ものづくり補助金平成26年度製造業滋賀県

精密細穴加工技術を活かした半導体製造装置市場参入に向けての生産プロセス高度化事業

川端精機株式会社

成果ベースプレート1枚の精密加工時間 3日→1日

この事例のポイント

  • 旧型マシニングセンターは機械剛性が不足し、熱による変形から粗加工時に平面度や面粗さの精度が出ず、加工ムラとバリが発生していた。
  • 高性能立形マシニングセンターを導入し、リードタイム短縮を主な目的とした。
  • ベースプレート1枚の精密加工時間 3日→1日。生産リードタイムが短縮され、高品質化と低コスト化が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名川端精機株式会社
所在地滋賀県 草津市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数14人
資本金2,000万円
設立1984年

事業の背景

当社は1984年創業で、取引先の要求に応えるため加工から検査まで自社で一貫して行える生産体制を整えてきた。精密加工品の平均粗利率は20%程度である。半導体市場ではスマートフォンなどモバイル機器の普及が市場を牽引しており、ベース基盤製造用打ち抜き型ストリッパ製品の安定供給への要望が増加していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力旧型マシニングセンターは機械剛性が不足し、熱による変形から粗加工時に平面度や面粗さの精度が出ず、加工ムラとバリが発生していた。
  • 納期・工程精密プレート加工に研磨を2回に分け間に仕上加工を挟む4工程が必要で、ベースプレート1枚の精密加工に3日間を要していた。
  • 生産能力半導体ベース基盤製造用打ち抜き型ストリッパ製品の安定供給への要望が増えており、最新設備での対応が必要になっていた。

やったこと

高性能立形マシニングセンターを導入し、リードタイム短縮を主な目的とした。高い切削能力と高剛性を持ち、熱変位制御技術により熱変形を抑えた。これにより平面度0.006mmという高精度を実現し、面粗さの加工ムラも抑制できた。その結果、研磨と仕上の工程を圧縮でき、高速加工も可能になった。ベースプレート1枚の精密加工が3日間から1日間に短縮され、生産プロセスが大幅に改善した。

加工機高性能立形マシニングセンター

新しい製品・サービス:精密細穴加工プレート(ベース基盤製造用打ち抜き型ストリッパ製品)

事業の効果

  • ベースプレート1枚の精密加工時間 3日→1日
  • 平均粗利率(精密細穴加工プレート) 20%→25%
  • 平面度0.006mmという非常に高い精度を実現できた

生産リードタイムが短縮され、高品質化と低コスト化が可能になった。精密細穴加工プレートは粗利率25%が見込まれ、収益性の向上により継続的な事業運営の基盤が強まった。平面度の精度向上と研磨・仕上工程の圧縮により、品質と生産性が向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業後の加工から検査まで一貫した体制整備や社訓が書かれ、最新設備導入が一貫性を持つことはうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    半導体製造装置向け打ち抜き型ストリッパの安定供給要望への対応が書かれ、強みは示唆されるが、競合比較や市場データは示されていない。

  • 課題の認識と解決5

    ベースプレート1枚の精密加工が3日から1日に短縮、平面度0.006mm、粗利率20%から25%見込みと数字で課題解決と収益改善が示されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    粗利率20%から25%が見込まれると具体的な数値目標が書かれ、実現可能性を読み取れるが、付加価値額や賃上げの目標は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員14人、専務取締役が担当者として記載されるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的な説明は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高精度・短納期を求める顧客ニーズへの対応と、微細細穴Φ0.05mmの加工技術が書かれ、選ばれる理由は読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    微細細穴の品質向上やドリル交換知見による不良率低減など今後の取組は書かれるが、スケジュールや遂行方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達2

    財務体質の強化に言及があるのみで、資金調達の見込みや金融機関との関係など具体的な記述はない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    微細細穴加工プレートで粗利率25%を見込み、平均粗利率20%より高付加価値化を図る点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    半導体市場の安定成長と国内の高精密部品需要に触れるが、雇用創出や波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    リードタイム短縮や低コスト化の効果は書かれるが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    最新設備やCAD/CAMの活用が今後の計画として書かれるが、サプライチェーンへの貢献や先端技術の波及は具体的に書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    半導体市場の拡大や高精密部品の国内需要が見込まれると記述され、成長分野への進出は読み取れるが、構造転換との関連は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    滋賀県草津市の所在地は記載されるが、地域の特性を活かした付加価値や地域経済への牽引効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

半導体市場はモバイル機器に加え、AIの普及や電装化による車載関連、高齢化に伴う医療関連で拡大が見込まれ、中長期的にも安定成長が予測される。加工が容易な部品は海外調達が増えるため、国内では難度の高い高精密部品が求められると考え、加工技術の蓄積と最新設備の導入で顧客ニーズに応えていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。