ものづくり補助金平成26年度製造業大阪府

職人技が求められる現場をチームワークで支える

成果月間受注数(張り替え案件) 8件/月→25件/月

この事例のポイント

  • 店舗用の椅子・ソファの張り替えは手作業のため、繁忙期には自社での対応に限界があり外注に頼ることも多かった。
  • ものづくり補助金を使ってCAD、デザインシステム、自動裁断機を導入した。
  • 月間受注数(張り替え案件) 8件/月→25件/月。自動裁断により正確な裁断が可能になり、安定した価格と品質の確保につながる。

事業者のプロフィール

所在地大阪府 大阪市西成区
業種家具・装備品製造業
技術分野デザイン
従業員数13人
資本金800万円
設立2008年

事業の背景

同社は平成20年に設立され、平成22年から製造にも着手し、現在は製造から取り付け設置工事までを一貫して行っている。主要な取引先は内装設計会社や家具メーカーなどである。海外からの安価な製品の流入が多くなり、取引先からのコスト削減要求も強まっていた。従業員は13名、資本金は800万円である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力店舗用の椅子・ソファの張り替えは手作業のため、繁忙期には自社での対応に限界があり外注に頼ることも多かった。
  • 品質・精度すべて手作業のため、品質の管理に問題が起こるなどの課題を抱えていた。
  • 人手・技能張地の裁断には相当な経験が必要で、職人1人が1年間に裁断に要する時間は約800時間(100日間)かかっていた。
  • 人手・技能機械にできる工程は機械に任せ、職人の技をより生かせる体制を作ることが求められていた。
  • その他海外からの安価な製品の流入が増え、取引先のコスト削減要求に対抗するため、価格競争ではなく短納期と技術で勝負する体制の整備が急務だった。

やったこと

ものづくり補助金を使ってCAD、デザインシステム、自動裁断機を導入した。まず型紙を使用した裁断からデータを利用する裁断に切り替え、型紙材料を削減した。型紙の管理にかかる手間やそれを探し出す時間は10%削減され、型紙を保管していたスペースも空いた。裁断するパーツを最適に配置できるようになり、5~10%のコストダウンと廃材処理費用の削減につながった。張地の裁断は機械化により専門的な知識や経験がないアルバイトやパートでも可能になり、職人1人が1年間に裁断に要する時間は約800時間から3分の2に短縮できるようになった。

ソフトCADシステム
ソフトデザインシステム
加工機自動裁断機

事業の効果

  • 月間受注数(張り替え案件) 8件/月→25件/月

自動裁断により正確な裁断が可能になり、安定した価格と品質の確保につながる。型紙の管理の手間や保管スペースが減り、製造工程のコストも下がった。職人の技をより生かせる体制となり、生産効率と1人当たりの付加価値の向上が期待できる。同社がこれまで対応しきれなかった顧客を取り込み、年間売上高を3倍以上に増やす計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成20年設立、22年に製造へ着手し、張り替えや別注製作を続けてきたとの経緯は読めるが、補助事業の位置づけとの明確な結びつきは薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海外からの安価な製品流入と取引先のコスト削減要求を背景に、短納期と技術で勝負する体制を整える必要性が書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    現状の課題として月間受注8件を挙げ、目標25件・年間売上3倍以上、裁断工程を3分の2に短縮するなど数字で示されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    職人1人当たり年間536時間を技術向上に充てる目標、受注8件から25件、売上3倍以上と数値目標が明示されている。

  • 事業を進める体制3

    職人の育成や事務担当への作業移行に触れるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    短納期・オーダーメイドに対応できる点や、店舗の張り替えに特化している点が書かれ、選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    ソファ張り替えの提案や販路開拓の方針は示されるが、スケジュールや課題解決の具体的な方法は記載が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    オーダーメイドの張り替えは一般的な分野で、高付加価値化の水準は記載からはわずかにうかがえる程度。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    地域の雇用創出や経済波及効果について直接の記述は少なく、国が補助する理由はわずかにうかがえる。

  • 費用対効果4

    裁断時間を800時間から3分の2に短縮、コスト5〜10%削減、型紙削減の効果が数字で示され、費用対効果がうかがえる。

  • イノベーションへの貢献3

    CADや自動裁断機の導入で工程を機械化する点は読めるが、サプライチェーンへの貢献や新ビジネスモデルの記述は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    地域特性への言及は少ないが、大阪市西成区の企業として技術で勝負し付加価値を高める方針が読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

当面の目標として月間の張り替え案件を25件に増やし、年間売上高を3倍以上にする計画である。今後は機械化できる工程の時間を3分の1に短縮することを目指し、職人の技術向上に時間を充てる。主要顧客の内装設計業者にリノベーションや既存商品の張り替えを提案し、提携業者とオーダーメイドに近い張り替えの新たな販路開拓にも乗り出す考えである。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。