ものづくり補助金平成25年度製造業宮崎県

熱処理後の高硬度難切削材の精密仕上加工におけるコストダウン

ミツワハガネ株式会社

成果主脚内部挿入部品の1本あたり加工時間 2.5時間→2時間

この事例のポイント

  • 機械加工部門の受注は顧客が流動的で不安定であり、長期的な取引を組めず、リピート性のある安定した製品加工の受注が長年の懸案だった。
  • ワーク交換用のロータリーテーブルと、加速度の速い最新鋭の横型マシニングセンタを導入した。
  • 主脚内部挿入部品の1本あたり加工時間 2.5時間→2時間。横型マシニングセンタの導入により、課題であった加工精度と加工速度が向上し、準備作業の時間も短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名ミツワハガネ株式会社
所在地宮崎県 延岡市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野精密加工
設立1959年

事業の背景

当社は昭和34年に特殊鋼鋼材の卸販売業を創業し、その後機械加工に進出し、部品製作から組立までの一貫製造へと事業を拡大してきた。しかし機械加工部門は社会経済環境の変化により顧客が流動化し、受注は常に不安定な状況にあった。平成17年、航空機部品メーカーから大型旅客機の降着装置の連結アームなど航空機関連部品の製造依頼があり、受注を決断して航空機降着装置部品の加工分野に進出した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑機械加工部門の受注は顧客が流動的で不安定であり、長期的な取引を組めず、リピート性のある安定した製品加工の受注が長年の懸案だった。
  • 生産能力既存の加工機は重切削用のため加工速度が遅かった。
  • 生産能力部品が小型・多種類のため、専用治具の交換や加工前のワークセッティングなどの準備作業に時間がかかっていた。
  • 納期・工程今後、多種の部品加工で切替頻度が増えることが予想され、生産量が増えると納期遅れを起こす可能性が高かった。

やったこと

ワーク交換用のロータリーテーブルと、加速度の速い最新鋭の横型マシニングセンタを導入した。これにより多種の加工部品に対応した専用治具への自動交換を可能にし、一面のテーブルで加工している間に他面のテーブルで加工前のワークセッティングを行う方式を試みた。その結果、加工機を止めずに連続運転できることを確認した。さらに最新鋭機の加工速度と相まって大幅な生産性の向上が見込めることが分かった。今回導入の横型マシニングセンタは複雑形状部品や切替頻度の高い部品に充て、従来の加工機は加工度の低い部品や加工点数の多い部品に充てることで、工場全体の生産能力を大幅に向上させる体制とした。

  • その他ワーク交換用ロータリーテーブル
  • 加工機横型マシニングセンタ

事業の効果

  • 主脚内部挿入部品の1本あたり加工時間 2.5時間→2時間

横型マシニングセンタの導入により、課題であった加工精度と加工速度が向上し、準備作業の時間も短縮された。主脚内部挿入部品では1本あたり0.5時間の短縮が可能になり、切削面の仕上がりが取引先の要求精度に達したため、最終の手仕上げ工程を省くことができ、大幅なコストダウンを実現した。加工精度の高い設備により他の設備にも余裕が生まれ、大型旅客機から小型旅客機まで幅広い受注に対応できる体制が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    平成17年に航空機部品加工へ進出し、平成23年にJIS Q 9100を取得するなど、過去の取組と一貫した事業展開が読み取れます。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客要求の「高品質・短納期・コストダウン」への対応は書かれていますが、市場動向と自社の強みの比較分析は具体的に示されていません。

  • 課題の認識と解決4

    加工速度、段取り時間、切替頻度、納期遅れの4つの課題を挙げ、横型マシニングセンタ導入で解決を図る流れが示されています。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1本あたり2.5時間を2時間に短縮し、月平均で9~12時間の加工時間短縮を見込むなど、数値目標とその根拠が示されています。

  • 事業を進める体制2

    生産管理の義務づけやJIS Q 9100取得には触れていますが、補助事業を遂行する人材や事務体制は書かれていません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    航空機の降着装置部品という製品と、取引先の精度要求への対応は読み取れますが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄いです。

  • 事業化までの道筋2

    今後の前脚部品への受注拡大が示されていますが、導入後の遂行スケジュールや課題の解決方法は具体的に書かれていません。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    製品1個の付加価値が高い航空機部品を扱い、加工難度の高い分野へ広げる方針が示されていますが、同分野での高水準の位置づけは数値で示されていません。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    国産リージョナルジェットの量産への対応に触れていますが、波及効果や雇用創出など国が補助する理由は具体的に書かれていません。

  • 費用対効果3

    加工時間の短縮と最終手仕上げの省略による大幅なコストダウンが書かれていますが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていません。

  • イノベーションへの貢献2

    最新鋭の横型マシニングセンタの導入は書かれていますが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献についての記載はわずかです。

政策面40%
  • 成長分野への進出3

    小型機への主力移行に合わせ、航空機部品分野へ進出し国産リージョナルジェット機やビジネスジェット機に対応する方向性がうかがえます。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

今後の展望

加工精度の高い設備導入により、大型旅客機から小型旅客機まで今後の幅広い受注に対応できる体制が構築できた。国産のリージョナルジェット機の量産にも対応でき、ビジネスジェット機等の新規受注獲得競争に対する体制も整った。今後は実績と信頼性を高めて、より加工難度の高い前脚部品にも受注を拡大し、降着装置部品製造で培った加工技術や品質管理体制を基盤に、より高い精度を要求される部品の製造分野へ業務を広げていきたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。