ものづくり補助金平成26年度製造業岐阜県

3Dターニングマシン導入による高付加価値木製照明器具の試作開発

株式会社柿下木材工業所

この事例のポイント

  • 顧客の多種多様な要望を満たすには、限られた高い技術を持つ職人の手に頼らなければならない現状があった。
  • 3Dターニングマシンを導入し、手作業では難しい複雑な形状を安全かつ正確に切削する取り組みを行った。
  • 手作業から3Dターニングマシンへの移行により、薄さの追求、加工精度の向上、複雑なデザインの加工が容易になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社柿下木材工業所
所在地岐阜県 高山市
業種木材・木製品製造業
技術分野精密加工,立体造形
従業員数30人
資本金2,000万円
設立1981年

事業の背景

1957年の創業以来、飛騨高山で木製照明の製造・販売を手掛けてきた。他社にない技術や素材を持ち、製造から完成まで一貫した体制を整えている。半世紀にわたり木製照明を作り続けてきた実績がある。今後はLEDを使った付加価値の高い木製照明器具の市場価値が高まると見込まれている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能顧客の多種多様な要望を満たすには、限られた高い技術を持つ職人の手に頼らなければならない現状があった。
  • 生産能力当社の製品に対するニーズの拡大に対応できず、生産が間に合わなかった。
  • 品質・精度人の手では製品ごとにばらつきが出てしまい、正確に同じ製品を作り続けることが困難だった。

やったこと

3Dターニングマシンを導入し、手作業では難しい複雑な形状を安全かつ正確に切削する取り組みを行った。厚さ2ミリの薄さ、0.1ミリ単位での加工精度、左右非対称となる複雑なデザインの加工といった技術を確立した。機械の導入により、職人並みの高い技術を持つスタッフが商品を作れる体制を整えた。

加工機3Dターニングマシン

新しい製品・サービス:高付加価値木製照明器具

事業の効果

手作業から3Dターニングマシンへの移行により、薄さの追求、加工精度の向上、複雑なデザインの加工が容易になった。これまで諦めていた極めて薄い厚みの加工も可能になった。自動化により作業の安全性が確保され、作業時の危険も軽減された。機械で労働力を効率化したことで、市場ニーズに応える商品開発に取り組む時間も確保できるようになった。一方で、機械加工後の研磨作業に時間がかかり、目標販売価格の達成を妨げている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の木製照明製造の実績から自社製品の延長として位置付けられているが、経営戦略上の明確な位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客の多様な要望や市場価値の高まりに触れ、一貫した技術や素材を強みとするが、競争優位の定量的な比較は示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    手作業の生産が間に合わない、ばらつくといった課題を認識し機械導入で解決を図るが、高付加価値化の数値目標は示されていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値や賃上げの目標値は示されておらず、薄さ0.2ミリ等の加工精度はうかがえるが、実現可能性の数値根拠はない。

  • 事業を進める体制3

    職人並みの技術を持つスタッフが機械を使う体制や、半世紀にわたる製造実績がうかがえるが、人材や事務処理体制の具体記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    天然木の暖かさと光の美しさによる心地よさを基調とする顧客価値が示されるが、ターゲットやニーズの裏付けは整理されていない。

  • 事業化までの道筋3

    研磨作業が販売価格達成の課題とされ、改善活動や展示会での販売など今後の取り組みは示されるが、スケジュールは具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    LEDを使った付加価値の高い木製照明器具を、薄さ0.2ミリ等の高水準の加工で差別化しており、同分野で高付加価値化を図る内容と読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地域の木材産業や飛騨高山での製造に触れるが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由の記述は薄い。

  • 費用対効果2

    付加価値や生産性の増加を示す数値はなく、研磨作業の時間短縮など定性的な効果のみで費用対効果は読み取りにくい。

  • イノベーションへの貢献2

    3Dターニングマシンという先進的な加工機械の活用はうかがえるが、サプライチェーンへの貢献や新ビジネスモデルの記述はない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    飛騨高山の地域で木製照明を製造する事業であることは読み取れるが、地域の成長や雇用創出への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

研磨作業の改善活動を通じて作業時間を短縮し、購入しやすい価格を目指す。今後は高付加価値照明器具の製造・販売の事業化に向けて継続して取り組み、技術力のPRや展示会を通じて販売を進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。