ものづくり補助金平成26年度製造業群馬県

消臭繊維をカバーリングした金属糸よりなる業務用エアコンフィルターの開発

シロテックス株式会社

成果織幅 1.5メートル→3メートル

この事例のポイント

  • 通気性の低下に加え、後加工の増加によって製造コストが増大するという課題がある。
  • 抗菌性の高い銀、銅、亜鉛を検討し、安価で繊維やワイヤーの形で普及している銅糸を選定した。
  • 織幅 1.5メートル→3メートル。高性能の織機の導入により、抗菌防臭織物フィルターの製織が可能になり、生産性の目標を達成した。

事業者のプロフィール

事業者名シロテックス株式会社
所在地群馬県 群馬県伊勢崎市
業種繊維工業
技術分野複合・新機能材料
従業員数45人
資本金2,000万円
設立1934年

事業の背景

当社は主力製品であるインテリアカーテンのほか、アラミド繊維やメッシュなどの産業資材、農業用防虫ネットなどの農業資材の開発にも取り組んでいる。製織技術を蓄積し、幅広い分野で新商品開発を積極的に進めている。老人ホームなどの高齢者施設の多くは、院内感染や日和見感染の防止、加齢臭や排泄臭の抑制のため、施設内の業務用空調機器のフィルターに抗菌防臭加工を施している。高齢化の進展により、こうした感染防止や悪臭抑制のニーズは今後ますます高まると予想される。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力通気性の低下に加え、後加工の増加によって製造コストが増大するという課題がある。
  • コスト・採算後加工の増加により製造コストが増大している。

やったこと

抗菌性の高い銀、銅、亜鉛を検討し、安価で繊維やワイヤーの形で普及している銅糸を選定した。消臭機能を持つ綿糸を銅糸のまわりにカバーリングして抗菌防臭糸とした。銅糸の巻き回数は、銅糸が容易にほぐれず風合いも適度と思われる回数とした。抗菌防臭糸は高強度で硬く伸度がないため、汎用の織機(1.5メートル幅)では糸切れや損傷が起きやすく製織速度も落とす必要があった。そこで織幅3メートルの織機を導入し、当社で一部改良を施した。この新機と当社の製織技術を用いて、抗菌防臭糸と綿糸の合撚糸による目合の大きさ1〜2ミリの抗菌防臭織物フィルターを試作した。目合の大きさ1ミリの抗菌防臭織物フィルターを製織し、生産性の目標をクリアした。抗菌防臭糸は黄色ブドウ球菌、肺炎かん菌、大腸菌のいずれに対しても繊維評価技術協議会の制菌加工認定基準を満たした。加齢臭や排泄臭の原因となるアンモニアや酢酸の消臭効果も認定基準を満たした。これらの測定は群馬産業技術センターと共同で行った。

加工機織機(織幅3メートル)

新しい製品・サービス:抗菌防臭織物フィルター(業務用空調機器向け)

事業の効果

  • 織幅 1.5メートル→3メートル

高性能の織機の導入により、抗菌防臭織物フィルターの製織が可能になり、生産性の目標を達成した。抗菌防臭糸は3種類の細菌に対する制菌加工認定基準を満たし、アンモニアや酢酸の消臭効果も認定基準を満たした。技術目標はすべて達成でき、歩留まり向上のノウハウと基本特許の出願につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    インテリアカーテンなどの製織技術を蓄積してきた点は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    病院や老人ホームの感染防止・悪臭抑制ニーズ、取引先商社経由の販路が示されるが、競争優位の定量的根拠は乏しい。

  • 課題の認識と解決4

    通気性低下と後加工増による製造コスト増という課題を認識し、織機導入で解決を図る計画が具体的に書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    技術目標はすべて達成、生産性の目標をクリアとあるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    群馬産業技術センターとの共同開発や特許出願の記述はあるが、人材や事務処理体制は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    病院・老人ホームの感染防止と悪臭抑制ニーズ、繊技協の認定基準を満たす点など、顧客と選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    歩留率向上のノウハウ蓄積や販路の大手メーカー・施設管理会社への販売試みは書かれるが、スケジュールの詳細はない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    金属糸と消臭繊維を組み合わせた業務用空調フィルターはこれまでにない革新的な製品とされ、認定基準の充足も示される。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    高齢化に伴う感染防止・悪臭抑制ニーズ、新たな医療・介護事業の立ち上げは読み取れるが、波及効果の数値は書かれていない。

  • 費用対効果2

    製造コスト増の課題はあるが、補助金投入額に対する付加価値増や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    群馬産業技術センターとの共同開発や基本特許出願は読み取れるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    高齢化の進展に対応する医療・介護分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換に資する旨は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    群馬県伊勢崎市の企業である点はうかがえるが、地域の特性を活かした雇用創出や経済成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

病院や老人ホームを中心に業務用空調機器フィルターとして実用化を目指し、取引先の商社を通じて大手メーカーや施設管理会社への販売を試みる。医療・介護分野から始め、将来は当社の事業の柱へ成長させたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。