ものづくり補助金平成29年度製造業愛知県

酒類を主としたラベル製造における品質検査能力の向上と生産プロセスの改善

山田美術印刷株式会社

成果検査可能な最小の汚れ・キズの大きさ 0.5mm→0.3mm

この事例のポイント

  • ラベルの汚れやキズを検査する精度が十分でなく、不良品を減らして品質を高める必要があった。
  • 検査機の精度を高めるため、従来0.5ミリメートル以上だった検出対象を直径0.3ミリメートル以上の汚れやキズ、異物まで検出できるCCDカメラ方式の検査機を導入した。
  • 検査可能な最小の汚れ・キズの大きさ 0.5mm→0.3mm。検査とスリッターを1工程に集約したことで、後工程の待ち時間が減り、1枚ごとのシート納入の場合も短納期に対応できるように…

事業者のプロフィール

事業者名山田美術印刷株式会社
所在地愛知県 名古屋市
業種印刷・同関連業
技術分野デザイン,デザイン
従業員数40人
資本金2,100万円
設立1959年

事業の背景

山田美術印刷は飲食料品や化粧品などのラベル印刷を手がけ、オフセット部門で世界ラベルコンテストのベスト・オブ・ベスト賞を受賞するなど、高い品質で顧客ニーズに応えてきた。ラベルは1週間程度の納期が多く、1枚ごとのシートで納入する場合もある。同社は偽造防止ラベル印刷で平成28年度にものづくり補助金の採択を受けており、補助金の活用に積極的である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度ラベルの汚れやキズを検査する精度が十分でなく、不良品を減らして品質を高める必要があった。
  • 納期・工程検査とスリッターが別々の設備で行われており、後工程の待ち時間が生じて納期が長くなっていた。
  • 生産能力事業の効率を高めて収益確保を図る必要があった。

やったこと

検査機の精度を高めるため、従来0.5ミリメートル以上だった検出対象を直径0.3ミリメートル以上の汚れやキズ、異物まで検出できるCCDカメラ方式の検査機を導入した。また、従来別々の設備で行っていた検査とロール巻き前のスリッターを1つの機械に集約し、平成29年度補正ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金を活用して、新設備を含め検査機2台、スリッター3台の体制を整えた。導入はまず本社工場の一部ラインで行った。

検査測定スリッター付き検査機
加工機スリッター

事業の効果

  • 検査可能な最小の汚れ・キズの大きさ 0.5mm→0.3mm
  • 1週間程度の納期が多いが、それより短い納期のラベルにも対応しやすくなった
  • 工程に関わる担当者数 2人→1人

検査とスリッターを1工程に集約したことで、後工程の待ち時間が減り、1枚ごとのシート納入の場合も短納期に対応できるようになった。急ぎ対応が必要なラベルを中心に受注増につながった。検査の精度も高まり不良品の削減と品質向上が進んだ。経験の浅い社員を検査オペレーターに配置でき、繁忙時の応援など柔軟な対応も可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    偽造防止ラベルの印刷で2028年度に採択された実績があり、ものづくり補助金の活用に積極的とあるため、過去の取組との一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    世界ラベルコンテストのベスト・オブ・ベスト賞や顧客ニーズに合わせた提案が書かれ、強みは読み取れるが市場動向との関係は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    検査とスリッターの2工程を1工程に集約し、ロール巻き後の待ち時間削減、1週間程度の納期の短縮と急ぎ受注増につながったと具体的に書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    工程集約による効果は書かれるが、付加価値額や賃上げの目標値、数値目標は記載されていない。

  • 事業を進める体制3

    担当者が2人から1人に効率化され、経験の浅い社員を検査に配置できると書かれ、体制面の具体性は一定程度ある。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    品質を重視しラベルは商品の顔と位置付け、シェア拡大の理由が評価されたと書かれ、選ばれる理由はうかがえる。

  • 事業化までの道筋2

    今後は印刷部門の設備更新を進める方針と書かれるが、スケジュールや課題解決の方法は詳述されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ラベルの検査精度を0.5ミリから0.3ミリへ高めたと書かれ、高水準の高付加価値化の一端がうかがえる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の雇用や波及効果については書かれず、国が補助する積極的な理由はわずかにうかがえるにとどまる。

  • 費用対効果3

    工程集約で処理能力は同じでも検査オペレーターの配置が可能になったと書かれ、効果は読み取れるが金額の費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    CCDカメラによる検査は書かれるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    名古屋市北区の本社工場が舞台と書かれるが、地域の特性を活かした雇用や成長への言及はわずかである。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は印刷部門で設備更新を行い、各工程に最新設備を導入してさらなる生産性向上を図る方針。工程集約型の設備は今後も増やしたいが、前後の工程との調整が必要なため、当面は1台の予定。

事業者の声

「ラベルは商品の顔。汚れやキズはNGだ」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。