ものづくり補助金平成26年度製造業栃木県

航空宇宙・防衛用複雑形状部品の測定能力向上による高精度加工実施体制の高度化

株式会社マツモトセイコー

この事例のポイント

  • CATIAに対応していないため、航空機メーカーから提供される3次元形状データを社内で変換できない場合があり、客先に寸法確認や別形式への変換を依頼して支給を受けていた。
  • CATIAシステムを導入し、航空機メーカーから提供される3次元形状データをダイレクトに読み込めるようにした。
  • CATIAシステムと3次元測定機、既存の5軸加工機をネットワーク化したことで各工程の高度化が図れ、複雑形状の精密加工及び精度保証範囲を大幅に拡大できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社マツモトセイコー
所在地栃木県 大田原市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,測定計測
従業員数11人
資本金1,000万円
設立1989年

事業の背景

当社は創業当時から同業他社との差別化を図るため、難削材や複雑形状部品の精密加工に積極的に挑戦し、技術と経験を積み重ねてきた。現在は航空宇宙及び防衛に使用される高精度部品の加工を数多く手がけ、国内でも取得事業者の少ない航空宇宙産業の国際認証規格「JIS Q9100」を取得している。航空機部品製造は加工検討工程、機械加工工程、検査工程に大きく分かれ、各工程でトライ&エラーを繰り返しながら顧客ニーズに適合した製品に仕上げている。加工検討工程の能力水準が品質に大きく影響するため、航空宇宙及び防衛部品業界で標準的なCATIAへの対応が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力CATIAに対応していないため、航空機メーカーから提供される3次元形状データを社内で変換できない場合があり、客先に寸法確認や別形式への変換を依頼して支給を受けていた。
  • 品質・精度既存の3次元測定機では複雑な曲線形状の正確な測定が困難であり、CATIA形状データで測定データと3次元形状図面を直接照合・検証できなかった。

やったこと

CATIAシステムを導入し、航空機メーカーから提供される3次元形状データをダイレクトに読み込めるようにした。3次元測定機を導入し、複雑化する航空機部品の高精度測定体制を強化した。CATIAシステム、3次元測定機、既存の5軸加工機をネットワーク化し、各工程の高度化を図った。

ソフトCATIAシステム
検査測定3次元測定機

事業の効果

CATIAシステムと3次元測定機、既存の5軸加工機をネットワーク化したことで各工程の高度化が図れ、複雑形状の精密加工及び精度保証範囲を大幅に拡大できた。リードタイムの短縮により生産性も大きく向上した。業務の幅が広がり、新規顧客との取引につながるなど手応えを感じている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    創業当時から難削材や複雑形状部品の精密加工に挑戦してきたとあるが、過去の取組と本事業の関係は明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    JIS Q9100取得や航空宇宙・防衛部品の加工実績など強みは読み取れるが、市場動向との関係の記述は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    CATIA未対応や複雑曲線の測定困難という課題は示されるが、高付加価値化につなげる計画の具体性は薄い。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    リードタイム短縮で生産性が大きく向上したとあるが、目標値や数値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    JIS Q9100を運用し加工から検査まで社内工程を持つとあるが、補助事業の推進体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    航空宇宙・防衛部品の高精度加工で、国内外の引き合いや国際宇宙ステーション関連に採用とあり、選ばれる理由はうかがえる。

  • 事業化までの道筋2

    CATIA導入と3次元測定機導入の二段階は示されるが、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    航空宇宙・防衛向けの高精度部品加工という高水準の分野だが、高付加価値化の度合いを示す数値はない。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    国際宇宙ステーション開発など国際的プロジェクトへの採用は触れられるが、波及効果や雇用創出の記述はない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    CATIAと3次元測定機と5軸加工機をネットワーク化し工程を高度化したとあり、デジタル連携はうかがえる。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    航空宇宙・防衛分野への進出とあるが、日本経済の構造転換への言及は読み取れない。

  • 地域経済への波及2

    栃木県大田原市の企業とあるが、地域の特性を活かした経済成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後ますます当社の技術力に磨きをかけ、世界トップ水準のクオリティーを提供していきたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。