ものづくり補助金平成26年度製造業長野県

消費者ニーズに対応した低アル・発泡性酒類の開発

喜久水酒造株式会社

この事例のポイント

  • 普通酒の販売不振が続く一方で、純米酒や吟醸酒などの人気が高まっており、新たな商品ジャンルの開拓と新しいターゲットの獲得が求められていた。
  • 清酒・果実酒・リキュールに炭酸ガス圧入溶解(カーボネーション)技術を導入し、カーボネーションタンクと充填機を含む低アルコール発泡酒類製造設備を整えた。
  • 炭酸ガス圧入溶解技術により、品質が均一で安定した発泡性のある酒類を製造できるようになり、増産を図っている。

事業者のプロフィール

事業者名喜久水酒造株式会社
所在地長野県 飯田市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野製造環境
従業員数42人
資本金7,300万円
設立1944年

事業の背景

同社は昭和19年、国の企業統制令により飯田・下伊那地区の37の蔵元が企業合同して設立された。飯田・下伊那地域唯一の酒蔵で、同地域での販売が総販売数量の約半数を占め、長野県内で2位の出荷数量を誇る。普通酒の販売不振が続く一方で純米酒や吟醸酒の人気が高まっており、若者を中心に酎ハイなど甘い酒や低アルコール酒が注目されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑普通酒の販売不振が続く一方で、純米酒や吟醸酒などの人気が高まっており、新たな商品ジャンルの開拓と新しいターゲットの獲得が求められていた。
  • 新製品・新技術若者を中心に甘い酒や低アルコール酒が注目されており、低アルコールの発泡性酒類を安定して製造する体制が必要だった。

やったこと

清酒・果実酒・リキュールに炭酸ガス圧入溶解(カーボネーション)技術を導入し、カーボネーションタンクと充填機を含む低アルコール発泡酒類製造設備を整えた。炭酸ガスを注入した後に充填するため、味の変化がない高品質な製品を量産できる体制をつくった。発泡性清酒は地元産の高嶺錦で仕込んだ生酒タイプで、蔵元からクール便で直送している。南信州産りんごを100%使用したシードルも製造し、増産を図っている。

その他カーボネーションタンク
その他充填機

新しい製品・サービス:低アルコールの発泡性清酒とりんごのシードル

事業の効果

炭酸ガス圧入溶解技術により、品質が均一で安定した発泡性のある酒類を製造できるようになり、増産を図っている。発泡性清酒は現在クール便で直送しているが、今後は常温流通が可能な商品にしていく予定である。シードルは甘口や辛口などの商品を研究し、消費者ニーズに対応していく方針である。新規顧客層と商圏の拡大を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来のバラエティ豊かな酒類製造を背景に、新ジャンルへの参入と位置付けられているが、事業計画の文章では経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    飯田・下伊那地域での販売が総販売数量の約半数、長野県内2位の出荷数量と記載があり強みはうかがえるが、外部環境との関係の分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決2

    若者中心の甘い酒や低アルコール酒の人気に触れているが、課題の認識と高付加価値化の具体的計画は読み取れない。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    社員が中心となって幻の酒米を復活させた経緯や、NPOと普及活動に取り組む点はうかがえるが、体制の具体は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    シードルの地域性と消費者ニーズへの対応は書かれているが、顧客ターゲットやニーズの裏付けの具体性は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    常温流通商品化や甘口・辛口の研究、海外販路開拓が今後の課題として挙げられているが、スケジュールや解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    発泡性清酒やシードルは一般的な普及度が低い分野への参入とされ、高嶺錦の仕込みなど特定分野での差別化が記載されている。

公的補助の必要性27%
  • 波及効果・雇用2

    南信州産りんごの活用や地域活性化への貢献はうかがえるが、雇用創出や波及効果の数字は書かれていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    低アルコール酒や発泡性酒類という成長が見込まれる分野への進出がうかがえるが、構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及4

    南信州産りんごや高嶺錦など地域の素材を活かし、地域活性化に貢献する事業であることが具体的に記載されている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は発泡性清酒を常温流通が可能な商品にし、シードルは甘口・辛口などの商品を研究して消費者ニーズに対応していく。

事業者の声

それだけに安全・安心、消費者を裏切らない酒造りを使命としています

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。