ものづくり補助金平成26年度製造業群馬県

医療機器製造工程での溶接技術向上によりリードタイム短縮を実現する

株式会社ババテック

成果溶接時間を50%短縮

この事例のポイント

  • 医療機器用板金部品で溶接工程がボトルネックとなり、納期・コスト面で課題があった。
  • 熟練工講師による技術講習会を4回実施し、技術情報の共有化を図った。
  • 溶接時間を50%短縮。溶接時間を50%以上短縮し、溶接後の歪み取りと焼け取りの工程をゼロ化した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ババテック
所在地群馬県 伊勢崎市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数9人
資本金1,000万円
設立2003年

事業の背景

医療機器向けの板金部品は外観仕上げの見栄えが重要で、デザインを重視した複雑な形状の依頼が多い。試作段階でもアール形状の依頼が多く、部品点数は2〜3倍となり、溶接の長さも増えて歪みも大きくなる。コスト低減の要求も大きく、加工技術面の新規技術導入なくしては対応が困難となっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力医療機器用板金部品で溶接工程がボトルネックとなり、納期・コスト面で課題があった。
  • 品質・精度熱伝導型のTIG溶接のため熱歪みによる品質への影響があり、溶接後の歪み取りや焼け取りの工程が必要だった。
  • 人手・技能溶接工程に約40%の工数がかかり、一時的な人員の回し込みや残業で対応しており、熟練工の技能を他の技術者に広げる必要があった。

やったこと

熟練工講師による技術講習会を4回実施し、技術情報の共有化を図った。熟練工の持つTIG溶接のノウハウを活かし、新方式YAGレーザー溶接での最適溶接条件を見つけるため、重ね継手、T継手、突合せ継手、かど継手など様々なパターンの試作を行った。当社が主に使用する鋼板で歪み・焼けが限度内になる溶接速度、溶接電流出力を検証し、溶接後処理ゼロを目指した。YAGレーザー装置を導入した。YAG溶接は人間の目に見えない近赤外線を用いた溶接方法で、溶接幅が細く低歪みの加工ができ、TIG溶接ではできない極薄板材の溶接接合が可能である。

加工機YAGレーザー装置

新しい製品・サービス:新方式YAGレーザー溶接による溶接加工

事業の効果

  • 溶接時間を50%短縮
  • 試作では溶接時間の58%の短縮を実現

溶接時間を50%以上短縮し、溶接後の歪み取りと焼け取りの工程をゼロ化した。外観品質も保つことができ、顧客の技術部の承認を受けた。既存取引先からの受注に加え、新規受注や新分野への進出につながる見込みである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存のTIG溶接の課題に対し溶接工程の改善に取り組んだことは読み取れるが、過去の取組との連続性や経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    医療機器向け板金部品の多品種少量・高品質要求と熟練工のTIG溶接ノウハウに触れているが、市場動向と自社の強み・弱みの比較は示されていない。

  • 課題の認識と解決5

    溶接工程がボトルネックで約40%の工数を占めるという課題を示し、溶接時間58%短縮と後処理工数ゼロ化という数値で解決を示している。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    溶接時間の目標50%短縮に対し試作で58%短縮を実現し、売上を2021年に現在の約3倍の2,700万円とする数値目標も示されている。

  • 事業を進める体制3

    熟練工の講習会を4回実施したことは書かれているが、補助事業を遂行する人材・事務体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客要望のアール形状や部品点数増加に対応する必要性と、顧客技術部の承認を得たことから、ニーズと選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋4

    複雑継手でYAG溶接が困難な場合があることを挙げ、今後も試作開発を続けるという課題と解決の方向性が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    新方式YAGレーザー溶接による極薄板加工や溶接後処理ゼロという、同分野で高水準の加工技術化が示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    医療機器や航空機産業分野での受注や雇用創出がうかがえるが、国が補助する積極的理由や波及効果は書かれていない。

  • 費用対効果4

    溶接時間50%短縮や後処理工数ゼロ化、売上約3倍の目標など、投入に対する効果が数値で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    新方式YAGレーザー溶接の導入は読み取れるが、サプライチェーンへの貢献や新たなビジネスモデルの記述は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    医療機器や航空機産業分野への進出を目指す記述があり、成長分野への進出がうかがえるが、構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

既に受注が確定している既存取引先に加え、新規受注や新分野への進出を目指す。次世代医療機器開発の受注を目指し、航空機産業分野では市場参入調査を進め2021年の参入を目指す。複雑な継手の場合はYAG溶接で困難なものもあり、今後も試作開発を続ける。

  • 目標:2021年に現在の売り上げの約3倍となる2,700万円の売り上げを想定

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。