ものづくり補助金平成26年度製造業石川県

酒造工程における生産性向上、酒質向上、安全性確保と高付加価値商品の開発

数馬酒造株式会社

この事例のポイント

  • 品質の向上と高付加価値商品の開発が課題である。
  • 酒造りに生かせる生物資源の有効活用による製造プロセスの効率的改良を目指し、圧搾、濾過、瓶詰めの各工程を改良した。
  • 粕離しの人員や労働時間、労働負荷が減り、洗浄などのメンテナンスの効率が上がった。

事業者のプロフィール

事業者名数馬酒造株式会社
所在地石川県 能登町
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野バイオ
従業員数14人
資本金1,800万円
設立1869年

事業の背景

売上は減少傾向にあったが、近年は売上・利益ともに増加傾向にあり、国内外からの問い合わせも増えている。新幹線金沢開業、NHK連続テレビ小説「まれ」の舞台となった能登半島の効果、世界農業遺産に認定された「能登の里山里海」なども追い風となっている。同社は能登産の原材料、100%自社精米、能登の超軟水の仕込み水などにこだわった酒造りを行っている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度品質の向上と高付加価値商品の開発が課題である。
  • 販路・情報発信国内外への販路開拓が課題である。
  • 生産能力生酒の瓶詰めやラベル貼りが手作業中心で、迅速な出荷対応ができない。
  • 新製品・新技術業績への影響が大きい新商品開発と、出荷管理に関わる設備の更新が必要であった。
  • 生産能力酒造工程の効率化と省力化が必要になっている。
  • 人手・技能次世代を担う人材の確保・定着化の仕組みづくりが必要になっている。

やったこと

酒造りに生かせる生物資源の有効活用による製造プロセスの効率的改良を目指し、圧搾、濾過、瓶詰めの各工程を改良した。醪圧搾機を導入し、雑味がないお酒を絞り上げることを目標とした。圧搾機を囲む冷温空間を構築し、冬期に限らず一定の温度での圧搾作業を実現した。簡易充填機を導入し、酸化させずに鮮度の高いお酒を瓶にそのまま充填できるようにした。オイルを使用しない瓶詰め機を導入し、メンテナンス効率を高めた。

加工機醪圧搾機
加工機瓶詰め機
加工機簡易充填機

新しい製品・サービス:“シュワシュワ感”が味わえる、それまでのラインナップにないお酒

事業の効果

粕離しの人員や労働時間、労働負荷が減り、洗浄などのメンテナンスの効率が上がった。簡易充填機の導入により鮮度の高いお酒を酸化させずに充填でき、瓶詰め人員も削減できた。機械装置の導入で省力化と時間短縮が進み、経験や習熟度に関係なく瓶詰め作業ができるようになって人材の柔軟な活用にもつながった。一定温度での圧搾により酒質が安定し、消費者や特約店から高い評価を得て信頼性も向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    1869年創業の清酒製造で、能登産原料や自社精米など従来のこだわりを継承しつつ、醪圧搾機導入で新商品開発につなげた点は読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    国内外からの問い合わせ増や新幹線開業、能登の里山里海の認定などの外部環境が挙げられ、能登の超軟水など自社資源を活かす方向性はうかがえる。

  • 課題の認識と解決3

    課題として品質向上、販路開拓、生酒瓶詰めの手作業、出荷対応の遅れが挙げられ、設備更新で対応した流れが書かれているが、高付加価値化の数値目標は示されていない。

事業の実現可能性36%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    従業員14人の企業で、設備導入後に瓶詰め人員が削減されたことが書かれているが、補助事業を遂行する体制の具体的な記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    “シュワシュワ感”の新商品や「新感覚の飲み口」「若者受けしそう」との消費者評価があり、ターゲットや選ばれる理由の一端が読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    導入済みの機械の効果は書かれているが、中長期の課題検証や今後のスケジュール、解決方法の記述はほとんどない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    冷温空間での圧搾によるシュワシュワ感のある清酒は、既存ラインナップにない新商品とされ、同分野で差別化をうかがわせる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    能登の原料や地域資源を活かす取組は読み取れるが、雇用創出や波及効果を国が補助する理由としては具体的に書かれていない。

  • 費用対効果3

    人員削減や労働時間短縮、瓶詰め人員の削減など省力化効果は書かれているが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    冷温空間の構築や醪圧搾機など設備面の革新はうかがえるが、デジタル技術や地域・サプライチェーンへの貢献の記述は乏しい。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    能登産原料や超軟水など地域特性を活かし、世界農業遺産や能登の知名度を追い風に高付加価値商品を開発している点が具体的に読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

国内外への販路開拓にあたり、新商品開発と品質向上、基盤となる人材の確保にもつながると考えられる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。