ものづくり補助金平成26年度製造業長野県

高利益製品を増産するための画像検査ラインの開発

佐久産業株式会社

成果目標検査速度は1時間に2万5000本以上

この事例のポイント

  • 紙軸の黒点は製造時の汚れや原料由来のものが出るため、医療用など特殊用途で求められる、より高い品質レベルに安定して対応する必要があった。
  • 高利益率の医療・介護用の紙軸に生産を強化するため、外観検査を機械化する画像検査ラインを開発した。
  • 目標検査速度は1時間に2万5000本以上。試作導入した画像検査ラインにより、製品の黒点排除が実現し、品質が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名佐久産業株式会社
所在地長野県 小諸市
業種パルプ・紙・紙加工品製造業
技術分野機械制御,測定計測
従業員数29人
資本金1,000万円
設立1987年

事業の背景

綿棒用紙軸の売上げはピーク時の半分ほどになっていた。一方、医療・介護の現場では紙軸の需要が高まっており、特殊用途の製品の注文に積極的に応えていた。医療用は安全性の高さから日本製の紙を使った国内生産が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度紙軸の黒点は製造時の汚れや原料由来のものが出るため、医療用など特殊用途で求められる、より高い品質レベルに安定して対応する必要があった。
  • 人手・技能紙軸の検査は熟練社員の目視による全量検査に頼っており、個人差が大きかった。
  • 生産能力外観検査がボトルネック工程となっており、生産の拡大が難しかった。

やったこと

高利益率の医療・介護用の紙軸に生産を強化するため、外観検査を機械化する画像検査ラインを開発した。カメラや搬送機器などのメーカー各社と共同で、まったくオリジナルの画像検査装置の開発に着手した。どの方向から画像をとらえるのが良いかを徹底的に検証し、アイデアを出し合って改良を重ねた。2017年8月に完全運用にこぎつけた。目標検査速度は1時間に2万5000本以上とした。

検査測定オリジナルの画像検査装置(画像検査ライン)

新しい製品・サービス:医療・介護用の紙軸(手術用の長さ30センチの綿棒や、スポンジ製歯ブラシの棒など)

事業の効果

  • 目標検査速度は1時間に2万5000本以上

試作導入した画像検査ラインにより、製品の黒点排除が実現し、品質が向上した。検査工程の生産性も向上した。装置は安定して大量に検査でき、お客様に品質の高さをアピールして会社の信用を高められるようになった。ユーザーの満足度向上につながり、今後の販売促進が期待できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    綿棒紙軸の専門メーカーとして医療・介護用へ生産強化を図るとあり、事業の方向性は読み取れるが、過去の取組との連続性は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内綿棒メーカー全社に供給し、長さ6~30センチ・太さ1.5~3.5ミリの小ロット製造が強みとされ、特殊用途への特化が示されている。

  • 課題の認識と解決4

    熟練社員の目視全量検査がボトルネックとされ、画像検査装置で黒点を排除し1時間2万5000本以上の検査速度を目標にしている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    目標検査速度を1時間2万5000本以上とし、2017年8月に完全運用したと書かれている。付加価値や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    メーカー各社との共同開発に着手したとあるが、人材や事務処理体制の具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療用は安全性重視で日本製紙の需要があり、黒点排除で顧客にアピールし信用を高められる点が述べられている。

  • 事業化までの道筋3

    装置の検証と改良を重ね完全運用にこぎつけた経緯は示されるが、中長期の課題や今後の遂行スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    医療・介護用の紙軸で利益率の高い特殊商品へ特化し、スポンジ製歯ブラシの棒などオーダーに応えていると述べられている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    医療・介護分野は今後需要の伸びが期待できるとあるが、経済波及や雇用創出など国が補助する理由の記述は限定的である。

  • 費用対効果3

    装置は安定して大量にこなし、目視の1.5倍の速度とあるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    カメラや搬送機器メーカーと共同で画像検査装置を開発したとあるが、サプライチェーンへの波及は具体的に書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    小諸市の企業で、地域性を活かした記述は所在地程度にとどまり、地域の雇用や成長への言及はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

医療・介護関連の紙軸は今後需要の伸びが期待できる分野である。今後は装置を経営戦略の中にどう位置づけるかが課題となっている。

事業者の声

検査スピードは熟練した社員による目視の1.5倍と極端に速いわけではありません。しかし人の場合は個人差が大きいのに対し、装置は安定して大量にこなしてくれる。しかもお客様に品質の高さをアピールでき、会社の信用を高められる。これも大きなメリットです。

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。