ものづくり補助金平成29年度製造業佐賀県

金型製造プロセスにおけるリードタイム短縮改善

聖徳ゼロテック株式会社

成果顧客に対して25%の納期短縮を実現

この事例のポイント

  • 金型屋の減少で受注が特定の金型屋に集中し、供給が追いつかなくなっている。
  • 2次元および3次元の両方に対応するマルチCADシステムと、それに連携した立形マシニングセンタ2台を導入した。
  • 顧客に対して25%の納期短縮を実現。設計者が立体データで視覚的に確認・判断できるようになり、思考を中断せず直感的に操作できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名聖徳ゼロテック株式会社
所在地佐賀県 佐賀市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数31人
資本金3,000万円
設立1975年

事業の背景

当社は昭和50年創業の金属プレス金型メーカーで、設計から製造・量産加工まで社内一貫体制を取り、半導体関連企業向けの1/1000mmレベルの精密型を得意とする。日本国内の金型屋は約14,000社から現在は約7,000社に半減している。自動車のEV化に伴いパワー半導体の市場が急拡大するため、電子機器向けに加えて自動車産業向けのパワー半導体へのシフトを図っている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力金型屋の減少で受注が特定の金型屋に集中し、供給が追いつかなくなっている。
  • 納期・工程短納期が求められているが、2次元CADでは形状確認に時間がかかり、手直しも発生していた。
  • 人手・技能若手や新人が即戦力になれるよう、業務を簡素化する必要があった。

やったこと

2次元および3次元の両方に対応するマルチCADシステムと、それに連携した立形マシニングセンタ2台を導入した。従来は2次元CADで形状確認に時間がかかっていたため、立体的な3次元データで表示できるシステムに変更した。設計時に命令コードも組み込まれるため、新導入のマシニングセンタと連携させ、面倒な計算や手作業をなくした。

ソフトマルチCADシステム
加工機立形マシニングセンタ(2台)

事業の効果

  • 顧客に対して25%の納期短縮を実現
  • 10%から15%の低コスト化を実現
  • 社内では115%の売り上げ増が見込まれる

設計者が立体データで視覚的に確認・判断できるようになり、思考を中断せず直感的に操作できるようになった。マシニングセンタは命令コード作成の手間がなくなり、ベテランのノウハウを標準化して新人でも対応できるようになった。納期短縮とコスト低減が実現し、これまで見送っていた金型の受注も可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の金型メーカーとしての知見を活かし、半導体向け精密型の強みを背景に新設備を導入した流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    EV化で自動車向けパワー半導体市場が急拡大する見通しと、金型屋減少による受注集中を示し、九州で数少ない精密型の強みと結びつけて競争優位を説明している。

  • 課題の認識と解決4

    課題を短納期と若手の即戦力化と明示し、3次元CADとマシニングセンタの連携で解決する構成になっている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    納期短縮25%、低コスト化10〜15%、社内売上115%増という具体的な数値目標が示されている。

  • 事業を進める体制3

    従業員31人で社内一貫体制を取り、人材育成に注力する記述はあるが、補助事業を遂行する事務体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動車向けパワー半導体の精密金型という顧客ターゲットと、キャパオーバーで見送っていた受注に対応できる点が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    新設備導入後の効果や今後の人材育成方針は述べられているが、導入スケジュールや課題解決の具体的な方法は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    1/1000mm級の精密型や特殊形状の金型に対応する高水準の技術を強みとして挙げているが、高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    半導体・パワー半導体分野の市場拡大や金型屋の減少が背景として述べられ、国が補助する理由はわずかにうかがえる程度。

  • 費用対効果3

    納期短縮や低コスト化、売上115%増の見込みは示されるが、補助金額に対する費用対効果の算出は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    3次元データと命令コードの連携によりデジタル化を進める点は読み取れるが、サプライチェーン全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    EV化やパワー半導体市場の成長に対応する点はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及3

    地域の雇用創出・維持や女性の雇用、地域社会への貢献が述べられているが、地域経済の成長を牽引する具体性は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

自動車のEV化でパワー半導体の市場が大きくなるのは確実とみている。生産性向上と若手技術者の育成に注力し、地域社会・社員・得意先・仕入先にとって無くてはならない存在を目指す。

事業者の声

「手に職」時代がきています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。