ものづくり補助金平成26年度製造業群馬県

燃料噴射装置用部品の革新的な検査装置の開発と導入により競争力と品質保証体制を強化

株式会社サイトウティーエム

成果外観検査工程で300%検査効率を上げた

この事例のポイント

  • 人手による外観検査は顕微鏡を使った長時間作業で検査員の身体的負担が大きく、検査精度も不安定になりがちである。
  • 製品の両面・側面の外観検査はカメラ3台を用いた画像処理で行い、製品の内径検査はエアーシリンダーを用いたピンゲージによる通り検査で行う仕様とした。
  • 外観検査工程で300%検査効率を上げた。自動画像検査装置の導入により、検査精度のばらつきが解消し、検査員による個人差もなくなった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社サイトウティーエム
所在地群馬県 高崎市
業種金属製品製造業
技術分野機械制御,製造環境,測定計測
従業員数30人
資本金1,800万円
設立1970年

事業の背景

自動車用ガソリン直噴エンジンのインジェクタは、国内大手自動車部品メーカーへの本格的な供給が決まっていた。環境性能向上を高い次元で実現できる製品であり、日系を含む各メーカーが次期モデルで採用を決めている。2019年以降は250万台/月の生産が予定されていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度人手による外観検査は顕微鏡を使った長時間作業で検査員の身体的負担が大きく、検査精度も不安定になりがちである。
  • 人手・技能合否判定に個人差があり、検査員の育成や熟成に多くの時間を費やしていた。
  • 生産能力従来の検査は検査員が全数を行っており、検査スピードに限界があった。

やったこと

製品の両面・側面の外観検査はカメラ3台を用いた画像処理で行い、製品の内径検査はエアーシリンダーを用いたピンゲージによる通り検査で行う仕様とした。毎時1,800個の検査を行うため、インデックステーブル2台で製品を搬送し、テーブル上に治具を8台設置して1治具で2個の並列検査を行う。パーツフィーダーや搬送治具などの検証を繰り返し、24時間ノンストップでの連続運転を実現した。画像検査ではカメラと製品の最適な距離や照明の検証と調整を繰り返し、合否判定の最適な判定値を設定した。精密機械メーカーと共同で専用の自動画像検査装置を開発した。

検査測定自動画像検査装置
加工機インデックステーブル
検査測定ピンゲージ検査装置(エアーシリンダー・判定用センサー)

新しい製品・サービス:プレス加工部品の100%品質保証を行う専用の自動検査装置

事業の効果

  • 外観検査工程で300%検査効率を上げた
  • 内径検査工程で150%検査効率を上げた
  • 出来高(外観検査) 600個/時→1,800個/時
  • 出来高(内径検査) 1,200個/時→1,800個/時

自動画像検査装置の導入により、検査精度のばらつきが解消し、検査員による個人差もなくなった。外観検査と内径検査の両方で検査効率が大きく向上し、24時間連続運転も達成した。検査工程の自動化により生産力が飛躍的に向上し、労働力不足への補填と品質保証力の強化につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の検査工程の課題を解決するため専用画像検査装置を開発・導入したと書かれており、事業との関係は読み取れるが、過去の取組との連続性は記述が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    自動車用直噴インジェクタの本格供給や250万台/月の生産予定に触れ、他社との差別化を目的としたとあるが、自社の強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決5

    検査員の負担や検査精度のばらつきという課題を示し、外観検査300%、内径検査150%、平均出来高600個/時から1,800個/時への3倍向上という数値で解決策を述べている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    平均出来高600個/時から1,800個/時への3倍、24時間連続運転達成など数値目標と実績が示され、実現性を裏付けている。

  • 事業を進める体制2

    精密機械メーカーとの共同開発と検証の繰り返しは書かれているが、社内の人材体制や事務処理能力についての記述はほぼない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    対象は自動車用ガソリン直噴エンジンのインジェクタ部品で、2019年以降250万台/月の生産予定という需要の裏付けがあり、差別化の理由も示されている。

  • 事業化までの道筋4

    開発、仕様設定、検証、判定値設定、24時間連続運転の確認という段階と順序が具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    自動画像検査装置は一般的な普及製品ではない可能性があるが、同分野の中での高付加価値化の水準は書かれていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    生産年齢人口の減少と労働力不足への補填という社会的背景にふれているが、国が補助する理由や波及効果は書かれていない。

  • 費用対効果4

    検査効率の向上と5年後の売上規模9,900万円という予測が示されているが、補助金投入額との比較は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    画像処理による全自動検査を取り入れたとあるが、サプライチェーン全体への貢献や先端技術の波及までは書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    自動車部品分野での生産力向上と労働力不足への対応にふれているが、日本経済の構造転換に資するという記述はない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

事業化5年後の対象製品の売上規模は年間4千万台、9,900万円を予測している。自動化による品質保証力と労働力補填を活かし、積極的な営業展開を進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。