ものづくり補助金平成26年度製造業長野県

市場ニーズに対応した革新的健康サポーターの種類拡充

株式会社TOSCOM

この事例のポイント

  • 健康サポーターの大型サイズ需要が高まっていたが、対応できる編み機が不足していた。
  • 北原社長が膝の痛みをテーピングで解消した経験をきっかけに、靴下づくりの技術でテーピング効果を実現する開発を始めた。
  • 独自ブランドの健康サポーター「HOLZAC」を開発し、販売を開始した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社TOSCOM
所在地長野県 長野市
業種繊維工業
技術分野デザイン,複合・新機能材料,立体造形
従業員数73人
資本金2,000万円
設立2008年

事業の背景

株式会社TOSCOMは、東京靴下株式会社の長野工場を前身とし、2008年に工場を買い受けて独立した。靴下メーカーとして一時は長野と横須賀に工場を持ち800名を擁したが、1973年のオイルショックやバブル崩壊、アジア諸国の台頭により靴下づくりは厳しい時代を迎えていた。独立時の従業員は約100名だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力健康サポーターの大型サイズ需要が高まっていたが、対応できる編み機が不足していた。
  • 新製品・新技術テーピング効果を靴下づくりの技術で再現した健康サポーターの種類を広げる必要があった。
  • 販路・情報発信自社ブランドの健康サポーターを、信頼を積み上げながら販売ルートに乗せる必要があった。

やったこと

北原社長が膝の痛みをテーピングで解消した経験をきっかけに、靴下づくりの技術でテーピング効果を実現する開発を始めた。医師の監修と長野県柔道整復師会の協力を得て、何回もの試行錯誤を重ね、2年かけて開発に成功した。大型サイズの需要に応えるため、大型対応の編み機を導入した。3次元シリコンテーピングサポーター(HOLZAC)の種類拡充、開発、生産体制強化を図った。

加工機大型サイズ対応の編み機

新しい製品・サービス:HOLZAC(ホルザック)3次元シリコンテーピングサポーター

事業の効果

独自ブランドの健康サポーター「HOLZAC」を開発し、販売を開始した。大型サイズへの対応により売上は順調に伸びている。全国の柔道整復師会の中で製品を気に入った先生方からの販売が中心となり、信頼関係を築きながらブランドを育てている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性4

    靴下製造の長年のノウハウを応用し、テーピング効果を再現するサポーターを2年かけて開発したと記述があり、既存事業との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    高齢化や健康志向の高まりを背景に挙げるが、競合との差別化の根拠は『他社と異なる革新的サポーター』との記述にとどまり具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決3

    膝や関節の痛み解消から腰痛へ広げる方向性は示されるが、課題の数値的把握や高付加価値化の計画は具体的に書かれていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    開発責任者や社長の経歴、医師監修・柔道整復師会の協力体制は読み取れるが、補助事業を遂行する人員や事務体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ターゲットは柔道整復師会の先生方を通じた販売で、テーピング効果を靴下技術で実現した点など、選ばれる理由が記事から読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    腰の痛みまで解消する製品の開発に挑戦したいという方向性はうかがえるが、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達2

    2008年に銀行融資の目処が立ったと記述があるのみで、現在の財務状況や補助事業の資金調達見込みは読み取れない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    医療監修を受けた3次元シリコンテーピングサポーターは既存製品と根本的に異なる『革新的』な製品と位置付けられ、市場での独自性が読み取れる。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    高齢化や健康長寿への貢献はうかがえるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    医師監修や柔道整復師会との協力はあるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は記述されていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    健康志向の高まりを背景に健康分野へ進出する点はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及3

    長野県の健康長寿への貢献を掲げ、長野の靴下工場を基盤に地域で事業を続ける点は読み取れるが、雇用や成長への定量的な記述はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

膝や関節の痛みを解消する製品から、腰の痛みまで解消できる製品の開発に挑戦し、長野県の健康長寿に貢献するブランドを目指している。

事業者の声

世の中の膝や関節の痛みを少しでも解消して、その先に、腰の痛みまで解消できる製品の開発に挑戦したい。そして最終的には長野県の健康長寿に貢献できるようなブランドでありたいと思っています

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。