ものづくり補助金平成25年度製造業岩手県

医療用装置向け金属部品の高度洗浄機システムの構築

株式会社小林精機

成果超音波洗浄時間(アルミ材) 5分→2分

この事例のポイント

  • 医療用検査分析装置メーカーが求める、残留油分0.1mg以下/個という高い目標清浄度を満たす洗浄工程が必要だった。
  • 超音波洗浄機として真空式で炭化水素系洗浄剤を使う国内4社の機種から選定し、新設の超音波洗浄室に温水仕様の超音波洗浄機と界面活性剤を使う前処理洗浄装置を導入した。
  • 超音波洗浄時間(アルミ材) 5分→2分。超音波洗浄機の導入で、大手医療用検査・分析装置メーカーの高清浄度要求部品の受注が拡大した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社小林精機
所在地岩手県 滝沢市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数103人
資本金2,000万円
設立1953年

事業の背景

当社は、ステンレスなどの難削材の切削加工を得意とし、バルブ関連部品、医療機器部品、半導体製造装置部品などを多品種少量で生産している。医療機器や半導体製造装置分野は小ロット発注が多い。一方で、受注先の大手医療用検査・分析装置メーカーから、一部の部品に高い清浄度が求められるようになっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度医療用検査分析装置メーカーが求める、残留油分0.1mg以下/個という高い目標清浄度を満たす洗浄工程が必要だった。
  • 生産能力従来の人による手洗浄(エアーブロー)では洗浄液の粒子や粉塵が部品に再付着する環境で、高清浄度の安定的な実現が難しかった。
  • 人手・技能水溶性切削油で加工する部品は炭化水素系洗浄剤では落ちにくく、前処理洗浄が別途必要だった。

やったこと

超音波洗浄機として真空式で炭化水素系洗浄剤を使う国内4社の機種から選定し、新設の超音波洗浄室に温水仕様の超音波洗浄機と界面活性剤を使う前処理洗浄装置を導入した。平成26年11月に設置を完了し、ステンレス、アルミニウム、銅、黄銅で試作洗浄を行った。アルミは超音波5分では衝撃模様が出たため2分に短縮して防止した。平置きではシミが出たため部品を立てて乾燥させる方法にした。量産試作では白いシミや汚れが出たため工程ごとに原因を究明して対策し、深穴底部の確認用にミニボアスコープも購入した。

加工機一槽式真空超音波洗浄装置
その他前処理洗浄ユニット
検査測定ミニボアスコープ(工業用内視鏡)

事業の効果

  • 超音波洗浄時間(アルミ材) 5分→2分

超音波洗浄機の導入で、大手医療用検査・分析装置メーカーの高清浄度要求部品の受注が拡大した。洗浄資格と作業資格の認定を受け、常に高清浄レベルの製品を出荷できる洗浄工程を構築した。受注先の関連会社からも新規受注を得て取引先が広がった。精密洗浄技術により同業他社との差別化が図られた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の技術者育成や難削材加工の強みを土台に、精密洗浄への投資を位置付けている様子がうかがえるが、経営戦略上の明確な位置付けは記載が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    医療・半導体分野の小ロット多品種対応を強みとし、洗浄の差別化で新規受注を獲得したと具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    高清浄度要求への対応を課題として認識し、洗浄工程構築により既存受注の増加と関連会社からの新規受注に結びついたと書かれている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    残留油分0.1mg以下の目標や受注拡大は示されるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制4

    技術者の半数以上が機械加工の資格を持ち、月2回の勉強会で育成していると具体的な数字で書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療機器・半導体部品など高清浄度需要の拡大と、清浄度基準や認定取得による選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋4

    量産試作での白シミ等の問題を工程ごとに検証し対策した経緯と、今後の航空宇宙分野参入の方法が具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    真空式超音波洗浄と炭化水素系洗浄剤による高清浄化で差別化を図ったとあるが、市場での普及度や高価格化の数値は示されない。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    医療・半導体部品の高清浄度需要の拡大に触れるのみで、波及効果や雇用創出の記載はわずかにうかがえる程度。

  • 費用対効果2

    導入による受注増は書かれるが、補助金額に対する付加価値増や費用対効果の数値は記載されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    航空宇宙産業やバイオ関連分析装置など成長分野への参入を目指すと記載され、わずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    岩手県の支援機関に触れるが、地域特性を活かした雇用や地域成長への具体的な記載は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は、当該メーカーの新規開発装置の精密清浄部品の受注を積極的に働きかける。航空宇宙産業やバイオ関連分析装置の組み込み部品への参入を目指し、いわて産業振興センターなどの支援を受ける。技術者育成を続け、現場の技術力を高めていく。

  • 目標:目標清浄度は残留油分0.1mg以下/個。導入後の値は本文に数値がなく、目標値として記載
  • 目標:登録部品は300〜500点。今後増加を期待

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。