ものづくり補助金平成26年度製造業和歌山県

業界最高水準の寸法精度の向上と短納期化を図る長く続くバランスの取れた企業へ

有限会社 井戸畳店

この事例のポイント

  • 納期面とコスト面の要求に対応できる体制を作り上げる必要があった。
  • コンピュータ式裁断・逢着機一式を導入し、高精度な製品の短納期化を目指した。
  • 新たな生産設備の導入により寸法精度が向上し、現場で容易に畳を設置できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社 井戸畳店
所在地和歌山県 白浜町
業種家具・装備品製造業
技術分野精密加工
従業員数10人
資本金1億円
設立1940年

事業の背景

同社は1940年創業で、内装仕上げ工事に伴う新畳の製造・販売、表替え、裏返しなどを手掛けている。住宅の洋風化が進み、賃貸住宅や分譲マンションでも和室の数は減少の一途を辿っている。畳店は経営者および技能工の高齢化が進み、後継者問題を抱える店も多く、廃業を余儀なくされるところも散見される。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程納期面とコスト面の要求に対応できる体制を作り上げる必要があった。
  • 品質・精度従来の生産方法では、現場で職人が僅かなずれを調整する必要があった。
  • 生産能力製造工程をさらに効率化する必要があった。

やったこと

コンピュータ式裁断・逢着機一式を導入し、高精度な製品の短納期化を目指した。新たな生産設備の導入により、従来と異なる手順になったものの、担当従業員の努力もあって比較的スムーズに新しい生産体制を構築した。寸法精度が向上したため、現場で容易に畳を設置できるようになり、クレームとして戻ってくる可能性も小さくなった。コンピュータ式畳製造機の導入など製造工程の自動化も進めている。

加工機コンピュータ式裁断・逢着機一式
加工機コンピュータ式畳製造機

事業の効果

新たな生産設備の導入により寸法精度が向上し、現場で容易に畳を設置できるようになった。クレームの可能性も小さくなった。2017年6月・7月は旅館のリニューアルが重なり畳の需要が増加し、一般個人からの引き合いも相当数あって受注量が急増したが、新設備により従来の生産能力では対応できなかった受注量も生産し、需要を全て取り込むことができた。企業として供給責任を果たせたことが大きな成果となっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業1940年から80年近い畳業の歴史があり、コンピューター式畳製造機の保有など製造工程の自動化を着実に進めると明記されている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    畳の需要増や後継者問題、畳店の廃業など市場環境に触れるが、自社の強みとの対比で競争優位を論じる記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    納期面とコスト面への対応が重要と課題を認識し、裁断機導入で寸法精度と短納期化を目指すと具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    賃上げや付加価値額の目標数値は示されておらず、高付加価値創出の目標値はわずかにうかがえる程度である。

  • 事業を進める体制3

    担当従業員の努力や新卒採用、人材育成に言及するが、従業員10人規模での事務処理体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    寸法精度の高い畳を短納期で提供し、受注急増にも対応した実績があり、顧客の要求と選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    製造工程の効率化、い草栽培、人材育成など中長期の取組は述べられるが、スケジュールや検証過程は具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ヘリ無し畳や抗菌コート畳などの高付加価値商品があるが、高価格化の水準や分野での位置づけは具体的に示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    住宅の洋風化や和室減少など市場縮小の状況は触れられているが、経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は読み取れない。

  • 費用対効果3

    受注急増に対応し供給責任を果たせたと述べるが、補助金額に対する付加価値増や生産性の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    コンピューター式畳製造機による自動化は記載があるが、デジタル技術によるサプライチェーン全体への貢献は示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    白浜町の地域で創業し、い草栽培を白浜町富田地区で始めるなど地域資源の活用が見られるが、地域経済牽引の規模は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

自社で畳の原料となる「い草」の生産から畳の製造、販売までを一貫して行い、バランスのとれた企業を目指す。和歌山県産のい草を使った畳を和歌山県の消費者に手に取りやすい価格で提供することが目標。新卒の採用や人材育成にも注力する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。