ものづくり補助金平成26年度製造業群馬県

特色インキの品質安定化による特色印刷の高品質、低コストの実現

川島美術印刷株式会社

成果試作開発では10点中9点で色差の合格ラインをクリアできた。

この事例のポイント

  • 特色インキ・特色印刷の品質が安定しにくく、作業の標準化が難しく、リピート時の合わせこみが困難で、職人により色が異なる。
  • 分光濃度計で色を計測して数値化し、コンピューター・カラー・マッチングソフトで分析して再現に最適なインキの種類と配合量を算出した。
  • 試作開発では10点中9点で色差の合格ラインをクリアできた。特色インキを都度調合できるようになり、必要なときに必要な量だけ調合でき、品質の安定化と効率化が実現した。

事業者のプロフィール

事業者名川島美術印刷株式会社
所在地群馬県 伊勢崎市
業種印刷・同関連業
技術分野測定計測
従業員数47人
資本金1,300万円
設立1948年

事業の背景

当社では印刷する包装紙の8割が特色印刷となっている。商品のブランド化を図る手段として特色印刷による包装紙を用いるケースが増えた。過去5年で売上額全体は4〜9%の減少傾向だが、特色印刷による包装紙の占める割合は11%〜18%へ上昇している。包装紙の売上高は過去5年で2,100万円ほど増加し、今後5年で約6,000万円の増加を見込む。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度特色インキ・特色印刷の品質が安定しにくく、作業の標準化が難しく、リピート時の合わせこみが困難で、職人により色が異なる。
  • 生産能力インキ調合時の機械停止などから稼働率が下がり、インキ調合や印刷のやり直しが発生して作業効率が低下している。
  • コスト・採算特色インキの大量在庫発生や外注によるコストアップがある。

やったこと

分光濃度計で色を計測して数値化し、コンピューター・カラー・マッチングソフトで分析して再現に最適なインキの種類と配合量を算出した。作成した特色インキを計測して見本色との色差を算出し、補正に必要なインキ量を算出した。アナログ技術のデジタル化を図るため、使用する調合元のインキの偏りを修正して広範囲な色に対応できるように変更した。CCMシステムとインキ自動計量システムを導入し、インキを自動で供給・計量・調合できるようにした。印刷頻度の高い包装紙の色の計測とインキの試作調合を行い、測色方法と調合・展色方法の確立を図った。

検査測定CCMシステム(分光濃度計による色計測・カラー・マッチングソフト)
加工機インキ自動計量システム
検査測定分光濃度計

事業の効果

  • 試作開発では10点中9点で色差の合格ラインをクリアできた。

特色インキを都度調合できるようになり、必要なときに必要な量だけ調合でき、品質の安定化と効率化が実現した。調合作業は印刷課から管理課へ移行可能となり、印刷課の工程数削減と稼働率アップが期待できる。特色インキの在庫も削減でき、完全内製化も可能となった。一方で元インキ8色では再現できない色が10点中1点あり、色差が改善されない色もあるため、今後もデータ収集を続けて改善が必要である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    包装紙の特色印刷が印刷物の8割を占めると書かれ、特色印刷の品質安定が事業の柱と読めるが、過去の取組との一貫性までは示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    包装紙の特色印刷が印刷物の8割を占め、市場ニーズが高いと記載。自社のアナログ技術をデジタル化して差別化する方針が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    課題として色の安定性、稼働率低下、インキ在庫、外注コストを具体的に列挙し、分光濃度計やインキ自動供給で解決する方針が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    試作で10点中9点が色差の合格ラインをクリアしたと数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    実施体制の記載はあるが内容は読み取れず、人材や事務処理能力について具体的な記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    包装紙は商品やお店のブランド化に使われ、特色印刷の需要が増えていると書かれ、ターゲットは食品製造小売業界と明示されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後もデータ収集を行い色差改善を図るという課題と方向は示されるが、スケジュールの詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    特色印刷による包装紙はプロセスカラーで再現できない色を扱い、印刷物の8割を占めるなど高付加価値の分野と読める。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    地域の経済効果や雇用創出への言及は乏しく、国が補助する積極的理由はわずかにうかがえる程度。

  • 費用対効果4

    包装紙の売上が過去5年で約2,100万円増加、今後5年で約6,000万円増加を見込むなど、数字で費用対効果が示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    分光濃度計やカラー・マッチングソフトでアナログ技術をデジタル化しており、デジタル技術活用は読めるが、サプライチェーンへの貢献は示されていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    業界の構造転換への言及はなく、ブランド化による包装紙需要の拡大がわずかに読み取れる程度。

  • 地域経済への波及3

    群馬県伊勢崎市の企業で関東圏を中心にマーケティングを行うと書かれるが、地域の経済成長への寄与は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

関東圏を中心に食品製造小売業界へマーケティングを行う予定。

  • 目標:過去5年で2,100万円ほど増加。今後5年で約6,000万円の増加を見込む。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。