ものづくり補助金平成26年度製造業静岡県

国産材を活用した新たな接着工程による燻製材(スモークウッド)の製造方法の構築

株式会社森田木工所

成果強度 1倍→1.6倍

この事例のポイント

  • 機械の能力(スピード)が低く、増産ができない。
  • 結着材を使用しない製造方法を構築するため、補助事業で製造ラインの不具合箇所を見直し、機械設計、機械の性能テスト・動作確認、性能評価・改善、製品の試作による性能確認に取り組んだ。
  • 強度 1倍→1.6倍。結着材を使用しないことで、ユーザーの希望に沿う製品ができ、より安心安全なものとなった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社森田木工所
所在地静岡県 島田市
業種その他の製造業
技術分野製造環境
資本金1,000万円
設立1968年

事業の背景

当社は昭和43年創業で、島田市の特産である空板(蒲鉾板)を主力製品とし、全国の主要蒲鉾メーカーに販売している。約30年前に蒲鉾メーカーから相談を受け、国産材サクラのオガ粉を圧縮して固めた燻製材の製造販売を始めた。現在は燻製材を年間約30万本販売しており、需要は拡大している。アウトドアブームや家庭用燻製機の登場により、さらに市場が広がると見込まれている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力機械の能力(スピード)が低く、増産ができない。
  • 品質・精度結着材を使用しての製造であり、結着材なしでの製造ができない。
  • 人手・技能製造ラインが1ラインしかないため、機械が故障したときにバックアップができない。
  • 生産能力製造能力不足により、販売の機会損失が生じている。

やったこと

結着材を使用しない製造方法を構築するため、補助事業で製造ラインの不具合箇所を見直し、機械設計、機械の性能テスト・動作確認、性能評価・改善、製品の試作による性能確認に取り組んだ。チップ状の原料は、細かく粉砕するだけではプレス後の強度が出ないため、ある程度木材の繊維質が残るように粉砕する必要があることがわかった。数社の粉砕機メーカーにテストを依頼して粉砕試験を行い、最良の粉砕形状を見つけた。さらに実際の粉砕ミルで製品化テストを行い、静岡県工業技術研究所の協力を得て製品化に向けた試験を実施した。

加工機粉砕機
加工機プレス製造工程の製造ライン

新しい製品・サービス:結着材を使用しない燻製材(スモークウッド)の製造方法

事業の効果

  • 強度 1倍→1.6倍
  • 製造販売数量 1倍→2倍
  • 年間売上本数 300,000本→550,000本

結着材を使用しないことで、ユーザーの希望に沿う製品ができ、より安心安全なものとなった。製造販売数量が約2倍となり、製品の納期短縮と機会喪失の解消につながった。粉砕方法の改良により強度が約1.6倍となり、燻製材の製品化に目途がついた。年間売上本数は30万本から55万本を見込むこととなった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    約30年前から燻製材を製造し、約10年前からアウトドア向けに販売と、事業の継続的な取組が読み取れる。経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    アウトドアブームや家庭用燻製機の普及など市場動向を踏まえ、空板から燻製材までの一貫生産という強みを活かしている。

  • 課題の認識と解決4

    結着材使用、能力不足、ライン1本の故障リスクなど課題を整理し、年間売上本数30万本から55万本への増加を見込んでいる。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    年間売上本数が30万本から55万本へ増える見込みや、製造販売数量が約2倍になることが数値で示されている。

  • 事業を進める体制3

    静岡県工業技術研究所や粉砕機メーカーと連携して試験を進めたと書かれているが、社内の人材や事務体制は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ユーザーの希望に沿う安心安全な製品、約1.6倍の強度という点で選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋4

    機械設計、性能テスト、試作、粉砕試験、製品化テストといった段階と内容が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    燻製材は近年の燻製料理ブームで注目されているが、普及度や高水準の高付加価値化の程度は数値で示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用4

    広葉樹の活用は低付加価値のものが多いなか、森林の有効活用や東日本大震災の復興への貢献が説明されている。

  • 費用対効果2

    補助金額や投資額が示されておらず、費用対効果は読み取れないが、売上本数の増加がうかがえる。

  • イノベーションへの貢献2

    粉砕技術の改良という工程面の工夫はあるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    家庭用用品市場への拡大は触れられているが、日本経済の構造転換に資するとは書かれていない。

  • 地域経済への波及3

    島田市の特産である空板の製造を基盤に、地域の原木や組合と連携している点がうかがえるが、雇用や地域成長の数値はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

広葉樹を使った高付加価値の燻製材として今後も森林の有効活用につながり、東日本大震災の一助になることが期待されている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。