ものづくり補助金平成25年度製造業大分県

蒸米と製麹の工程改善による自製酒の製造能力増大と海外等販路の開拓

有限会社中野酒造

成果年間製造能力 300石→500石

この事例のポイント

  • 増加する需要に対して製造能力が不足し、出荷調整を余儀なくされていた。
  • 補助事業では、蒸米を冷却する原料冷却機を新設した。
  • 年間製造能力 300石→500石。新設備の導入により、年間製造能力は300石から500石に増えた。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社中野酒造
所在地大分県 杵築市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野製造環境
従業員数13人
資本金630万円
設立1874年
法人番号3320002015366

事業の背景

創業140年を超える杵築市の老舗酒蔵で、主力は「智恵美人」である。ユネスコ無形文化遺産への和食の登録をきっかけに海外で日本酒への関心が高まり、国内でも女性や若者の日本酒ブームが起きている。若手蔵元の台頭もこの流れを後押ししている。同社は新ブランド「ちえびじん」を開発し、酒販店や飲食店を通じて全国に販路を広げている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力増加する需要に対して製造能力が不足し、出荷調整を余儀なくされていた。
  • 生産能力麹を作る室が狭く一回で作れる麹量が少ないことが、製造工程上のネックになっていた。
  • 品質・精度作業動線や品質管理面で、同規模の酒蔵に比べて劣っていた。

やったこと

補助事業では、蒸米を冷却する原料冷却機を新設した。自然乾燥方式と比べて冷却時間を大幅に短縮し、食品衛生面も改善した。麹づくりには恒温恒湿装置を導入し、麹室を杉材の麹室へ改装した。これにより、2日間で60kgだった麹製造が1日120kgとなり、4倍の製造が可能になった。

事業の効果

  • 年間製造能力 300石→500石
  • 麹製造量(1日あたり換算) 30kg→120kg

新設備の導入により、年間製造能力は300石から500石に増えた。恒温恒湿装置によって麹の製造量が大きく増え、麹の質も向上した。原料冷却機は蒸米の冷却時間を短縮し、食品衛生と酒質の改善にもつながった。増加する需要に対応できるようになり、出荷量は大きく伸びている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業140年超の老舗で、既存ブランド「智恵美人」に新ブランドを加えた販路戦略が読み取れるが、事業の一貫性を示す詳細は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    酒販店への蔵元直送や料理人との提案型販売など独自の販売手法と、北海道からの酒販店来訪など全国展開の状況が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    年間製造能力300石から500石への増強、麹製造量の1日120kgへの増加など、課題と設備による解決が数字で示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    年間製造能力500石、将来1000石の目標が示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    若手6代目当主の存在はうかがえるが、従業員13名以外の体制や事務処理能力の記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ワイングラスが似合う女性向けの味わいや季節限定の数量商品など、製品の特徴と顧客像が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    麹室の改装や全量純米蔵への挑戦などの展望はあるが、スケジュールや課題解決の方法は明示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    モンドセレクション最高賞を3年連続受賞した仕込み水など高水準の品質を示すが、ジャンルの普及度との比較は示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    和食のユネスコ登録や海外での日本酒人気に触れるが、国が補助する経済波及や雇用創出の記述は乏しい。

  • 費用対効果2

    冷却時間の1.5倍以上の短縮や麹製造量4倍などの効果はあるが、補助金額に対する費用対効果の数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタル技術の活用は書かれていないが、設備による品質管理や衛生面の改善はうかがえる。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    杵築市の老舗酒蔵で地元の水や九州の酒蔵としての存在感に触れるが、地域経済への波及の具体性は薄い。

この会社が受けた国の認定・補助金

gBizINFO(経済産業省)に載っている分だけです。事例の補助金とは別に、ほかの認定や補助金も使ってきたかが分かります。

認定・届出

出典:gBizINFO(経済産業省)のデータを当社が加工(2026年10月時点)。会社は国税庁の法人番号公表サイトで、社名と所在地から特定しています。

今後の展望

将来的には全量純米蔵を目指し、1000石の製造能力を目指す。「ちえびじん」ブランドの本格的な海外進出も見込んでいる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。