ものづくり補助金平成26年度製造業長野県

「無塩せき皮なしウインナー」の賞味期限を飛躍的に伸ばす革新的生産ラインの構築

信州ハム株式会社

成果賞味期限 15日→20日

この事例のポイント

  • 無塩せき皮なしウインナーは賞味期限が15日と極めて短く、小売店で取扱量を増やせない原因となっていた。
  • 平成26年度は、無塩せき皮なしウインナーの製造工程を見直し、前殺菌工程での商品内残存菌ゼロを目指した。
  • 賞味期限 15日→20日。無塩せき皮なしウインナーの賞味期限が15日から20日に延び、目標を達成することが実証できた。

事業者のプロフィール

事業者名信州ハム株式会社
所在地長野県 上田市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数461人
資本金1億円
設立1941年

事業の背景

信州ハムは1941年に上田で創業し、ハム・ソーセージを中心とする「信州ハム」ブランド商品を製造・販売している。発色剤・着色料・保存料・リン酸塩を使わない「グリーンマーク」商品は、安全・安心を求める消費者に支持され、業界内で無塩せきという一つのカテゴリーを作ったとされる。商品は約350アイテムと少量多品種である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術無塩せき皮なしウインナーは賞味期限が15日と極めて短く、小売店で取扱量を増やせない原因となっていた。
  • 品質・精度無添加ハムは合成結着剤を使わないため結着力が弱く、カット工程で不良が発生しやすかった。

やったこと

平成26年度は、無塩せき皮なしウインナーの製造工程を見直し、前殺菌工程での商品内残存菌ゼロを目指した。適正温度を保つ品温管理で微生物増殖を防ぎ、人の介在を減らして二次汚染を避けた。分断されていたラインを一体化し、新たに機械装置を導入して製造工程の抜本的な改革を行った。平成27年度は、無添加ハム専用のインジェクションマシンと自動洗浄装置を導入し、味付け液の管理技術と、味付け液を均一に浸透させる結着技術を一新した。

加工機無添加ハム専用インジェクションマシン
その他自動洗浄装置
加工機無塩せき皮なしウインナーの革新的生産ライン(機械装置)

新しい製品・サービス:無塩せき皮なしウインナーの革新的生産ライン、および無添加ハムの革新的結着技術を用いた生産設備。

事業の効果

  • 賞味期限 15日→20日
  • 生産性が20%向上した。
  • 歩留まりが最大6.4%改善した。
  • 無添加ハムの歩留まり率を有添加ハムと同レベルの90%にした。

無塩せき皮なしウインナーの賞味期限が15日から20日に延び、目標を達成することが実証できた。生産性が20%向上し、歩留まりも最大6.4%改善したことで、生産量を増やせる新生産ラインが構築できた。無添加ハムでは有添加ハムと同レベルの歩留まり率90%を実現した。無塩せきハムで得た歩留まり向上の取り組みは他製品へ波及し、無塩せきベーコンでも生産性向上への応用が可能とされる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    事例は平成26年度・27年度と継続して生産ラインを改善しており、一貫した取組が読み取れる。経営戦略上の位置づけは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    「グリーンマーク」が健康志向の顧客に高く評価されたとあり、無添加商品の強みはうかがえる。ただし市場動向との関係は詳しく書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    賞味期限15日を20日へ延ばす目標と、無添加ハムの歩留まりを有添加並みに近づける課題が具体的に示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    賞味期限を15日から20日へ、生産性を20%向上、歩留まりを最大6.4%改善といった数値目標が示され、達成が実証されたとある。

  • 事業を進める体制2

    公開事例では従業員数461名と本社情報はあるが、補助事業を遂行する担当体制や事務処理能力の記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    「グリーンマーク」商品が安全・安心を求める顧客に評価されたと書かれ、選ばれる理由は読み取れるが、ニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    ライン全体の見直しや段階的な導入など遂行方法は書かれているが、中長期の検証やスケジュールの詳細は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    無塩せき・無添加ハムというカテゴリーを業界内に作り、無塩せきウインナーは他社が容易に参入できないと書かれている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    製造ラインの改善による生産量増加はうかがえるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果4

    投資に対し生産性20%向上、歩留まり最大6.4%改善、賞味期限15日から20日への延長など数字で効果が示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    バイオクリーンシステムや人の介在を減らす一体化ラインは示されるが、先端デジタル技術の活用は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    上田市で創業し地域の企業として紹介されているが、地域特性を活かした雇用創出や地域成長への貢献は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は販路拡大を図るとともに、より競争力の高い商品開発を行っていく。若い技術者を中心に、子育て世代にも届く価格を抑えたグリーンマーク商品の開発にも取り組んでいる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。