ものづくり補助金平成26年度製造業山梨県

個々の葡萄農家が栽培した畑ごとのワイン醸造受託サービス

株式会社 東夢

この事例のポイント

  • 観光農園が少量のブドウで畑ごとのワインを造りたいという需要はあるが、既存のワイナリーの醸造設備(収穫量2.5tから5t用)では少量の個別醸造に対応できていない。
  • 少人数で短時間作業が可能な高性能の濾過機を導入した。
  • 畑ごとに少量から醸造を受託するサービスが始まり、観光農園など自分の畑のワインを望む需要に応えられるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 東夢
所在地山梨県 甲州市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
従業員数4人
設立2004年

事業の背景

代表の高野氏は定年退職後にブドウ栽培を始め、ワイン醸造へと広がった。一般的なワイナリーは複数の契約農家のブドウを集約して醸造し、大量生産によりコストダウンを図っている。観光農園の多くは自分の農園のブドウで畑ごとのワインを造ってほしいという声を持つが、観光農園1軒当たりの収穫量は500kgで、専業農家の1/5程度しかない。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力観光農園が少量のブドウで畑ごとのワインを造りたいという需要はあるが、既存のワイナリーの醸造設備(収穫量2.5tから5t用)では少量の個別醸造に対応できていない。
  • 販路・情報発信勝沼地区の葡萄農家は地区内のワイナリーと長年契約しており、新たなワイナリーと契約することは非常に難しい。
  • コスト・採算畑ごとに醸造するには複数の小型醸造設備が必要になり、生産効率が低下してコストアップになる。
  • 品質・精度複数の畑のブドウを混合すると味が平均化し、農家とワイナリーの独自性が損なわれている。

やったこと

少人数で短時間作業が可能な高性能の濾過機を導入した。2か所同時に貼れる2点貼りのタックラベラーを導入した。少量でも畑ごとのワイン醸造が可能な設備一式を新たに導入し、個別醸造を行うための製造工程と体制を確立した。個々の省力化により、個別醸造の受託サービスをスタートさせた。

加工機高性能濾過機
その他タックラベラー(2点貼り)
その他少量でも畑ごとのワイン醸造が可能な設備一式

新しい製品・サービス:畑ごとのワイン醸造(個別醸造)の受託サービス

事業の効果

畑ごとに少量から醸造を受託するサービスが始まり、観光農園など自分の畑のワインを望む需要に応えられるようになった。少人数で効率よく個別醸造を行える製造体制が整い、生産効率が確保された。複数の畑の味を混ぜないことで独自性が保たれ、「顔が見えるワイン」としての高付加価値化が図られている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    定年後に耕作放棄地の草刈りから始めた経緯は書かれるが、事業との一貫性や経営戦略上の位置付けは読み取れません。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    観光農園の声や既存醸造設備が収穫量2.5〜5t向けで対応できない現実が示され、外部需要と設備の不足は読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    複数農家の混合で味が平均化する課題と、個別醸造には小型設備が必要で生産効率が落ちる課題が具体的に示されている。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    従業員4人や地域の農家・メンバーとの連携はうかがえるが、補助事業の遂行体制としての記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    畑ごとの「顔が見えるワイン」という価値と、観光農園から醸造を求める声という顧客ニーズが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    少人数で短時間作業できる濾過機とタックラベラーの導入はうかがえるが、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    畑ごとに醸造する個別醸造の受託サービスという、既存のワイナリーにはない高付加価値化の方向性が具体的に示されている。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    勝沼産葡萄による新たな地域おこしのブランドや人の行き来への言及はあるが、波及効果の数値や根拠は示されていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    個別醸造の受託という新しいビジネスモデルの方向性はうかがえるが、デジタル技術の活用は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    勝沼地区の葡萄農家との連携や第二の人生の通り道になるという地域への貢献が、地域の特性を活かした事業として書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

草刈りくらいならできるでしょう。元気なんだから何かしなくちゃね。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。