ものづくり補助金平成26年度製造業大阪府

多様な“ドキュメントサービス”を展開し、顧客のビジネスを支える

株式会社 アピックス

この事例のポイント

  • 特注サービスは工数が多く、納期対応に課題を抱えていた。
  • 顧客が自由にデザインし、製作過程まで自分で完了できるオンライン組版のシステムを構築した。
  • オンライン組版の導入により組版作業が簡略化され、工程が効率化された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 アピックス
所在地大阪府 大阪市中央区
業種印刷・同関連業
従業員数115人
資本金2,000万円
設立1921年

事業の背景

同社は大正10年に感光紙の製造業として創業し、戦後はサービス業に転じて印刷分野で事業を広げてきた。現在はデジタル印刷分野が売上の大半を占め、BtoB向けに多様なドキュメントサービスを提供している。平成20年には可変データ印刷を使った通販事業「sense121」を立ち上げ、名入りワインや日本酒の販売でBtoCの新たな需要層を開拓していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程特注サービスは工数が多く、納期対応に課題を抱えていた。
  • コスト・採算商品の単価を下げ納期を短縮するには、製作過程の自動化など工程を減らす取り組みが必要とされていた。

やったこと

顧客が自由にデザインし、製作過程まで自分で完了できるオンライン組版のシステムを構築した。製販企業と共同開発した組版エンジン付きWEBシステムとサーバーを導入し、自社での組版作業を簡略化して工程を効率化した。あわせてUV(紫外線硬化)インクジェットプリンタを加え、紙以外の素材にも3次元印刷できるようにした。これにより発注時に出来上がりを確認する顧客ニーズにも応えた。

ソフト組版エンジン付きWEBシステム
その他サーバー
加工機UV(紫外線硬化)インクジェットプリンタ

新しい製品・サービス:高度な組版システムと最新の立体物デジタル印刷機を用いた、次世代版の「sense121」サービス。

事業の効果

オンライン組版の導入により組版作業が簡略化され、工程が効率化された。これによりコストの削減と納期の短縮が可能になった。紙以外への印刷にも対応できるようになり、販促市場で新規顧客を獲得する成果を上げている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    大正期の感光紙製造から印刷・ドキュメントサービスへ転業した沿革があり、通販事業への展開も一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    小ロット・短納期の強みや特注サービスの工数課題は読み取れるが、市場動向との関係や競争優位の根拠の記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    特注サービスの工数過多と納期課題を認識し、組版の自動化で工程を減らしコスト削減と納期短縮を可能にしたと具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、具体的な数値目標の記載は見当たらない。

  • 事業を進める体制3

    製販企業と共同開発した組版エンジン付きWEBシステムを採用し、販促イベントや情報発信の体制も述べられているが、人材や事務体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    個人向けのオリジナルデザインギフトと法人向けの名入れパンフレットなど顧客ターゲットが分かれて整理され、発注時に出来上がりを確認できる点が選ばれる理由として示されている。

  • 事業化までの道筋3

    UVインクジェットの追加、スマホ発注の改良、SNS開設、メールマガジンなど今後の取組は示されるが、スケジュールや課題解決方法の具体性は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    紙以外への立体印刷は同社の中で商品構成を広げた取組として書かれているが、業界全体での普及度や認知度については記述がない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地域雇用や波及効果の記載は薄く、川上・川下への経済波及や社会インフラに関する記述はわずかにうかがえる程度。

  • 費用対効果2

    コスト削減や納期短縮は書かれているが、補助金額に対する付加価値増加や生産性の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    可変データ印刷と立体物デジタル印刷機、UVインクジェットを組み合わせ、AIやIoTとの融合による製造業への応用にも言及している。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    包装資材への応用や付加価値商品の開発が注目されると触れる程度で、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及2

    大阪・東京拠点での展開は書かれているが、地域特性を活かした雇用創出や地域成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

数年後の100年企業達成をひとつのマイルストーンと位置付け、今後もあらゆる変化に対応し革新的なサービスを提供し続ける方針である。印刷分野で培った技術をAIやIoTなど先端技術と組み合わせ、さらに発展させていく考えだ。

事業者の声

「個々の対応を基本とした可変印刷の技術は、製造業などで人手に頼る部分の自動化設計や繊細な仕事の品質向上技術に応用できる」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。