ものづくり補助金平成29年度建設業兵庫県

i-con導入による施工管理の効率化と生産プロセスの改革

株式会社イマナカ

この事例のポイント

  • 建設現場の生産性を上げる必要があると考えていたが、労働環境の整備や人員採用に課題があった。
  • i-Construction対応の3D建機(油圧ショベル)を導入し、ペイロード機能を搭載した。
  • 3D建機の導入により、事前の丁張作業が不要になり、施工途中で建機を止めて施工面を測量する作業もなくなった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社イマナカ
所在地兵庫県 多可郡多可町
業種総合工事業
従業員数8人
資本金3,000万円
設立1961年

事業の背景

建設現場では、一品毎の受注や毎回異なる土地・地理条件・気象条件、多様な作業員の共同作業といった業界の特性から、生産性の向上は難しいとされている。当社は社員8人の建設業者で、油圧ショベル15台、ブルドーザー2台、ダンプ5台、自動追尾型トータルステーション1台を主要生産設備として保有している。建設業の死傷事故率は全産業の約2倍と極めて高い状況にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能建設現場の生産性を上げる必要があると考えていたが、労働環境の整備や人員採用に課題があった。
  • 生産能力施工の途中で建機の操作を止め、オペレーターが降りるか現場監督が出て施工面を測量する作業を何度も繰り返していた。
  • 生産能力河川の現場では水面下の施工面を確認することが難しかった。
  • 生産能力土砂の重量を測るには建機の動作を止める必要があり、効率が悪いためペイロード機能を使っていなかった。
  • その他建設機械との接触による労働災害が多く、建設業の死傷事故率は全産業の約2倍と高かった。

やったこと

i-Construction対応の3D建機(油圧ショベル)を導入し、ペイロード機能を搭載した。建機にGPS、GLONASS、みちびき(準天頂衛星)の受信機を搭載し、衛星測位で建機の正確な位置を把握できるようにした。ブームとアームに角度センサーを付け、バケット刃先の正確な位置を把握できるようにした。基準となる設計断面と現在のバケット位置を比較し、設計上の勾配・高さとの差をモニターにリアルタイムで表示するようにした。事務所と現場の建機をクラウドで結び、施工履歴や車両位置情報、生産管理情報をリアルタイムに共有するシステムを構築した。ペイロード機能により、建機を止めずにバケットがすくった土砂の重さを量り、ダンプの積載可能量に応じた最適量を短時間で積めるようにした。

その他3D建機(i-Construction対応油圧ショベル、ペイロード機能搭載)
その他測位衛星の受信機(GPS・GLONASS・みちびき対応)
その他ブーム・アームの角度センサー
ソフト事務所と現場の建機をつなぐクラウド施工管理システム

事業の効果

3D建機の導入により、事前の丁張作業が不要になり、施工途中で建機を止めて施工面を測量する作業もなくなった。モニターを見ながらバケット刃先と設計施工面の差を把握できるため、熟練オペレーターでなくても精度の良い施工が可能になり、作業者の負担も大きく軽減した。建機との接触という危険要因も大幅に低下した。ペイロード機能により、作業の効率を落とさずトラックの積載量ギリギリまで土砂を積めるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業112年の建設業で、社内改革や先代の言葉を背景に生産性向上へ取り組んだと書かれるが、過去の具体的な取組との連続性までは示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    社員8人、油圧ショベル15台などの設備と、i-Constructionに触れた機会や行政助言が書かれるが、市場動向との関係は具体的に述べられていない。

  • 課題の認識と解決4

    丁張作業の不要化、施工確認の繰り返し解消、ペイロード機能による積載最適化など、現場課題と解決策が具体的に書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    賃上げや付加価値額の目標値は書かれていないが、生産性向上の確信を得たとの記述はある。数値目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    社員数8人、測量業務の内製化を今後の展開で挙げるなど体制の一端はうかがえるが、人材配置や事務処理体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    作業者の負担軽減、熟練者でなくても精度の良い施工が可能になった点、受注先拡大の狙いが書かれ、選ばれる理由がある程度整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の今後の展開は箇条書きで示されるが、遂行スケジュールや課題解決の方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    3D建機とペイロード機能の組み合わせは、導入で作業負担を大きく軽減したと書かれるが、普及度や高付加価値化の水準は述べられていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    建設業の死傷事故率が全産業の2倍と高く、労働災害防止の必要性を挙げ、国が提唱する取組と結びつけて説明している。

  • 費用対効果2

    補助金投入額と付加価値増加の関係は書かれておらず、効果は作業負担軽減や事故低下の定性的記述にとどまる。

  • イノベーションへの貢献3

    クラウドで事務所と現場の建機をつなぎ施工履歴をリアルタイム共有するシステムを構築しており、デジタル活用の記述はある。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    i-Constructionの活用という国の施策に沿う点はうかがえるが、日本経済の構造転換への寄与は書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    兵庫県多可町の事業者として建設業を営むことは書かれるが、地域の雇用や経済成長への牽引効果は具体的に述べられていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

i-Constructionを活用して受注先の拡大を目指すとともに、測量業務を内製化して現場作業のさらなる生産性向上を図る。また、最先端設備を導入する建設業者として企業イメージの向上を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。