ものづくり補助金平成26年度製造業富山県

無電解めっきの高度技術による自動車及び電子機器分野向けの世界最先端の高品質化事業

立山電化工業株式会社

成果導入から売上高が約3倍に(導入初年度に比べ、売上高が3年で約3倍になった)

この事例のポイント

  • 電子部品の小型化・高精度化が進み、数ミクロン単位で高い精度が要求されるが、電気めっきは部品の形状や電流の伝わり方で皮膜にばらつきが出る場合があり、対応できない物があった。
  • 平成26年度のものづくり補助金を活用し、既存ラインを改良してめっき槽1台、めっき液の自動分析装置、分析結果に基づき還元剤溶液などを自動的に補給する装置を導入した。
  • 導入から売上高が約3倍に(導入初年度に比べ、売上高が3年で約3倍になった)。無電解ニッケルめっきによって、これまで難しかった均一で高精度な加工が可能になり、顧客満足度が高まり受注も拡大した。

事業者のプロフィール

事業者名立山電化工業株式会社
所在地富山県 高岡市
業種金属製品製造業
技術分野表面処理
従業員数190人
資本金5,700万円
設立1945年

事業の背景

当社は自動車向け半導体、携帯・スマートフォン向けコネクター、チップ抵抗器、PC向けピン、LED用セラミック基板などの電子部品への機能めっきを専門とする。コネクターが売上の約50%、次いでチップ抵抗器が約25%を占める。電子機器の短小軽薄化に伴い電子部品の需要が拡大し、無電解めっきのニーズが一層高まることが予想されていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力電子部品の小型化・高精度化が進み、数ミクロン単位で高い精度が要求されるが、電気めっきは部品の形状や電流の伝わり方で皮膜にばらつきが出る場合があり、対応できない物があった。
  • 新製品・新技術無電解めっきへの高いニーズがあったが、設備導入コストや薬品コスト(電気めっきの3倍以上)、複雑形状に対応する加工容器のノウハウが必要でハードルが高く、取り入れられなかった。

やったこと

平成26年度のものづくり補助金を活用し、既存ラインを改良してめっき槽1台、めっき液の自動分析装置、分析結果に基づき還元剤溶液などを自動的に補給する装置を導入した。主力のスマートフォン部品を対象に無電解ニッケルめっきを始め、平成28年3月に装置を設置、同年5月から量産試作へ本格稼働した。これにより、これまで対応が難しかった均一で高精度な加工が可能となった。

加工機無電解めっき装置(めっき槽)
検査測定めっき液の自動分析装置
その他還元剤溶液の自動補給装置

新しい製品・サービス:無電解ニッケルめっき

事業の効果

  • 導入から売上高が約3倍に(導入初年度に比べ、売上高が3年で約3倍になった)

無電解ニッケルめっきによって、これまで難しかった均一で高精度な加工が可能になり、顧客満足度が高まり受注も拡大した。導入初年度に比べ売上高が3年で約3倍になった。県内で無電解ニッケルめっきができるのは当社を含め2社のみで、試作から量産まで1社で対応できる強みも生きている。一方、車載向け・医療向けの製品は導入当初に掲げた目標値までに達しておらず、課題として残っている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    新規参入の障壁を越えて無電解めっきに参入し、以前から要望があった点が書かれているが、過去の取組との一貫性の具体記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    県内で無電解ニッケルめっきができるのは2社と明記され、試作から量産まで1社で対応できる強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    高精度化の要求に対し無電解めっきを導入した課題認識と対応が書かれ、導入初年度から売上が3年で約3倍になったと記載がある。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    売上約3倍という実績はあるが、賃上げ目標や付加価値の数値目標は示されず、導入当初の目標値に未達との記述がある。

  • 事業を進める体制2

    従業員数190人や設備導入の記述はあるが、補助事業を遂行する体制や人材確保の具体的な記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    スマートフォン部品の高精度化、車載・医療向け需要などターゲットと顧客要望の裏付けが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    次世代自動車向けや新分野への拡大、低コスト化への技術力強化など今後の方針は書かれているが、スケジュールは限定的。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    無電解めっきは電気めっきの3倍以上のコストと難度があり、県内で2社のみという希少性が具体的に書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    電子部品需要の拡大や次世代自動車への展開に触れているが、国が補助する積極的理由や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    導入後の売上約3倍という数字はあるが、補助金額に対する費用対効果の算出は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    自動分析装置や自動検査装置の導入は書かれているが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は読み取りにくい。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    次世代自動車や電子部品分野への進出が書かれているが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及2

    高岡市の企業で県内唯一の対応という地域性は触れられているが、地域経済の牽引に関する記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

スマートフォン向けに特化しすぎず、次世代自動車(HEV・PHEV)向けや次なる分野の開拓に力を入れ、付加価値の創造と追求を推進して、時代の変化に伴う技術要求、品質保証体制・管理技術に応え、必要とされ続ける企業を目指す。無電解めっきは加工に時間がかかりコスト高になる欠点があるため、技術力を磨きノウハウを蓄積し、低コスト化に向けて提案していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。