ものづくり補助金平成26年度製造業愛知県

遠赤外線を利用した加熱、乾燥処理の生産性向上、および省エネルギー化の実現

艶栄工業株式会社

成果熱処理速度が従来比2倍に高まった

この事例のポイント

  • 熱処理の熱量を高めるには炉(チャンバー)を増やすか加工速度を落とすしかなく、チャンバーは高額で広い設置スペースが必要なため、加工速度を落とせば生産性が下がってしまう。
  • 平成26年度補正ものづくり・商業・サービス革新補助金を利用し、生地がチャンバーに入る前に遠赤外線で熱をかける予備乾燥装置を既設の乾燥装置に取り付けた。
  • 熱処理速度が従来比2倍に高まった。遠赤外線による予備乾燥で、現状のスペースのまま熱量を上げ、生産性向上と省エネルギー化を両立した。

事業者のプロフィール

事業者名艶栄工業株式会社
所在地愛知県 蒲郡市
業種繊維工業
技術分野材料製造プロセス
従業員数60人
資本金2,000万円
設立1948年

事業の背景

艶栄工業は染めで100年以上の歴史を持つ職人集団で、高級カーテンから自動車用シート基材、電車や飛行機のブランケットまで、防炎・撥水・抗菌などの機能性加工や起毛などの高度な加工を得意とする。顧客からは高品質、短納期、低コスト、多品種小ロットへのニーズが高まる一方、染料や加工薬剤の価格が高騰し、エネルギーコストも重くのしかかっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力熱処理の熱量を高めるには炉(チャンバー)を増やすか加工速度を落とすしかなく、チャンバーは高額で広い設置スペースが必要なため、加工速度を落とせば生産性が下がってしまう。
  • コスト・採算原油価格の高騰などでエネルギーコストが重くのしかかり、生産性の向上が業界の喫緊の課題となっている。

やったこと

平成26年度補正ものづくり・商業・サービス革新補助金を利用し、生地がチャンバーに入る前に遠赤外線で熱をかける予備乾燥装置を既設の乾燥装置に取り付けた。三河繊維技術センターで、3種類のポリエステル生地を使い、布速度や温度条件、熱源距離を変えた試験を実施し、寸法安定性や外観に及ぼす影響を検証した。いずれの条件でも評価基準値を上回り、品質基準を満たすことが実証された。熱処理速度は従来比2倍に高まり、乾燥ランニングコストを3割以上削減できた。

加工機ガス赤外線予備乾燥装置

新しい製品・サービス:遠赤外線による予備乾燥を用いた新規加工法。これにより従来は取り扱っていなかった広幅織物の高品質製品の早期製造販売につなげる。

事業の効果

  • 熱処理速度が従来比2倍に高まった
  • 乾燥ランニングコストを3割以上削減

遠赤外線による予備乾燥で、現状のスペースのまま熱量を上げ、生産性向上と省エネルギー化を両立した。熱処理速度は従来比2倍になり、乾燥ランニングコストは3割以上削減された。多品種小ロット品にも対応でき、受注時の価格競争力が高まり短納期化が可能になった。テーピング関連や福祉関連など新規顧客への提案にも力を入れている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    平成26年度補正ものづくり補助金や平成30年度補正の利用実績があり、過去の取組との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    高品質・短納期・小ロット対応へのニーズや、他の追随を許さない技術力への自信が述べられているが、市場データや強みの定量的な裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決4

    熱処理速度が従来比2倍、乾燥ランニングコストを3割以上削減と具体的な数字で課題解決と効果が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    熱処理速度2倍、乾燥ランニングコスト3割以上削減など数値目標と実績が示され、実現性が読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    技術部と生産部を中心に検討したことはうかがえるが、補助事業の遂行体制や人材の具体的な記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高品質・短納期・小ロットへのニーズや、新規顧客への提案、受注時の価格競争力向上などが具体的に述べられている。

  • 事業化までの道筋3

    今後データを集約し最適条件を見つける方針や新工場の検討は示されるが、スケジュールや課題解決方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    防炎・撥水・抗菌など機能性加工の高付加価値化に触れるが、分野の普及度や認知度の比較データは示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    地域の中核企業として蒲郡の地に残ることへの言及はあるが、経済波及効果や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果4

    熱処理速度2倍、乾燥ランニングコスト3割以上削減など、投資に対する効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    遠赤外線による新規加工法でイノベーションに触れるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は具体性が薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    蒲郡の地の中核企業として存在感があると述べられ、地域の特性との関連はうかがえるが、雇用や成長への数字は示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後さらにデータを集約し、各素材に適応した最適条件を見つけ出し、フィードバックすることで各工程の生産性を高め競争力に磨きをかける。広幅織物の高品質製品の早期製造販売、糊抜き精練工程用設備の導入、新工場の建設も検討している。

事業者の声

他の追随を許さない技術力を持ち、顧客から一番に声をかけてもらえるようになりたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。