ものづくり補助金平成26年度製造業愛媛県

新型「汚れ検出器」導入による、再生紙を原料とした高品質機械梳き和紙の生産体制の確立

金柳製紙株式会社

この事例のポイント

  • 再生紙を併用するため、製紙工程でインクによる汚れ等を早期に検出して良品質の和紙を提供する体制が必要だった。
  • 製造工程に対応したデジタル式のカラー検出装置について、仕様の検討、装置の製作、ラインへの設置とテスト運転を行い、本格運転に至るまでの改善点を確認した。
  • カラー判別により特定の色を指定して検出できるようになり、見逃しがなくなった。

事業者のプロフィール

事業者名金柳製紙株式会社
所在地愛媛県 四国中央市
業種パルプ・紙・紙加工品製造業
技術分野測定計測
従業員数45人
資本金1,800万円
設立1960年

事業の背景

当社は箸袋等の食品関係と、台帳用紙や記録用紙等の和文具・ステーショナリ関係の和紙製品を機械抄きで製造する和紙メーカーである。主要取引先はスーパーマーケットやコンビニエンスストア等である。和紙の原料にはバージンパルプを使用していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度再生紙を併用するため、製紙工程でインクによる汚れ等を早期に検出して良品質の和紙を提供する体制が必要だった。
  • 品質・精度最終製品の裏表の汚れを光学式の汚れ検出器で検査していたが、色で選別できず、汚れを正確に検出できなかった。

やったこと

製造工程に対応したデジタル式のカラー検出装置について、仕様の検討、装置の製作、ラインへの設置とテスト運転を行い、本格運転に至るまでの改善点を確認した。装置にはカラーカメラを採用し、有色の検出に適するようにした。検出した画像で判断しやすくし、モノクロ検査では困難な低コントラストの検出も可能にした。上流側と下流側の両方に高感度デジタルカメラの受光器と投光器を設置した。

検査測定カラー検出装置
検査測定高感度デジタルカメラ(受光器・投光器)

新しい製品・サービス:再生紙を原料とした機械抄き和紙

事業の効果

カラー判別により特定の色を指定して検出できるようになり、見逃しがなくなった。デジタル画像により誤検出がなくなった。特定の色の検出が可能になったことで、リサイクルパルプの使用が可能になった。カラー画像で表示されるため発生から対処までの時間が短くなり、ロス率が抑えられてコスト削減につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    機械抄き和紙メーカーで食品・文具向け製品を扱うと読めるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは書かれていません。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    再生紙使用で製造能力の制約があり、コスト削減やリサイクル製品の市場規模1兆円に触れており、外部環境と強みの関係がある程度読み取れます。

  • 課題の認識と解決4

    課題は色選別不可と汚れ検出の不正確さと明記され、カラー検出装置導入で見逃しや誤検出がなくなったと成果が書かれています。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    リサイクル製品の年間販売量100tを目標とし、現在の製造能力から立てた数値と書かれており、目標値が具体的です。付加価値や賃上げの数値は書かれていません。

  • 事業を進める体制2

    従業員45名、製造ラインの増設や装置の製作・テスト運転の工程は書かれていますが、補助事業を遂行する人材や事務体制の記述は少ないです。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    環境型商品に興味を持つ企業を対象に代理店を通じて販売する計画があり、顧客ターゲットは示されているが、選ばれる理由の整理は薄いです。

  • 事業化までの道筋3

    装置の仕様検討・製作・ライン設置・本格運転という工程と、受注増に応じた増設の検討が示されていますが、スケジュールは具体的ではありません。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    再生紙を原料とした高品質機械抄き和紙という取組で、低コントラスト検出や色判別など高水準の品質管理に触れていますが、市場の普及度との比較は書かれていません。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    リサイクル製品の市場規模1兆円に触れてあり、環境型商品への関心があると書かれていますが、波及効果や雇用創出は書かれていません。

  • 費用対効果2

    ロス率の抑制によるコスト削減が書かれていますが、補助金額に対する付加価値増加や生産性の数値は示されていません。

  • イノベーションへの貢献3

    デジタル式カラー検出装置の導入で、再生紙の使用を可能にした点は示されていますが、サプライチェーン全体への貢献までは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    リサイクル製品の市場拡大に言及していますが、日本経済の構造転換への寄与は書かれていません。

  • 地域経済への波及2

    愛媛県四国中央市の本社工場で製造していると読めますが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出の記述は薄いです。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は環境型商品に関心のある企業を対象に、代理店を通じて販売していく予定である。リサイクルパルプ製品の年間販売量は100tを目標とし、販売単価を下げることを目指す。リサイクル製品の市場規模は1兆円とされる。安定した受注増が見込めれば、製造ラインの増設やラインスピードの高速化も検討する。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。