ものづくり補助金平成26年度製造業富山県

次代を越える伝統と革新を融合した新しい和菓子スタイルの実現

株式会社五郎丸屋

この事例のポイント

  • 複雑な形状の商品は手作業の型抜きでは作れず、比較的シンプルなデザインしかつくれなかった。
  • 工業用の型抜き機を導入するにあたり、装置の仕様を工業用から食品用に変更した。
  • 型抜き機の導入で複雑な形状の商品が実現し、商品価値が高まり、看板銘菓の展開の可能性も広がった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社五郎丸屋
所在地富山県 小矢部市
業種食料品製造業
従業員数14人
資本金1,000万円
設立1752年

事業の背景

江戸時代から石動で和菓子を作り続けてきた会社で、宝暦2年に誕生した「薄氷」は看板銘菓である。現代に合わせて「T五」を開発し、平成25年には観光庁主催の「世界に通用する究極のお土産」に選定されるなど数々の賞を受賞した。店舗の認知度は上がっていたが、季節ごとの販売を超えた新しい展開が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力複雑な形状の商品は手作業の型抜きでは作れず、比較的シンプルなデザインしかつくれなかった。
  • 人手・技能個包装のキャンディタイプの商品を手作業で一つずつ包むと時間と労力がかかり、少量しか生産できずコストにも影響した。
  • コスト・採算手作業の包装では生産量が限られ、コストに影響が出ていた。
  • 納期・工程「薄氷」や「T五」の製造で発生する残生地を再利用する新商品の実現に取り組んでいたが、包装工程に懸案事項があった。

やったこと

工業用の型抜き機を導入するにあたり、装置の仕様を工業用から食品用に変更した。型を抜く際の圧力や、抜型に使うアクリル盤の型の配置を調整し、残生地が極力出ないようにした。また、包装工程の自動化のために自動包装機を導入し、キャンディの両端ひねり部分の強さや包装紙の厚さを調整した。導入した2つの製造装置により、複雑な形状の商品化と包装の自動化を実現した。

加工機型抜き機
加工機自動包装機

新しい製品・サービス:キャンディタイプの新商品「pook」

事業の効果

型抜き機の導入で複雑な形状の商品が実現し、商品価値が高まり、看板銘菓の展開の可能性も広がった。自動包装機の導入で包装の工程が自動化され、生産時間が大幅に短縮されたとともに衛生面も向上した。また、残生地の有効活用により原材料ロスの削減に成功した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    「薄氷」や「T五」など看板銘菓を軸に、伝統と革新の融合を掲げた和菓子スタイルの継続性が読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    県の異業種メーカーとのコラボや百貨店からの引き合い増加はうかがえるが、市場動向や自社の強み・弱みの分析は記載されていない。

  • 課題の認識と解決4

    手作業の型抜きと個包装が生産量やコストの課題だったと認識し、型抜き機と自動包装機で生産時間を大幅短縮したと具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    売り上げが順調に伸びていると記載があるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値や数字は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員14人、260年余の事業歴、工業メーカーとの協働など体制の一端はあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    看板銘菓の季節限定の展開、百貨店限定フレーバーの好評、有名百貨店からの引き合いなど、顧客ニーズの裏付けが書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    賞味期限の短さやフレーバー見直しなど今後の課題と展開方針が書かれているが、スケジュールや遂行方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    キャンディタイプの和菓子や工業用型抜き機の食品転用など新しさはうかがえるが、分野の普及度や高価格化の数字は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    県の鋳物メーカーとのコラボや地域産業連携がうかがえるが、経済波及や雇用創出など国が補助する理由は明記されていない。

  • 費用対効果2

    生産時間の大幅短縮や残生地の削減が書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    異業種の工業用機械を食品用に転用し、衛生面も向上させた点は技術の応用として読み取れるが、サプライチェーン全体への貢献は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    石動の歴史や県内の鋳物メーカーとの連携など地域特性は書かれているが、地域の雇用や成長への牽引効果は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

自動包装機の導入により商品化が可能となった新商品は有名百貨店からの引き合いも増え、売り上げも順調に伸びている。今後は新たなフレーバーの展開や原材料の保存方法の見直しに取り組み、永く愛される菓子づくりを目指す。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。