う操作確認をした。基本操作の習得に1か月を要し、2か月目から仮製作による動作確認を行い、3か月目には仮プログラムで試作品の製作に成功した。次にシンクス製NCルーター用3次元ソフトを起動し、2次元CADのスタッフが専属でプログラミングを担当して3次元データ、2.5次元データ、2次元データを製作した。製作したプログラムは2次元CADデータおよび3次元CADデータからCAMデータへの変換と動作確認を行い、成功した。さらにNCルーターで行う作業と職人が行う作業を分類し、効率よく作業できるよう工程を見直した。

  • 加工機シンクス製NCルーター
  • ソフトシンクス製NCルーター用3次元ソフト

新しい製品・サービス:NCルーターと職人の技を組み合わせたセミオーダーの木製ユニット建具

事業の効果

木製建具の加工工程の一部を手作業からNCルーターでの作業に変えたことで、安全かつ短時間で作業が完了するようになった。これによりコスト削減と品質の安定につながった。熟練の職人は細かい手仕事に集中できるようになり、NCルーターを使ったオリジナル商品も作れるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の建具製作の歴史(昭和38年創業、半世紀超)と職人技術の継承課題に触れており、NCルーター導入との関連は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体性が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    健康や機能性に関心の高いユーザー向けのセミオーダー木製ユニット建具という顧客像は示されているが、市場動向や競争優位の数値的根拠は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    職人の育成難という課題を明示し、機械で可能な部分を機械に任せて価格を抑え、加工工程の一部をNCルーターに移す具体的な方針が示されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    コスト削減と品質安定への言及はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制4

    専属の2次元CADスタッフがプログラミングを担当し、基本操作習得に1ヶ月、試作まで3ヶ月の段階的な取り組みが記載されている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    セミオーダーの木製ユニット建具、オリジナル商品の方向性は示されるが、ターゲットのニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋4

    NCルーターと職人作業を分類して工程を見直し、今後のベンチ製作や照明スタンド等の展開を時期付きでなく段階的に示している。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    NCルーターを使ったオリジナル商品という方向性はうかがえるが、分野の普及度や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    福島県産材と佐賀県産材を使ったベンチ製作による風評被害対策や地域材活用が示され、地域への波及はうかがえる。

  • 費用対効果2

    短時間化やコスト削減の記述はあるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    NCルーターというデジタル加工機の活用はあるが、新しいビジネスモデルや地域サプライチェーンへの貢献は限定的にしか読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    佐賀県産材や福島県産材を用いた地域素材活用が示され、地域の特性を活かした事業の方向性はうかがえる。

今後の展望

NCルーターを使った3つの事業が進行中である。福島県産材と佐賀県産材でベンチを製作・販売し、福島県産材の安全性をアピールする。デザイナーとの協業で佐賀県産材を使った商品を作る。照明スタンド「灯香編(あかり)」やスマホスタンドなど当社オリジナル商品を作り、インテリアにこだわる消費者に訴求する。

事業者の声

精密性とスピードにおいて人間に勝る一方、人間ならではの想像力の素晴らしさに気づかせてくれました。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。