ものづくり補助金平成26年度製造業滋賀県

形成冷凍クレープ生地の量産体制の確立による新規顧客層への展開

株式会社スナッツフーズ

この事例のポイント

  • 従来のクレープ生地は1枚ずつ手焼きで、スタッフ1名が1台の機械で1時間当たり30食提供するのが精一杯であり、売上を伸ばすにも限界があった。
  • クレープ専門店が扱う直径38cmの生地を量産できる成形機を開発した。
  • 当初は1日4千枚の冷凍成形生地の製造を計画していたが、製造工程に工夫を加えたことで当初計画の2倍以上の量産が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社スナッツフーズ
所在地滋賀県 野洲市
業種食料品製造業
従業員数2人
資本金1,000万円
設立2013年

事業の背景

平成21年1月にクレープ専門店を開業し、移動販売事業(イベント出店)も始めた。その後ポップコーン製造販売、冷凍クレープ生地製造販売へと事業を広げ、3つの事業を軸としている。ラッピングカーによる移動販売はピーク時に年間250日程度、週末の大きなイベント中心に行っていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来のクレープ生地は1枚ずつ手焼きで、スタッフ1名が1台の機械で1時間当たり30食提供するのが精一杯であり、売上を伸ばすにも限界があった。
  • 集客・繁閑週末の大きなイベント会場では行列ができることがしばしばあり、待ち時間に対するお客様の不満の声が上がっていた。

やったこと

クレープ専門店が扱う直径38cmの生地を量産できる成形機を開発した。既存の自動成形機は直径20cm程度が基本で、国内唯一の機械メーカーも最大30cmまでの製作実績しかなかったため、使用する部品を特別な仕様にするなど工夫を凝らした。丸く焼いたクレープ生地を巻きつけると中が空洞の円錐形になる型と製法を用い、自社工場で生地を製造して急速冷凍し、冷凍庫に入れて冷凍状態で搬入する。販売現場では常温で自然解凍し、お客様の目の前で提供できるため待ち時間を短縮でき、多くのお客様に短時間で商品を提供できるようになった。

加工機クレープ生地成形機(直径38cmの生地を量産する専用機)

新しい製品・サービス:形成冷凍クレープ生地

事業の効果

当初は1日4千枚の冷凍成形生地の製造を計画していたが、製造工程に工夫を加えたことで当初計画の2倍以上の量産が可能になった。電力使用量の増加や型崩れといった課題は、機械メーカーや材料仕入先、支援機関の助言や協力でクリアした。量産化の目途が立ち安定供給が可能になり、複数事業者との継続的な取引も始まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    ラッピングカーでのイベント販売から冷凍生地製造へ展開し、販売現場を知る菓子メーカーを目指すと明記されており、過去の取組との連続性は読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    従来は1台1時間30食の手焼きで行列や不満が生じていたこと、国内唯一のメーカーが最大30cmまでしか作れなかった点から、独自の形成技術で直径38cmの量産を実現した強みがうかがえる。

  • 課題の認識と解決4

    手焼きで売上に限界があるという課題を認識し、急速冷凍と自然解凍で短時間に多くの顧客へ提供する仕組みで売上増加につなげる計画が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    当初1日4千枚の計画に対し、工夫により2倍以上の量産が可能になったと数字で示され、複数事業者との継続取引も開始されている。ただし付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員2人(パート4人)の体制で、機械メーカーや材料仕入先、支援機関の助言や協力で課題を解決したと書かれているが、人材配置や事務処理体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    短納期と安定供給力、お客様目線の商品開発力が強みとして示され、イベントでの待ち時間短縮という顧客ニーズへの対応も明記されている。

  • 事業化までの道筋3

    電力増加やレシピ見直しなど課題と解決の経緯は書かれているが、中長期のスケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    形成冷凍クレープ生地は一般に普及していない分野で、直径38cmの生地を量産する点で高水準の差別化がうかがえる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    滋賀県産の果実や野菜を使う商品開発や全国への卸販売・OEM生産による取引拡大が述べられており、地域への波及がうかがえるが数字は乏しい。

  • 費用対効果3

    生産量が2倍以上になったと示されるが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    独自の形成技術と急速冷凍による量産プロセスは新しい製造方式だが、デジタル技術の活用やサプライチェーン全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    冷凍成形生地の卸販売やOEM生産で新たな取引先を得た点が示され、市場の構造変化への寄与がわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及3

    滋賀県野洲市の企業として滋賀県産食材を用いる点が書かれ、地域特性の活用はうかがえるが、雇用創出の数字はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

強みである商品開発力と短納期かつ安定した供給力を活かし、全国のクレープ専門店への卸販売やOEM生産に取り組み、取引先を増やしていく考えである。「販売現場を良く知る菓子メーカー」を目指し、「夢のある商品創り」を強化して、クレープ市場に新たなコンセプトの商品を届けたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。