ものづくり補助金平成30年度製造業福井県

バリ抜き加工が不要となる一発プレス成形加工が可能となる技術開発

フジイオプチカル株式会社

成果作業工数(リム製造) 25工程→16工程

この事例のポイント

  • テンプルのプレス加工を外注していた会社が廃業予定となり、内製化が必要になった。
  • 既存機器より精密な制御ができるCNCスウェージングマシンを導入した。
  • 作業工数(リム製造) 25工程→16工程。テンプルの内製化により全工程の約50%を社内で行えるようになり、コロナ禍後の部品不足や外注の滞りの影響を受けずに生産を…

事業者のプロフィール

事業者名フジイオプチカル株式会社
所在地福井県 鯖江市
業種その他の製造業
技術分野精密加工
設立1950年

事業の背景

フジイオプチカル株式会社はベータチタン素材に特化して眼鏡フレームを製造・販売している。眼鏡産地の鯖江では製造工程ごとの分業体制が崩壊しつつあり、同社も外注先のプレス加工会社の廃業を通知された。これを契機にテンプルなど主要工程の内製化を進めることになった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算テンプルのプレス加工を外注していた会社が廃業予定となり、内製化が必要になった。
  • 生産能力従来のプレス加工ではバリの除去や研磨作業など多くの工程が必要で、工数とコストがかかっていた。
  • 新製品・新技術難加工材であるベータチタンを低コストで加工するため、バリの出ないプレス加工法が必要だった。

やったこと

既存機器より精密な制御ができるCNCスウェージングマシンを導入した。テンプルなどの原材料となるコイル線を、高精密化した絞り加工によってプレス成形後と同じ体積になるよう前加工し、バリを出さないプレス加工を可能にした。ブリッジと一体になったリムの製造では作業工数が従来の25から16へ減り、1000本あたりの作業時間は36.6時間短縮された。材料費も1割以上、型の費用も半額以下に削減された。この一発プレス加工により、加工の難しいベータチタン素材を低コストで加工でき、独自技術を強みとする内製化も進展した。

新しい製品・サービス:テンプルなどを一発プレス成形で加工する技術(一発プレス加工)

事業の効果

  • 作業工数(リム製造) 25工程→16工程
  • 1000本あたりの作業時間は36.6時間短縮
  • 材料費は1割以上削減
  • 型の費用は半額以下に削減

テンプルの内製化により全工程の約50%を社内で行えるようになり、コロナ禍後の部品不足や外注の滞りの影響を受けずに生産を継続できるようになった。バリの出ないプレス加工により工数・材料費・型費用が削減され、高品質な眼鏡をより低コストで製造できるようになった。新規の首都圏の老舗や全国の眼鏡店など小売店への販路も拡大し、高い評価を得ている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.3 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性表皮効果インバーターロウ付け機など独自技術を強みとし、コロナ禍後の部品不足を受けない体制や新規販路開拓に触れており、強み活用の内容が具体的。
  • 4
    課題の認識と解決テンプルの全工程の約50%を内製化し、作業工数25から16へ減少、1000本あたり36.6時間短縮と具体的な課題解決が示されている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標作業工数25から16、材料費1割以上削減、型費用半額以下など数値目標に近い成果が示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制設備導入や内製化の推進は書かれているが、人材や事務処理体制に関する記述は読み取れない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    外注先の廃業を契機にテンプルなど主要工程を内製化し、ベータチタン特化の事業との一貫性がうかがえる。経営戦略上の明確な位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    表皮効果インバーターロウ付け機など独自技術を強みとし、コロナ禍後の部品不足を受けない体制や新規販路開拓に触れており、強み活用の内容が具体的。

  • 課題の認識と解決4

    テンプルの全工程の約50%を内製化し、作業工数25から16へ減少、1000本あたり36.6時間短縮と具体的な課題解決が示されている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標4

    作業工数25から16、材料費1割以上削減、型費用半額以下など数値目標に近い成果が示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    設備導入や内製化の推進は書かれているが、人材や事務処理体制に関する記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高品質でかけやすい眼鏡を低コストで製造し、問屋や老舗・オピニオンリーダー的眼鏡店など顧客層が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    内製化の段階的な推進や今後の販路拡大の方向は示されるが、スケジュールや課題解決の具体的な手順は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    ベータチタン素材に特化し、高弾性・高強度や不純物の少ないバージン材使用など、同分野で高水準の品質を図る取組が具体的。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用2

    鯖江産地の製造スタイルの新モデルとして注目されると書かれ、地域産業への一定の波及がうかがえるが、国の補助の必要性は明記されていない。

  • 費用対効果4

    作業工数、材料費、型費用の削減率や1000本あたりの時間短縮が示され、投入に対する効果の大きさが数字で読み取れる。

  • イノベーションへの貢献3

    CNCスウェージングによる一発プレス加工という独自の加工技術が示されるが、デジタル技術を地域やサプライチェーン全体に広げる記述は薄い。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    鯖江の眼鏡産地での分業崩壊に対し内製化で対応し、産地の新モデルとして注目される点は地域性が読み取れるが、雇用や成長への効果は書かれていない。

今後の展望

首都圏の老舗や全国のオピニオンリーダー的眼鏡店など小売店への販路拡大を進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。