ものづくり補助金平成26年度製造業岐阜県

3次元複雑形状の部品の削り出しによる製品品質の向上及びコストダウン

株式会社丸富精工

この事例のポイント

  • 鋳物業者の廃業増加により鋳物の調達が難しくなり、鋳物部品の納期が過去の5日から30日に延び、鋳造単価も過去の倍になっている。
  • 最新の同時5軸制御マシニングセンターを導入し、3次元の複雑な形状を1台で削り出せるようにした。
  • 複雑形状の部品を1つの金属のかたまりから削り出せるようになり、リードタイムが大幅に短縮されてコストダウンを実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社丸富精工
所在地岐阜県 関市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数29人
資本金1,000万円
設立1983年

事業の背景

同社は産業用機械・部品の開発設計と精密機械加工を強みとし、印刷機械、包装機械、縫製機械など様々な分野の専用機械に部品加工技術を提供してきた。これまでは鋳物工場で製造された複雑形状部品を受け取り、一部を高精度加工して仕上げる業務を担っていた。近年は鋳物業者の廃業増加により鋳物の調達が難しくなっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力鋳物業者の廃業増加により鋳物の調達が難しくなり、鋳物部品の納期が過去の5日から30日に延び、鋳造単価も過去の倍になっている。
  • 品質・精度食品を扱う機械では食品の粉が機械の隙間に入り込んで機械が止まる問題があり、隙間のない機械部品の製造という品質向上が課題となっている。
  • 新製品・新技術客先から金属材料から一発で削り出して製造できないかという依頼が増えているが、複雑形状を削り出すには高度な3次元設計・加工技術が必要である。

やったこと

最新の同時5軸制御マシニングセンターを導入し、3次元の複雑な形状を1台で削り出せるようにした。同時に3次元CAD/CAMを導入し、同時5軸マシニングセンターと親和性の高い3次元加工プログラムを作成できる体制を整えた。これにより、これまで鋳造品で対応していた機械部品を1つの金属のかたまりから削り出し、自社内で作業を完結できるようにした。テーブルが回転傾斜することで平たんではない球面などの3次元曲面加工も可能になった。複数の部品を一体化した製品の削り出しにも取り組んだ。

加工機同時5軸制御マシニングセンター
ソフト3次元CAD/CAM

事業の効果

複雑形状の部品を1つの金属のかたまりから削り出せるようになり、リードタイムが大幅に短縮されてコストダウンを実現した。さらなる精度の向上も実現した。複数部品を組み立てる負担が減り、設計の簡素化も不要になって部品設計者が考える最適形状を実現できるようになった。加工のノウハウとして、多軸化した加工概念、多工程部品の単工程化、3次元形状を取り入れた設計概念の変化が蓄積された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来は鋳物部品を受け取り仕上げる業務を担っており、そこから削り出し内製化へ進めた経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    鋳物業者の廃業で調達が難しくなり、リードタイムや単価が悪化したという外部環境の変化は書かれているが、競争優位の内容は具体的に示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    鋳物調達が30日に延び単価も倍になったという課題を示し、5軸マシニングセンタと3次元CAD/CAMで削り出しを内製化し、リードタイム短縮を図ると書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    リードタイム短縮や低コスト化は述べられているが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値は記載されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員29人、設計から加工・組立まで一貫して行う体制と記載されているが、補助事業を遂行する人材や事務体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    客先から金属材料からの一発削り出しの依頼が多いというニーズ、複数部品を一体化する価値(精度ロス・異物混入の回避)が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は低コスト化と短納期化を促進するとあるが、スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    3次元複雑形状の削り出しは同分野で高度な技術とされるが、普及度や高付加価値化の水準を数字で示す記述は少ない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    産業構造変化による鋳物業者の廃業という背景はうかがえるが、経済波及や雇用創出など国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果2

    リードタイムが5日から30日に延びた課題は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    3次元CAD/CAMの活用は書かれているが、サプライチェーンや地域イノベーションへの貢献は明示されていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    関市の企業であることは示されるが、地域の特性を活かした雇用創出や経済成長への言及はうかがえる程度にとどまる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は機械操作と加工技術のさらなる向上を目指し、これまで以上の低コスト化、短納期化を促進していく。3次元複雑形状の加工が可能になったことで、高精度で自由度の高い部品製作の可能性が高まってきた。

  • 目標:鋳物部品の調達期間 5日→30日

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。