ものづくり補助金平成25年度製造業静岡県

次世代自動車部品用鍍金である高 Ni Zn-Ni 合金鍍金の実用化開発

株式会社明光電化工業所

成果目標値であった摩擦係数0.1~0.15をクリアし実用化基準を満たした

この事例のポイント

  • 国内主流の亜鉛鍍金より耐食性と摩擦係数の安定性に優れた亜鉛ニッケル合金鍍金を、自動車部品向けに実用化する必要があった。
  • バレル式の全自動亜鉛ニッケル鍍金ラインを導入した。
  • 目標値であった摩擦係数0.1~0.15をクリアし実用化基準を満たした。高Ni Zn-Ni合金鍍金の実用化基準を満たし、目標の摩擦係数0.1~0.15をクリアした。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社明光電化工業所
所在地静岡県 沼津市
業種金属製品製造業
技術分野測定計測,表面処理,複合・新機能材料
資本金1.6億円
設立1955年

事業の背景

沼津市の株式会社明光電化工業所は、自動車部品のボルト・ナットなどの鍍金加工を主力とし、昭和30年の設立以来、自動車関連部品の表面処理を手掛けてきた。国内で主流の亜鉛鍍金は、高耐食性のものでも液体に付けて振り切り乾燥するため皮膜にムラが出やすい。海外では近年、ニッケル比率の高い亜鉛ニッケル合金鍍金が主流になりつつあり、将来の世界規格になることも想定された。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術国内主流の亜鉛鍍金より耐食性と摩擦係数の安定性に優れた亜鉛ニッケル合金鍍金を、自動車部品向けに実用化する必要があった。
  • 品質・精度ニッケル含有率の高い皮膜は既存設備では摩擦の安定した皮膜の生成が難しく、皮膜の均一性を確保する必要があった。
  • 品質・精度硬度が高まることでかしめ工程においてひび割れや剥がれといった不良が生じる懸念があり、不良製品の出荷を防ぐ検査体制が必要だった。

やったこと

バレル式の全自動亜鉛ニッケル鍍金ラインを導入した。ケージに製品を入れて回転させることで細かな部品を大量に加工でき、均一な塗膜形成を実現した。ニッケルの共析率を12~18%にしたアルカリ浴を用いた。既存設備では摩擦の安定した皮膜が難しかったためトップコートラインを組み合わせ、目標の摩擦係数0.1~0.15を達成した。検査用にマイクロスコープを導入し、抜き打ちで表面検査を行って不良の流出を防いだ。

加工機バレル型鍍金装置(全自動亜鉛ニッケル鍍金バレルライン)
検査測定マイクロスコープ

新しい製品・サービス:高Ni Zn-Ni合金鍍金(亜鉛ニッケル合金鍍金)を用いた次世代自動車部品用鍍金

事業の効果

  • 目標値であった摩擦係数0.1~0.15をクリアし実用化基準を満たした

高Ni Zn-Ni合金鍍金の実用化基準を満たし、目標の摩擦係数0.1~0.15をクリアした。バレルラインにより細かな部品を大量に、より均一に加工できるようになり、品質も安定した。マイクロスコープによる検査で不良の流出を未然に防ぐ体制を整えた。今後は大手自動車メーカーの採用拡大を見込み、市場シェアを伸ばす方針である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去から鍍金・表面処理を手掛けてきた事業の延長として、亜鉛ニッケル合金鍍金の開発に取り組んだことは読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内主流の亜鉛鍍金に対し、ニッケル比率を12~18%にした高耐食品の実用化を目指したと具体的に書かれ、他社との違いと強みがうかがえる。

  • 課題の認識と解決4

    耐食性や摩擦係数の安定という課題を認識し、摩擦係数0.1~0.15をクリアする実用化基準達成と製造ライン構築に取り組んだ点が書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    目標値として摩擦係数0.1~0.15が設定され、クリアして実用化基準を満たしたとある。付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    取引先との共同開発や佐々木取締役工場長の関与はうかがえるが、人材や事務処理体制の確保について具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    次世代自動車部品向けで、高ニッケル亜鉛ニッケル合金鍍金が耐食性・均一性で優れ、大手自動車メーカーの採用が想定される点が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    試行錯誤を経て製造ライン構築、マイクロスコープ検査導入、トップコート施工と課題解決の方法が示されるが、スケジュールは明記されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    亜鉛鍍金が主流の国内で、ニッケル比率の高い亜鉛ニッケル合金鍍金を実用化し、国内では稀有な加工方法と紹介されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    次世代自動車部品の表面処理という分野の意義はうかがえるが、経済波及効果や雇用創出への言及は具体的でない。

  • 費用対効果2

    耐食性3~5倍という効果は書かれているが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は記載されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    立体的な画像処理による検査の効率化がうかがえるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    次世代自動車分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    沼津市・駿東郡の地域企業であることは書かれているが、地域特性を活かした雇用創出や成長の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は更なるブラッシュアップを行うとともに、市場におけるシェア率を伸ばしていく方針である。

  • 目標:塩水噴霧試験における耐食性 1倍→3倍

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。