ものづくり補助金平成25年度製造業新潟県

高性能オンデマンド印刷機、後加工機の導入による新規需要開拓及び川上事業への進出

岩橋印刷 株式会社

成果プリプレス工程数 5工程→3工程

この事例のポイント

  • インターネット広告の普及により、印刷業界全体の需要が落ち込んでいた。
  • 高性能オンデマンド印刷機と後加工機(シリンダー打抜機等)を導入した。
  • プリプレス工程数 5工程→3工程。プリプレス工程の短縮により作業時間が縮まり、納期短縮につながった。

事業者のプロフィール

事業者名岩橋印刷 株式会社
所在地新潟県 三条市
業種印刷・同関連業
技術分野機械制御,立体造形
従業員数35人
資本金2,000万円
設立1988年

事業の背景

岩橋印刷は1988年設立の印刷業で、得意分野は印刷加工物である。2012年に自社の年賀状を特殊加工物にして制作・発送したところ好評を得て、印刷加工物(メモ)の受注につながった。インターネット広告の普及で印刷業界は落ち込んでおり、同社はただの印刷業から顧客の課題を解決する製造業への移行に向けて社内研修を行っていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑インターネット広告の普及により、印刷業界全体の需要が落ち込んでいた。
  • 新製品・新技術競合他社は印刷後の後工程までを含む提案に対応できていなかった。
  • 生産能力小ロットでは納期や価格の面で非効率であり、特殊な印刷や加工を外注に頼らざるを得なかった。

やったこと

高性能オンデマンド印刷機と後加工機(シリンダー打抜機等)を導入した。平均100~200単位の小ロット・多品種への対応と気軽に購入できる価格設定、印象に残る独創的なデザインを満たす商品を試作製造した。今回の設備投資で、プリプレス工程を5工程から3工程に短縮し、作業時間を短縮した。また、厚紙、透明基材、長尺のオンデマンド印刷加工が可能となり、外注に頼っていた範囲を社内で対応できるようになった。

加工機高性能オンデマンド印刷機
加工機シリンダー打抜機

新しい製品・サービス:自社オリジナルの立体成形特殊加工製品(メッセージカード、スイーツボックス、ギフトボックス、ギフト用カード等)

事業の効果

  • プリプレス工程数 5工程→3工程

プリプレス工程の短縮により作業時間が縮まり、納期短縮につながった。厚紙や透明基材、長尺の印刷加工が社内で可能になり、小ロットでも外注に頼らず対応できるようになった。品質向上も図られ、立体成形の特殊加工メーカーへの転換が加速した。これにより、事業者や一般消費者向けの新たな取引先を開拓できる体制が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    2012年の年賀状テストから印刷加工物の受注を得た経緯と、製造業への移行研修が一連の流れとして書かれており、一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    市場調査で競合が後工程まで提案できていないと判明したと書かれ、先発優位性を狙う理由と自社の小ロット対応力が示されている。

  • 課題の認識と解決4

    印刷業の落ち込みを課題とし、後工程まで含む提案型の立体成形加工へ転換する計画が示されている。数値目標は薄い。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    作業工程が5工程から3工程に減ったとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、実現可能性の判断は難しい。

  • 事業を進める体制3

    社内研修を行ったことは書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的な記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客は事業者と一般消費者とし、平均100〜200単位の小ロットと気軽な価格、独創的デザインを選ばれる理由として整理している。

  • 事業化までの道筋3

    今後の研究継続やオリジナル商品開発、ISOT出店など方針は示されるが、スケジュールや課題解決方法の具体性は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    立体成形の特殊加工は高付加価値化を狙うとあるが、同分野での市場水準や価格差の数値は示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    印刷業界の縮小という背景は触れられているが、雇用創出や波及効果など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    工程短縮や対応範囲の拡大は書かれているが、補助金額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタルのオンデマンド印刷で厚紙や透明基材に対応したとあるが、サプライチェーンへの貢献や新モデルの記述は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    印刷請負からメーカーへの業態変化という構造転換の方向性がうかがえるが、成長分野への言及は弱い。

  • 地域経済への波及3

    新潟県三条市の企業として地域の印刷業を担う点は読めるが、地域特性を活かした雇用や成長への効果は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も研究を継続して自社オリジナル商品の開発を促進し、印刷請負からメーカーへの業態変化を加速する。国際文具・紙製品店(ISOT)に出店して自社の販促物を販売し、既存取引先や年賀状送付を通じた実物サンプリングで認知度向上を図る計画である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。