ものづくり補助金平成26年度製造業山梨県

国産スモールフルーツを活用した新飲料等の商品開発と販路拡大事業

有限会社農業法人清里ジャム

この事例のポイント

  • 繁忙期の人手不足と閑散期に余剰人員を抱える課題があった。
  • ペクチンを使わず砂糖の使用を極力抑えた糖度37度の超低糖度ジャムと、希釈タイプのシロップ液であるフルーツコーディアルの2商品を開発した。
  • 超低糖度ジャムが金賞を受賞し、高級リゾートホテルの朝食用ジャムや都内ホテルの飲料に採用された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社農業法人清里ジャム
所在地山梨県 北杜市
業種食料品製造業
従業員数7人
資本金300万円
設立2003年

事業の背景

有限会社農業法人清里ジャムは、カシス類などのスモールフルーツの栽培とジャム製品の製造に取り組んでいる。国内ではスモールフルーツの希少性が高く、加工を手掛ける事業者も少ない。健康志向の高い消費者が増えていることから、超低糖度ジャムとフルーツコーディアルに着目した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力繁忙期の人手不足と閑散期に余剰人員を抱える課題があった。
  • 新製品・新技術国内ではスモールフルーツの希少性が高く加工事業者も少ないなか、健康志向の消費者に向けた新商品の開発が必要だった。
  • コスト・採算購入資金の負担が大きく、ミニ充填機と半自動キャッパーの導入費用を補助金で軽減する必要があった。

やったこと

ペクチンを使わず砂糖の使用を極力抑えた糖度37度の超低糖度ジャムと、希釈タイプのシロップ液であるフルーツコーディアルの2商品を開発した。両商品の製造にはミニ充填機と半自動キャッパーを導入した。フルーツコーディアルの製造には清涼飲料水製造業の取得が必要と判断し、自動充てん機及び自動密封機等を設けて平成29年3月に取得した。危害分析・重要管理点方式による衛生管理システムを導入し、「フルーツコーディアル」を自力で商標登録し、「甲州ジャム」も商標登録した。

加工機ミニ充填機
加工機半自動キャッパー
加工機自動充てん機
加工機自動密封機

新しい製品・サービス:超低糖度ジャム(糖度37度)、フルーツコーディアル

事業の効果

超低糖度ジャムが金賞を受賞し、高級リゾートホテルの朝食用ジャムや都内ホテルの飲料に採用された。大手デパートや女性向け通販サイトにも掲載され売上が向上し、OEM製造など継続的な取引も得られた。危害分析・重要管理点方式の導入で安全性が向上し、製造時間の短縮や製造工程の合理化にもつながった。通年で製造できる商品を開発することで、繁忙期の仕事の分散と閑散期の仕事の創出を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    清里の農業や観光振興につながる特産品を生み出す機会として商品化を始めたとあり、過去の事業との連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    健康志向の高い消費者の増加に着目し、国内ではスモールフルーツの希少性が高いと書かれているが、自社の強みを体系的に示した記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    繁忙期の人手不足と閑散期の余剰人員という課題を明示し、冷凍でも品質が変わらない商品で通年製造する対策を具体的に示している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    売上は向上し一定の利益を確保したとあるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれておらず、目標値の実現可能性は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    従業員数7名、山梨県食品衛生協会や地域事務局の指導を受けた体制が書かれているが、補助事業の遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    超低糖度ジャムが富士北麓の高級リゾートホテルで採用され、フルーツコーディアルは都内ハイクラスホテルで使用、大手デパートや通販にも掲載されたと具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    平成29年3月の清涼飲料水製造業取得や平成31年のHACCP導入など時系列の取組は書かれているが、今後の遂行スケジュールは概略にとどまる。

  • 財務と資金の調達2

    ミニ充填機等の購入資金の負担軽減案として補助金を検討したとあるが、資金調達の見通しや財務状況の数値は書かれていない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    国内で希少なスモールフルーツを使い、低糖度区分の糖度40度未満にあたる糖度37度の超低糖度ジャムを開発し、ジャム分野で高水準の商品化を図っている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    耕作放棄地の再生や地域農業・観光の振興、地域雇用の創出に努めると書かれており、地域への波及効果は読み取れるが国が補助する理由は具体的でない。

  • 費用対効果2

    補助金の投入額や付加価値額の増加幅は書かれておらず、売上向上と一定の利益確保という定性的な記述にとどまる。

  • イノベーションへの貢献2

    OEM製造など継続的な取引を獲得したとあるが、先端的なデジタル技術や新しいビジネスモデルの活用はほぼ読み取れない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    健康志向の消費者増加という市場動向に触れているが、成長分野への進出や日本経済の構造転換に関する記述は限定的である。

  • 地域経済への波及4

    清里の農業や観光の振興につながる特産品と位置づけ、繁忙期と閑散期の仕事の分散化による地域雇用の創出を具体的に目指している。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

確立したブランドを保護するため商標登録を進め、地域活性化につながる商品開発に取り組む。通年で製造できる商品を開発し、雇用の安定と地域雇用の創出に努める。

  • 目標:糖度 40度→37度

事業者の声

幸せのものづくり

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。