ものづくり補助金平成29年度卸売業、小売業長崎県

先端機器導入による、生産能力向上、顧客ニーズ対応及び市場開拓

株式会社ささや

この事例のポイント

  • 短納期や小ロット注文に対応できず、小規模商店や長年の顧客からの急な依頼を取りこぼしていた。
  • 企業ユニフォームなどへのロゴや社名の刺繍に対応するため、12色2頭式刺繍機シリンダー機を導入した。
  • 先端機器の導入により、作業の正確性とスピードが向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ささや
所在地長崎県 長崎市
業種繊維・衣服等卸売業
従業員数12人
資本金2,500万円
設立1939年

事業の背景

昭和14年の創業当初はシャツや体操服、作業ズボンなどの縫製を行っていたが、昭和40年代に制服やユニフォームを手がけるようになった。現在は事務服、作業服、白衣、看護服、介護服などのユニフォームのほか、オーダードレスも受注している。地域密着型で年間の取引先は約1500社にのぼり、近年は女性スタッフの人と人の絆を大切にする営業により、1年に200社ずつ増加している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力短納期や小ロット注文に対応できず、小規模商店や長年の顧客からの急な依頼を取りこぼしていた。
  • コスト・採算短納期の依頼に応えられないことで、年間で約500万円の損失が出ていた。
  • コスト・採算売上増により納期の想定外の遅れを補うため加工を外注することがあり、完全内製化の体制が崩れていた。
  • 人手・技能縫製・刺繍・プリントの各業務に専任の担当者を置いていたため、業務が属人化していた。

やったこと

企業ユニフォームなどへのロゴや社名の刺繍に対応するため、12色2頭式刺繍機シリンダー機を導入した。衣類へのプリント原稿を出力するためインクジェットプリント機を導入した。熱圧着によって衣類へプリントを転写するため手動プレス機を導入した。これら先端機器の導入により作業の正確性とスピードが上がり、スタッフがいくつかの作業を兼務できるようになって業務の幅が広がった。

  • 加工機12色2頭式刺繍機シリンダー機インクジェットプリント機手動プレス機

事業の効果

先端機器の導入により、作業の正確性とスピードが向上した。短納期の要望に応えられるようになった。ほぼ外注に出す必要がなくなり、完全内製化が実現した。スタッフが複数の作業を兼務できるようになり、業務の幅が広がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決短納期・小ロット対応不能で年500万円の損失、外注依存という課題を特定し、刺繍・プリント機導入と完全内製化で解決している。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標生産力向上の方向性は示されるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値は記載がなく、実現可能性の根拠が薄い。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    昭和14年創業の縫製から制服・ユニフォームへ展開した歴史があり、現在の事業と過去の取組が一貫している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    年間取引先約1500社、年200社ずつ増加、地域密着の営業力を強みとして挙げており、外部環境と強みに触れている。

  • 課題の認識と解決4

    短納期・小ロット対応不能で年500万円の損失、外注依存という課題を特定し、刺繍・プリント機導入と完全内製化で解決している。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産力向上の方向性は示されるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値は記載がなく、実現可能性の根拠が薄い。

  • 事業を進める体制3

    縫製・刺繍・プリントの担当者を置いて処理してきた体制を見直し、スタッフが業務を兼務できる体制へ移行する計画になっている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    小規模商店や長年の顧客からの短納期・小ロット依頼に応えるニーズが明確で、今後は自治会や保護者会の個人グループも開拓する方針が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展望として新ソフト導入や個人グループ開拓の方向を示しているが、スケジュールや具体的な進め方の記述は少ない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    制服・ユニフォームは一般的な分野で、高付加価値化や高価格化を図る記述は薄く、デザイン性向上に触れる程度である。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    地域密着の事業者として、小規模商店や自治会・保護者会など地域の個人グループへの販路開拓に取り組んでおり、地域への波及が読み取れる。

  • 費用対効果2

    年500万円の損失解消という効果は示されるが、補助金額に対する付加価値増加や生産性の数値的な費用対効果の記載はない。

  • イノベーションへの貢献3

    刺繍機やインクジェットプリント機など先端機器を導入し、作業の正確性・スピードを高めた点は技術面の革新として読み取れる。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    先端機器導入で生産体制を高度化したことは読み取れるが、成長分野への進出や日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及3

    地域密着で年間取引先が増加し、長崎市の地元事業者として地域の需要に応える事業構造になっている。

今後の展望

今後はデザイン性を高めるため新たなソフトの導入を計画している。また法人取引が中心の現状から、自治会や保護者会など個人のグループの開拓も目指している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。