ものづくり補助金平成26年度製造業大阪府

紙以外の素材への印刷に、小ロット、低価格で対応

菊田印刷 株式会社

成果従来比約20%のコスト低減を達成した。

この事例のポイント

  • 紙以外の素材表面に印刷できる技術がなく、立体的な製品への絵柄や文字のプリントを営業戦略上の課題としていた。
  • 平成28年度ものづくり補助金を活用し、紙以外の素材表面に印刷できる高性能プリンターを導入した。
  • 従来比約20%のコスト低減を達成した。オンデマンド印刷機は印刷版の製作が不要なため、従来比約20%のコスト低減を達成した。

事業者のプロフィール

事業者名菊田印刷 株式会社
所在地大阪府 豊中市
業種印刷・同関連業
技術分野立体造形
従業員数21人
資本金1億円
設立1963年

事業の背景

昭和38年に大阪市内で創業し、チラシやパンフレットなどの広告印刷物を中心に、事務用品や販促物、ウェブデザインの制作を手がけてきた。社内一貫体制を敷き、社内デザイナーを擁して提案型営業を強みとしている。最近は絵馬やゴルフボール、スマホケースなど立体的な製品への印刷や、小ロットでの注文が増えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術紙以外の素材表面に印刷できる技術がなく、立体的な製品への絵柄や文字のプリントを営業戦略上の課題としていた。
  • コスト・採算印刷を外注していたためコスト高になっていた。
  • 納期・工程外部に印刷を委託すると顧客の希望する単価や納期に応えられず、受注を逃すケースが増えていた。

やったこと

平成28年度ものづくり補助金を活用し、紙以外の素材表面に印刷できる高性能プリンターを導入した。このプリンターはUV硬化インクを使い、金属や樹脂、木材、皮革などを選ばずに印刷でき、厚紙へのプリントも可能である。併せて印刷版が不要なオンデマンド印刷機を導入し、小ロットの印刷コストを下げた。

加工機高性能プリンター(UV硬化インク使用、紙以外の素材表面に印刷可能)
加工機オンデマンド印刷機

新しい製品・サービス:絵馬や立体的な製品への印刷

事業の効果

  • 従来比約20%のコスト低減を達成した。
  • 製作日数 7日→3日

オンデマンド印刷機は印刷版の製作が不要なため、従来比約20%のコスト低減を達成した。印刷後の乾燥工程もないため、製作日数を7~10日から3~4日に短縮できた。可変データを利用した印刷が可能になり、1万枚のチラシでQRコード部分だけを1万通りの異なる内容にする注文にも応えられるようになった。小ロット対応やコスト低減、短納期化が進み、社員の自主性や士気が高まる点もメリットとして大きいと感じている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性87%
  • これまでの取組との一貫性4

    立体印刷への対応が営業戦略上の課題と明記され、過去の印刷設備の社内導入や平成26年のロータリーダイカッター導入と一貫した取組として読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    外注によるコスト高や受注の取りこぼしが課題とされ、同業他社との差別化で価格競争を避けて収益を確保する方針が書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    製作日数を7〜10日から3〜4日に短縮、印刷版不要でコスト約20%低減と数値で成果が示され、課題と解決策の対応関係が明確である。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、収益確保という定性的な記述にとどまるため読み取れない。

  • 事業を進める体制4

    社内一貫体制と男女の社内デザイナー6名を擁し、1名が複数業務をこなす仕事のマルチ化を進めていることが書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    紙以外の素材への立体印刷や小ロット対応、QRコードの可変データ印刷など、顧客に選ばれる理由が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後はインターネットを通じた個人客の需要取り込みに本腰を入れるとの方針のみで、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    金属・樹脂・木材・皮革へのUV硬化インクによる立体印刷は、同業他社との差別化と高付加価値化を図る取組として読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    海外からの注文獲得や業界をけん引する存在との記述はあるが、雇用創出や経済波及の規模は示されていない。

  • 費用対効果3

    コスト約20%低減や製作日数の短縮は示されているが、補助金額や投資に対する付加価値増加の数値がなく費用対効果は判断しにくい。

  • イノベーションへの貢献3

    可変データ印刷により1万枚のチラシで各QRコードを異なる内容にできるようになったと、デジタル技術活用の例が書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    従来の紙印刷から素材表面への印刷へ事業領域を広げた点はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    大阪市内で創業し豊中市に拠点があることは書かれているが、地域の特性を活かして地域経済を牽引する内容は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後はインターネットを通じた個人客の需要取り込みに本腰を入れる。新しいプリンターや印刷機の活用方法に磨きをかけ、さらに需要を掘り起こしていく。

事業者の声

新しいプリンターや印刷機の活用方法に磨きをかけ、さらに需要を掘り起こしていきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

香川県製造業平成27年度

最新製版機の導入による効率化とコスト削減

生産能力が現有製版機の約3倍となる最新製版機を導入し、製版工程の生産性向上と、それに伴う製版作業の残業低減を図った。

効果:製版機の生産能力 1倍→3倍

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。