ものづくり補助金平成26年度製造業兵庫県

味の数値化技術活用による食品開発業務の高度化(高品質化・低コスト化・スピードアップ)

ブンセン株式会社

この事例のポイント

  • 味覚は長い経験を積んだ人間の感覚だけが頼りで、属人的かつ主観的であった。
  • 味覚センサーを活用し、味を旨味、塩味などの要素に分解してそれぞれを数値化した。
  • 味を数値化することで、属人的で主観的だった味覚評価を客観的に判断できるようになる。

事業者のプロフィール

事業者名ブンセン株式会社
所在地兵庫県 たつの市
業種食料品製造業
技術分野バイオ
資本金3.8億円
設立1934年

事業の背景

昭和9年に淡口醤油発祥の地であるたつの市で醸造業として創業し、その技術を活かして現在は佃煮やもろみ、惣菜などの食品づくりを行っている。醤油を使った食品開発が強みで、醤油は天然調味料でアミノ酸を多く含む。アミノ酸は旨味として注目される一方、味が複雑で扱いが難しい。消費者ニーズが多様化し、製品ライフサイクルも短くなっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能味覚は長い経験を積んだ人間の感覚だけが頼りで、属人的かつ主観的であった。
  • 納期・工程製品ライフサイクルが短くなり開発期間の短縮が求められるが、味の明確な指標がないため試作工程を繰り返すことも珍しくない。
  • 品質・精度味を客観的に判断する指標がないため、顧客の要望に対して根拠のある味を提案し、安定した品質を提供することが難しかった。

やったこと

味覚センサーを活用し、味を旨味、塩味などの要素に分解してそれぞれを数値化した。これにより人間の感じる味覚に近いデータを収集できるようにした。数値化した当社独自の味データを蓄積し、味のデータベースを構築した。さらに食品設計シミュレーターを活用し、醤油、味噌、砂糖、みりん等の複数の調味料を自動で配合設計できるようにした。目標とする味がある場合、同等の味を出すための配合設計を短時間で出力できるようにした。

事業の効果

味を数値化することで、属人的で主観的だった味覚評価を客観的に判断できるようになる。味の組み合わせ分析により、食品開発のスピードアップ、高品質化、低コスト化を実現する見込みである。味の可視化で試作の繰り返しが減り、開発スピードが大きく向上すると見込まれる。独自のノウハウを形式知化して蓄積でき、根拠のある味を顧客に提案して安定した品質を提供できるようになる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    昭和9年創業で醤油を使った食品づくりを続けてきた強みが示され、味覚センサー活用はその延長として位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    醤油はアミノ酸を多く含み味が複雑という特性と、長年の経験に頼る人間の味覚への依存という課題が述べられている。

  • 課題の認識と解決4

    製品ライフサイクルの短縮と開発期間の短縮要求、試作の繰り返しという課題が示され、味の数値化で高品質化・低コスト化を図るとしている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    開発期間の短縮や品質向上は目標として挙げられているが、具体的な数値目標や付加価値額の目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    社長の発言や従業員の大半が女性という記述はあるが、補助事業を遂行する担当体制や人材配置は具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    味を旨味や塩味などに要素分解し顧客の目標とする味を定量的に示せることが、根拠ある提案につながると説明されている。

  • 事業化までの道筋3

    数値化、データベース構築、配合設計シミュレーターの活用という流れは示されるが、スケジュールや期間は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    味覚センサーで味を数値化し、醤油を含む調味料の自動配合設計を行う点は、同分野で独自性の高い取組として説明されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の伝統的な醤油産業との関わりはうかがえるが、雇用創出や波及効果を国が補助する理由としては明示されていない。

  • 費用対効果2

    低コスト化や開発期間の短縮が目標に挙がるが、補助金額に対する付加価値増加などの費用対効果は数値で示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    味覚センサーとシミュレーターを組み合わせ、暗黙知を形式知化する取組として革新性が述べられているが、サプライチェーンへの波及は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    たつの市の淡口醤油発祥の地で創業したことは書かれているが、地域経済の成長を牽引する効果は示されていない。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。