ものづくり補助金平成26年度建設業福島県

アスベスト含有建築用仕上塗材における超高圧剥離吸引式除去システム

東北ビルハード株式会社

成果アスベスト除去作業で発生する粉塵濃度は、在来工法の87本/ℓから新システムでは定量下限値未満となり、作業エリア内の環境が改善された。

この事例のポイント

  • 解体時にアスベストが暴露飛散すると作業者や周辺環境に健康被害を及ぼすおそれがあり、飛散を確実に防ぐ除去システムが必要だった。
  • 超高圧水ポンプを導入した。
  • アスベスト除去作業で発生する粉塵濃度は、在来工法の87本/ℓから新システムでは定量下限値未満となり、作業エリア内の環境が改善された。除去作業の効率が上がり、作業時間は180分から110分へと39%低減した。

事業者のプロフィール

事業者名東北ビルハード株式会社
所在地福島県 郡山市
業種職別工事業
技術分野製造環境
従業員数26人
資本金2,000万円
設立1991年

事業の背景

当社は環境関連事業を展開し、アスベスト・ダイオキシンの処理に伴う環境測定や分析業務を行うほか、外壁、防水、内装建築などの工事部門を持つ。建築用の仕上塗材にはアスベストが含まれ、主に外壁に使われているのが実情である。平成29年5月に環境省と厚生労働省から除去工法を指導する通達が出された。人体への悪影響が危険視される構造物の解体は2020〜2040年ごろにピークを迎え、年間100万トン前後のアスベストが排出されると予測されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • その他解体時にアスベストが暴露飛散すると作業者や周辺環境に健康被害を及ぼすおそれがあり、飛散を確実に防ぐ除去システムが必要だった。
  • その他そのまま解体すると再生利用するコンクリートにアスベストが含まれてしまい、新たな問題が生じる懸念があった。

やったこと

超高圧水ポンプを導入した。吐出圧力は100MPa、吐出水量は1,920ℓ/hで、トレーラータイプのため機動性に優れ、作業条件に応じて水量と圧力を変えられる。超高圧洗浄機は剥離機、洗浄ガン、安全装置で構成され、超高圧水の噴射を制御、管理しながら塗装材の剥離吸引を安全に行える。処理面に超高圧の水流を当てて湿潤な状態にし、アスベストを剥離させると同時に吸引機能が作動して、処理したアスベストと排水を同時並行で処理する。実証試験は解体予定の自社物件で行い、従来のサンダーケレンなど電動工具を用いる方法からの移行を進めた。

その他超高圧水ポンプ(トレーラータイプ、吐出圧力100MPa、吐出水量1,920ℓ/h)
その他超高圧洗浄機(剥離機・洗浄ガン・安全装置で構成)

新しい製品・サービス:超高圧剥離吸引式除去システム

事業の効果

  • アスベスト除去作業で発生する粉塵濃度は、在来工法の87本/ℓから新システムでは定量下限値未満となり、作業エリア内の環境が改善された。
  • 作業時間 180分→110分

除去作業の効率が上がり、作業時間は180分から110分へと39%低減した。アスベスト除去作業で発生する粉塵濃度は、在来工法の87本/ℓから定量下限値未満となり、作業エリア内の環境が改善された。アスベストを含む排水は、排水中のアスベスト繊維数濃度を99%低減でき、リサイクル可能な清水とすることを目指して現在再利用に向けた実証実験中である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性4

    環境関連事業から工事部門へ広げ、1991年設立以来アスベスト処理に取り組み、国のガイドラインに先立ち新システムへ移行した経緯が記載されている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ISO認証や資格を活かし全工程を自社完結できる点、分析と粉塵測定の実績が書かれているが、市場動向と比較した競争優位の記述は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    2020〜2040年に解体がピークを迎え年間100万トン排出される予測と粉塵対策の必要性は書かれているが、事業計画としての成長目標は示されていない。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    作業時間が180分から110分へ39%低減し、粉塵濃度は定量下限値未満になったと数値で示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制4

    従業員26人で、ISO認証、各種資格、分析・測定の実績を持ち、すべての工程を自社完結できる技術者集団だと記載されている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    従来工法と比べた粉塵低減や排水リサイクルの利点は書かれているが、顧客ターゲットの詳細や需要の裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    平成30年に新社屋と分析棟・倉庫棟が完成する予定と、今後の需要拡大への見通しが書かれているが、遂行スケジュールは概略にとどまる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    従来のサンダーケレン方式から超高圧剥離吸引方式へ移行したとあり、一般的に普及していない工法と読めるが、市場の普及度の数値は書かれていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用4

    環境省・厚生労働省の通達、2020〜2040年の解体ピーク、年間100万トンのアスベスト排出予測など、国が補助する社会的な必要性が数字で示されている。

  • 費用対効果3

    作業時間39%減と粉塵低減の効果は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    排水のリサイクルは実証実験中と書かれているが、先端的なデジタル技術や新しいビジネスモデルへの言及はわずかにうかがえる程度である。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    アスベスト除去の需要拡大は書かれているが、成長分野への進出や日本経済の構造転換に関する記述はわずかにうかがえる程度である。

  • 地域経済への波及2

    郡山を拠点に東北・関東で公共工事や民間工事に携わってきたとあるが、地域特性を活かした高付加価値化や雇用創出の記述はわずかである。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は新システムを活用し、粉塵の発生が危惧されていた建物や、排水対策で対応できなかった解体建物を対象に、さらなる需要の広がりを確信している。

事業者の声

安心して健やかに過ごせる環境です

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。