ものづくり補助金平成26年度卸売業、小売業栃木県

価値観、生活スタイルの多様化に伴いパーソナル化するユーザーに提供する文具の革新的サービス

株式会社中川文喜堂

成果名入れ時間 14日→時間→1日→時間

この事例のポイント

  • ペン1本からの個人名の名入れに対応できる方法が当時なかった。
  • WEBを活用したIT化とUVインクジェットプリンターを導入し、名入れ工程を内製化した。
  • 名入れ時間 14日→時間→1日→時間。ペン1本から個人名を入れられるようになり、大幅なコストダウンと短納期化を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社中川文喜堂
所在地栃木県 宇都宮市
業種その他の卸売業
従業員数20人
資本金5,400万円
設立1955年

事業の背景

当社は1955年に文具卸商として設立し、県内及び近県の文具店への卸を主力としてきた。文具店は1982年のピーク時3万1,024店から前年は約5,000店に減少した。アスクルやネット通販(楽天、2008年からは自社取り組み)が広がる中、仕入れた商品を売るという販売方法は変わらず、他社との差別化はコストや納期など運賃を含むローコストオペレーションの差に限られていた。一方でユーザーの個人名入れ需要が顕在化していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術ペン1本からの個人名の名入れに対応できる方法が当時なかった。
  • コスト・採算文具商品ごとに専用のジグを専門業者へ頼むと2〜3万円と高く、対応が難しかった。
  • 人手・技能多様な形状と小ロットの文具ごとにジグを作るのは時間とコストがかかった。
  • 品質・精度鉛筆のような木軸の商品はそりでテーブル上でガタつき、印刷に滲みが出た。

やったこと

WEBを活用したIT化とUVインクジェットプリンターを導入し、名入れ工程を内製化した。UVインクジェットは強い紫外線でインクを硬化させ、瞬時に乾燥し、プラスチックなどに直接プリントできる。Aサイズ3で厚さ50mm、段差2mmまでの商品に印刷可能である。ジグは発泡ボードを活用して自社製造し、筆記具1本から対応できるようにした。五角形の商品は専用台を作り印刷面を上に固定し、鉛筆のようなガタつく商品は練り消しや透明な両面テープで位置を決めて固定した。インクジェットノズルが移動しながら上からインクを吹き付ける方式のため、名入れ商品の位置決めが簡単で商品が安定する。

加工機UVインクジェットプリンター

新しい製品・サービス:ペン1本からの個人名の名入れサービス

事業の効果

  • 名入れ時間 14日→時間→1日→時間

ペン1本から個人名を入れられるようになり、大幅なコストダウンと短納期化を実現した。名入れ工程を内製化したことで、名入れ時間は14日から1時間へ短縮した。幼稚園・小学校の卒園・卒業市場の学校教材店を活用して販促・受注が期待でき、既存の得意先・販売ルートで早期に販売拡大できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    文具卸・ネット通販への取組経緯は書かれているが、名入れ事業を経営戦略に明確に位置付けた記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ネット通販の拡大や文具店の減少という外部環境を踏まえ、名入れの短納期・低コスト化を強みとして挙げている。

  • 課題の認識と解決5

    名入れ工程の内製化で名入れ時間が14日から1時間に短縮、ペン1本から対応と具体的な数字で課題解決を示している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、短納期化やコストダウンの定性的な効果のみがうかがえる。

  • 事業を進める体制3

    社員20名・卸売の基盤や学校教材店ルートは読み取れるが、事業遂行体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    幼稚園・小学校の卒園・卒業市場をターゲットに、個人名入れのニーズと即納・低コストという選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    ジグの製作や固定方法の課題解決は具体的だが、中長期のスケジュールや検証計画は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    既成商品の究極のパーソナル化である個人名入れ市場に参入し、従来の名入れの概念を変える点が示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    ギフト市場への新市場形成や地域の学校教材店活用がうかがえるが、国が補助する積極的理由としての記述は弱い。

  • 費用対効果2

    ジグ内製化による費用削減の例はあるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    WEBとUVインクジェットによるIT化と内製化が示され、デジタル技術の活用は読み取れるが波及効果の記述は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    ネット通販拡大を背景にした販売方法の変化への対応はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    栃木県宇都宮市の企業で県内文具店への卸を行う点はうかがえるが、地域成長を牽引する記述は限定的。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ギフト市場(ノベルティ)の中の文具市場に、新たに個人そして小ロット名入れ市場が加わる。既存の得意先・販売ルートで競争力を強化し、早期の事業立ち上げと販売拡大を見込む。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。