ものづくり補助金平成26年度製造業福井県

大寸法のカーテンに対しての連続刺繍工法の開発

渡辺産業株式会社

成果加工速度 1倍→1.3倍

この事例のポイント

  • 従来の刺繍機では対応できる柄サイズの横幅が40cmまでで、大寸法のカーテン生地に刺繍を施せなかった。
  • 刺繍機メーカーと共同で、大幅の生地でも柄のずれが生じない機械を初めて開発した。
  • 加工速度 1倍→1.3倍。3m幅でコード刺繍を施したデザイン性の高いカーテン生地が市場になく、ホテルや高級住宅向けの高付加価値なカーテン市場の開…

事業者のプロフィール

事業者名渡辺産業株式会社
所在地福井県 鯖江市
業種繊維工業
技術分野機械制御,材料製造プロセス
従業員数9人
資本金2,000万円
設立1973年

事業の背景

渡辺産業は多頭式の刺繍機で衣料などの加工を行っている。インテリア分野にも刺繍の活用が広がり、格調ある美しさが繊維生地の付加価値を高めることから、新しい分野への展開を進めていた。主力のスポーツ衣料分野の刺繍売上は取引先の海外移転によりゼロになった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の刺繍機では対応できる柄サイズの横幅が40cmまでで、大寸法のカーテン生地に刺繍を施せなかった。
  • 生産能力滑りやすい難燃糸では糸がたるみ、ミシンに安定して送り込めなかった。
  • 新製品・新技術刺繍に適した防炎機能を持つ難燃糸がなく、高付加価値のカーテン市場に参入する技術が不足していた。
  • 人手・技能スポーツ衣料分野の刺繍売上が取引先の海外移転でゼロになり、新たな分野への進出が必要だった。

やったこと

刺繍機メーカーと共同で、大幅の生地でも柄のずれが生じない機械を初めて開発した。対応可能な柄サイズの横幅は従来機の40cmから1mに広がった。滑りやすい難燃糸でも安定してミシンに糸を送り込めるよう、糸のたるみを解消した。取引先と共同で糸質の条件を検討し、刺繍に適した難燃糸を開発した。新しい刺繍機と組み合わせ、3m幅生地に対応した原反刺繍機による大寸法カーテンの刺繍加工を実現した。

  • 加工機3m幅生地に対応した原反刺繍機
  • その他刺繍に適した防炎機能を持つ難燃糸

新しい製品・サービス:3m幅生地に施したコード刺繍の防炎カーテン生地

事業の効果

  • 加工速度 1倍→1.3倍
  • 対応可能な柄サイズの横幅 40cm→100cm

3m幅でコード刺繍を施したデザイン性の高いカーテン生地が市場になく、ホテルや高級住宅向けの高付加価値なカーテン市場の開拓につながった。防炎機能への要求にも対応でき、高級品市場での強みとなり、従来機による刺繍カーテンの受注機会の拡大にも結びついた。生産性も高まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    主力のスポーツ衣料の刺繍売上が取引先の海外移転でゼロになり、カーテン分野に進出したと書かれており、過去の取組との連続性は読み取れるが経営戦略上の位置付けは具体的でない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    低価格な海外製品との差別化を図れる美しさと防炎機能を兼ね備えた生地の製造が可能になったと書かれ、強みと外部環境の関係が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    スポーツ衣料の海外移転による売上減少という課題と、カーテン分野への展開が書かれているが、数値を伴う計画や成長目標は示されていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    加工速度が従来設備の1.3倍になり生産性が高まったとあるが、付加価値や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数9名、刺繍機メーカーや取引先との共同開発とあるが、補助事業を遂行する体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ホテルや高級住宅向けの高付加価値カーテン市場を対象とし、3m幅でコード刺繍のデザイン性と防炎機能が選ばれる理由として書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    大寸法の刺繍技術を開発し高級カーテン受注を拡大したと書かれるが、中長期の遂行方法やスケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    3m幅の大寸法生地にコード刺繍を施したカーテンは市場に存在せず、対応柄幅も40cmから1mに広がったと数字で示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域産業や雇用創出への言及は乏しく、国が補助する積極的な理由は限定的にしかうかがえない。

  • 費用対効果3

    加工速度1.3倍と生産性向上が書かれるが、補助金額に対する付加価値増加額などの費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    防炎機能を持つ難燃糸と刺繍機の組み合わせは技術革新だが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    インテリア分野という成長領域への進出が書かれるが、日本経済の構造転換への言及はわずかにうかがえる程度である。

  • 地域経済への波及3

    鯖江市の繊維産業で刺繍加工を行い、インテリア分野を新たな事業の柱にしたと書かれるが、地域経済への波及は具体的でない。

今後の展望

本事業で獲得した機械刺繍の革新的な技術を、デザイン性の向上や小ロット対応などでさらに磨きをかけ、高級カーテンへの刺繍加工の受注拡大に努め、インテリア分野の事業拡大に拍車をかける。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。