ものづくり補助金平成26年度製造業長野県

お米本来の香りと旨みを活かした『特別純米酒』の開発と事業化

大雪渓酒造株式会社

成果純米酒の売上(前年比) 100%→111.2%

この事例のポイント

  • 既存の上槽設備(籔田式ろ過圧搾機)にアルミを使っており、商品の安全・安心に問題があるとされていた。
  • 平成26年度の補助事業では、商品の安全・安心に問題があるとされたアルミを使った既存上槽設備(籔田式ろ過圧搾機)を、アルミを使わない新設備に更新した。
  • 純米酒の売上(前年比) 100%→111.2%。新たな設備により、鮮度にこだわった高付加価値商品を安定して生産できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名大雪渓酒造株式会社
所在地長野県 池田町
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野製造環境
従業員数20人
資本金2,000万円
設立1898年

事業の背景

1898年創業の清酒製造会社で、商品の8割を普通酒が占め、県内中堅クラスの生産量を維持している。生産量の約9割は長野県内で消費されている。清酒消費量は落ち込んでいるが、純米酒や吟醸酒などの特定名称酒は増加傾向にあり、県内では特定名称酒の比率が6割に上る。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度既存の上槽設備(籔田式ろ過圧搾機)にアルミを使っており、商品の安全・安心に問題があるとされていた。
  • 品質・精度普通酒の酒質を向上させ、特定名称酒の比率をもっと高める必要があった。
  • 販路・情報発信若者のアルコール離れが続く中で、より多くの販売チャネルに置いてもらえる商品づくりが求められていた。

やったこと

平成26年度の補助事業では、商品の安全・安心に問題があるとされたアルミを使った既存上槽設備(籔田式ろ過圧搾機)を、アルミを使わない新設備に更新した。平成27年度の補助事業では、清酒製造の最終工程である瓶詰めラインを一新し、低温殺菌後に急冷を行う仕組みで品質を保つ体制を整えた。パストライザーを導入して瓶火入れ工程を自動化し、打栓機も導入した。自己資金で充填機やラベル貼り機も加え、既存の瓶詰めラインを一新した。

加工機アルミ不使用の上槽設備(籔田式ろ過圧搾機)
加工機パストライザー
加工機打栓機

新しい製品・サービス:お米本来の香りと旨みを活かした特別純米酒「直汲み」

事業の効果

  • 純米酒の売上(前年比) 100%→111.2%
  • 純米吟醸酒の売上(前年比) 100%→113.8%

新たな設備により、鮮度にこだわった高付加価値商品を安定して生産できるようになった。純米酒と純米吟醸酒はともに前年比で2桁以上伸び、当初の計画を上回る実績を残した。低温殺菌後の急冷により品質を保ったまま高品質な商品をエンドユーザーに届けられるようになり、今後の販売拡大が期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    普通酒8割の地元向け酒造りから特定名称酒の比率を高める方針が示され、過去の設備投資と一貫している。ただし戦略上の位置付けは記述が限定的。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    県内の特定名称酒比率が6割、地元消費が約9割と市場状況に触れ、直営店や海外展示会での発信も示される。競争優位の説明は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    少子高齢化とアルコール離れという課題を挙げ、アルミ不使用の上槽設備や瓶詰め刷新で対応している。純米酒111.2%、純米吟醸酒113.8%の伸びも示される。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    純米酒前年比111.2%、純米吟醸酒113.8%と2桁増の実績があり、当初計画を上回ったと記載されている。ただし賃上げ目標などの数値は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    従業員20名、資本金2,000万円と規模は分かるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の記述はうかがえない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    「鮮度」にこだわった高品質・高付加価値商品で、量より質を求める消費者ニーズに応えると明記。低温殺菌後の急冷による品質保持も説明されている。

  • 事業化までの道筋3

    平成26年度に上槽設備、平成27年度に瓶詰め工程設備を段階的に更新した流れが示され、順序は読み取れる。遂行スケジュールの詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達2

    自己資金で充填機やラベル貼り機を加えたと記載があり、自己資金投入の事実はうかがえる。ただし財務状況や金融機関からの調達は書かれていない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    特定名称酒や純米酒の増加傾向が触れられ、高付加価値化を図る方向は読み取れる。具体的な市場水準との比較は示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地元で親しまれる酒造りや県内の生産量維持が述べられるが、波及効果や雇用創出など国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果3

    純米酒と純米吟醸酒の伸び率が示され、投資と売上増の関連はうかがえる。付加価値額や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    白馬岳の大雪渓と地元池田町に根差した酒造りで、地元消費が約9割と記載される。地域の経済成長への寄与は直接には書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も販促活動に積極的に取り組み、売り上げの増加につなげていきたいとしている。

事業者の声

普通酒の酒質向上に力を入れるとともに、より多くの消費者に届けられるようスーパー・コンビニなど大きなチャネルでの販売にも力を入れています

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。