ものづくり補助金平成26年度製造業石川県

高付加価値テーブルウェアの生産能力、生産効率向上をめざす設備投資事業

この事例のポイント

  • 従来の旋盤は一人が一台について一商品の制作にかかりきりになり、生産能力と効率に限界があった。
  • NC加工機メーカーと当社向けのカスタマイズ内容を打ち合わせながら、2軸制御と3軸制御の外形加工専用機を各1機、計2機を購入した。
  • NC加工機の導入により、一人で従来の旋盤やNC旋盤などを掛け持ちし、二、三種類の商品を同時進行で制作できるようになり、生産能力と効率が向上した。

事業者のプロフィール

所在地石川県 加賀市
業種木材・木製品製造業
技術分野精密加工
従業員数2人
設立1955年

事業の背景

1955年(昭和30年)に現代表の父が山中温泉で木地製造業を開業し、以来一貫して漆器の椀木地を製造してきた。従来は漆器問屋の製品規格に沿った椀木地が中心で、全国の産地からの仕事が多かった。一方で全国的に木地屋の廃業が相次ぎ、これまで取引のなかった業界からのOEM発注が増えてきていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の旋盤は一人が一台について一商品の制作にかかりきりになり、生産能力と効率に限界があった。
  • 新製品・新技術旋盤では回転体以外の四角や楕円の形状の加工や、ねじ切り以外の特殊な穴あけやロゴ入れなどができず、新しい商品の開発が難しかった。
  • 生産能力既存の旋盤は刃物の角度が固定されているため切削形状に限界があり、加工効率が悪かった。
  • その他山中の木地屋が使う旋盤はメーカーがなく修理が極めて困難で、使えなくなれば産地全体に影響が大きい。

やったこと

NC加工機メーカーと当社向けのカスタマイズ内容を打ち合わせながら、2軸制御と3軸制御の外形加工専用機を各1機、計2機を購入した。2軸制御機は材料をセットしてスイッチを入れると自動で稼働し、終われば自動で停止するため、他の作業を同時並行で行える。3軸制御機は切削工程の途中でも刃物の角度を変えられるため、旋盤とフライス盤を取り外さずに加工でき、四角や楕円の形状や変形象嵌などの加工が可能になった。あわせて工場内の設備配置と生産工程を見直し、木粉対策として集塵設備も設置した。

加工機2軸制御外形加工専用機
加工機3軸制御外形加工専用機

新しい製品・サービス:0.1mm単位の加工技術を活かした、テーブルウェア、玩具、生活雑貨などの新製品

事業の効果

NC加工機の導入により、一人で従来の旋盤やNC旋盤などを掛け持ちし、二、三種類の商品を同時進行で制作できるようになり、生産能力と効率が向上した。データが機器に直結したことで型やセットの手間が減り、正確さも高まった。3軸加工機によって複雑形状の加工にも対応でき、規格にとらわれない自由な発想の商品を製造できるようになった。その結果、売上高に占めるデザイナー製品とOEM製品の比率は70%に達し、取り組み前と比べて30%伸びた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    旋盤から NC 加工への移行と従来の椀木地から OEM・デザイナー製品への軸足移動が書かれ、一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    全国の産地からの仕事や異業種とのコラボによる製品化が書かれ、強みの活用はうかがえるが、市場分析の記述は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    旋盤メーカー消滅による修理困難という課題認識と、3軸機導入での生産性向上が書かれ、課題と対策のつながりは読み取れる。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    「生産性の大幅な向上」や売上比率70%、事業取り組み前比30%の伸びは書かれるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数2人と書かれるのみで、加工体制や事務処理能力について具体的な記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    テーブルウェアや玩具、生活雑貨を対象とし、デザイナー製品やOEM製品としての選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展示会参加や新設備(4軸・5軸・レーザー)の導入検討は書かれるが、スケジュールや課題解決方法は明確でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    旋盤の限界とされた加工を超えた木製品の製造で、同分野で高付加価値化を図る内容が具体的に書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    山中漆器産地の危機や伝統漆器産業への影響に触れ、地域的な意義がうかがえるが、経済波及や雇用創出の数値は書かれていない。

  • 費用対効果3

    売上高に占める比率が70%、30%の伸びと書かれ、投資に対する効果の一端は読み取れるが、費用対効果の算出は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    NC加工機やデータ直結による効率化は書かれるが、新しいビジネスモデルや地域サプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    山中漆器の木地製造技術を活かし、伝統産地の地盤沈下に対応して新しい木製品を生み出している点が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は新たな客先の開拓を進め、各種展示会や支援機関のマッチング会に積極的に参加する予定である。また、新しい商品アイテムの多様化をめざし、4軸・5軸加工機やレーザー加工機の導入も視野に入れている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。