ものづくり補助金平成26年度製造業静岡県

難易度の高い深絞り金型の高度加工技術の確立

有限会社ヤマト製作所

成果摺り合せ加工時間 24時間→2時間

この事例のポイント

  • 海外売上げが落ち込んだ時期もあり、今後の営業拡大のためには、低コスト・短納期で高精度な深絞り金型を製作する技術が急務となっていた。
  • 補助事業では、コラム型精密平面研削盤を導入した。
  • 摺り合せ加工時間 24時間→2時間。一体型多工程金型の設計者育成として、レイアウトを含む全設計業務を任せられる人材を育成した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社ヤマト製作所
所在地静岡県 浜松市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野精密加工
資本金500万円
設立1980年

事業の背景

当社は昭和55年に資本金500万円で創業し、ホンダ、スズキ、ヤマハの二輪・四輪自動車部品の金属プレス用金型を製作している。主な取引先はプレス加工メーカーで、金型供給先の50%以上が海外(北米、インド、インドネシア)である。バブル崩壊、リーマンショック、円高などで海外売上げが落ち込んだ時期もあったが、近年は独自技術により「海外で製作できない特定部品はヤマト製作所で」との声も多く、順調に売上げを挙げている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度海外売上げが落ち込んだ時期もあり、今後の営業拡大のためには、低コスト・短納期で高精度な深絞り金型を製作する技術が急務となっていた。
  • 生産能力ステンレス材の深絞り加工では、データ上で加工可能と出ても実際には破断する例が多かった。
  • 人手・技能熱処理後の金型の変形ひずみを、熟練作業者によるポンチ・ダイスの摺り合せで仕上げており、この作業に多くの時間を要していた。

やったこと

補助事業では、コラム型精密平面研削盤を導入した。取付面と側面による平面研削の能力と効率が向上し、金型精度の向上につながった。摺り合せ加工時間は従来24時間要していたが、2〜3時間に短縮された。これにより一体型多工程金型(順送型)の製作技術を確立し、プレス加工メーカーからの要望に幅広く対応できるようにした。

加工機コラム型精密平面研削盤

新しい製品・サービス:一体型多工程金型(順送型)の製作技術

事業の効果

  • 摺り合せ加工時間 24時間→2時間
  • 2次元CAMの操作性改善により操作時間が15%短縮

一体型多工程金型の設計者育成として、レイアウトを含む全設計業務を任せられる人材を育成した。絞り型の部品設計業務に特化した人材も育成した。2次元CAMの操作性を改善し、操作時間を15%短縮した。大型や異形物の底面研削が可能となり金型の精度が向上した。納期短縮や設計変更への対応力も強みとなっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    長年の深絞り金型製作の実績と熟練工の固有技術を事業の基盤としており、既存事業との連続性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海外売上が落ち込んだ時期を経て『海外で製作できない特定部品はヤマト製作所で!』との声があり、独自技術で強みを発揮している点が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    熟練工の摺り合せに多くの時間を要する課題を認識し、摺り合せ時間を従来24時間から2〜3時間に短縮する計画が具体的に示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    摺り合せ時間を24時間から2〜3時間に短縮する目標値が示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    補助事業担当の工場長や熟練工への言及はあるが、体制や事務処理能力を確保できているかは書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    海外で製作できない特定部品を求める顧客の声や、高精度・短納期の要望が示され、選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    設計者育成や2次元CAM操作性改善の成果は示されるが、遂行スケジュールや中長期の課題検証方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ステンレスやチタンの深絞り加工という難加工分野で、熟練技を活かした高付加価値の金型を製作している点が書かれている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    二輪・四輪自動車部品の製造に関わる取引先があることはうかがえるが、国が補助する波及効果や雇用創出は書かれていない。

  • 費用対効果2

    摺り合せ時間の短縮や操作時間15%短縮など効果はあるが、補助金投入額に対する費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    2次元CAMの操作性改善やコラム型研削盤の導入はうかがえるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    浜松市西区という地域での事業であることは書かれているが、地域の特性を活かした経済成長への牽引は具体的に述べられていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

本事業の成果をもとに、二輪・四輪自動車部品の中でもステンレスやチタン等の難加工材の深絞り加工において、高精度な金型を納期通りに顧客に納入することで、新たな受注機会の獲得や生産性向上による収益性の改善につながると思われる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。