ものづくり補助金平成26年度製造業静岡県

ステンレス溶接で発生する酸化被膜等を高品質・高効率に除去する加工技術の構築。

株式会社ベルスター・スズキ

成果酸洗処理の浸水時間 5時間→2時間

この事例のポイント

  • 酸洗処理の能力が不足し、低温下では酸洗液の効果が劣化して余分な作業時間が生じていた。
  • 酸洗処理施設を一新し、処理槽を大型化するとともに、酸洗液の温度が季節で変動しないよう温度管理機能を付与した。
  • 酸洗処理の浸水時間 5時間→2時間。酸洗処理の能力強化により、浸水時間は冬場で最長5〜6時間から2時間程度に短縮し、処理速度は従来の2〜3倍となって年間を…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ベルスター・スズキ
所在地静岡県 島田市
業種金属製品製造業
技術分野製造環境,接合・実装,表面処理
資本金2,500万円
設立1944年

事業の背景

株式会社ベルスター・スズキは明治41年(1908年)創業で、製材・製茶用機械や工作機械、洗浄機などの産業機械向けに製品をつくってきた。製缶・板金加工を得意とし、ステンレス部品の溶接は精密機械の受注実績があり、近年は半導体・液晶関連の精密機器や医療・製薬機器などから厚い信頼を得ている。ステンレス加工業者の多くは酸洗いを外注するが、同社の近隣に酸洗いを内製する企業はなく、独自性の高い事業だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力酸洗処理の能力が不足し、低温下では酸洗液の効果が劣化して余分な作業時間が生じていた。
  • コスト・採算酸洗で除去した不純物の排出時の処分工程が手作業で、自動化が必要だった。
  • 納期・工程処理後の加工品を乾燥させるための広いストックヤードが不足していた。
  • 生産能力酸洗液のかく拌が不十分で洗浄効率が上がらず、作業時間が長くかかっていた。

やったこと

酸洗処理施設を一新し、処理槽を大型化するとともに、酸洗液の温度が季節で変動しないよう温度管理機能を付与した。処理槽内で液をかく拌して酸洗いの効率を高めた。廃水処理施設は処理能力を2倍に増強し、酸洗液の酸性を中和・希釈して適切に排水できるようにした。金属成分の残滓処理を手作業から機械による自動化に切り替え、省力化とスピードアップを図った。酸洗後の加工品乾燥場は大型製品が配置できるようスペースを確保した。

その他酸洗処理槽(大型化・温度管理機能付き)
その他廃水処理施設(処理能力2倍)
加工機残滓処理の自動化設備

事業の効果

  • 酸洗処理の浸水時間 5時間→2時間
  • 酸洗処理の速度 1倍→2倍
  • 廃水処理能力 1倍→2倍

酸洗処理の能力強化により、浸水時間は冬場で最長5〜6時間から2時間程度に短縮し、処理速度は従来の2〜3倍となって年間を通じ作業時間の平準化を実現した。廃水処理は能力を2倍に増強し、残滓処理の自動化で省力化とスピードアップが進んだ。ステンレス溶接から酸洗までの一貫体制により高品質化と作業時間の短縮を達成し、企業全体の生産性向上と競争優位性の確保につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    平成19年から酸洗を内製化し高品質化に努めてきた経緯と、今回の酸洗処理能力強化が一貫して位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    近隣に酸洗を内製する企業がない独自性と、半導体関連市場の需要回復見込みを踏まえた一貫体制の確立が示されている。

  • 課題の認識と解決4

    低温下の効果劣化や沈殿物の手作業処分など4つの課題を挙げ、浸水時間を5~6時間から2時間程度に短縮した改善が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    処理能力を2倍に増強し、処理速度が2~3倍になると記載されている。付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制4

    入社40年のベテランや勤務歴20年以上の社員が多く、溶接・板金・危険物取扱者等の資格保有と技能伝承が書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    半導体・液晶・医療機器など幅広い取引先と高品質な酸洗の強みは書かれているが、顧客ニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    課題の明確化と改善の順序は示されているが、スケジュールや中長期の検証過程は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    ステンレス酸洗を内製する企業は近隣にないとされるが、分野の普及度や高付加価値化の度合いは数値で示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    半導体関連の需要回復で需要が急増すると見込まれると書かれているが、波及効果や雇用創出の記載はうかがえる程度である。

  • 費用対効果3

    作業時間の短縮や生産性向上への貢献は書かれているが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    地場産業の製材・製茶機械などに長く関わってきたと書かれているが、地域経済への牽引効果は明示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

半導体関連市場は供給不足が続くが、供給回復後はステンレス溶接加工の需要急増と短納期案件の増加が見込まれる。構築した生産体制を基盤に、さらなる生産性向上と人材育成を進め、付加価値の高い企業体質を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。