ものづくり補助金平成26年度製造業兵庫県

デザインシステムの導入による、「おしゃれ力」強化と地場産業への貢献

千代田繊維工業株式会社

この事例のポイント

  • 自社ブランドのヒット商品の販売量がいつまでも維持できるわけではなく、次なる商品開発が課題となっていた。
  • 3Dデザインシステムとホールガーメントコンピュータ横編み機を導入し、デザイン性の高い商品の開発と小ロット多品種の製造に取り組んだ。
  • 新設備の導入により段取り替えが不要になり、1つずつ異なる製品を作れるようになったことで、多品種小ロットへの対応が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名千代田繊維工業株式会社
所在地兵庫県 加古川市
業種その他の製造業
技術分野デザイン,製造環境
従業員数18人
資本金1,000万円
設立1962年

事業の背景

当社は昭和26年に創業し、OEMを中心に業績を伸ばしてきた。中国からの安価な輸入靴下の台頭でOEMの業績が大幅に悪化したため、自社ブランド「千代治のくつ下」をインターネット販売で立ち上げた。1年程度は苦しい時期が続いたが、再構築によりヒット商品が生まれ、今ではインターネット販売がOEMの売上高を上回るまでに成長している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術自社ブランドのヒット商品の販売量がいつまでも維持できるわけではなく、次なる商品開発が課題となっていた。
  • 販路・情報発信インターネット販売の顧客の44%を40代女性が占めており、若い世代の顧客層を広げる必要があった。
  • 生産能力旧設備では段取り替えに時間を要するため小ロットへの対応が困難だった。
  • 販路・情報発信インターネット販売以外に顧客を広げる手段として、実店舗での販売が求められていた。

やったこと

3Dデザインシステムとホールガーメントコンピュータ横編み機を導入し、デザイン性の高い商品の開発と小ロット多品種の製造に取り組んだ。新設備により、靴下に加えて従来の設備では編めなかった手袋、帽子、ベスト、親指を抜いた形の手袋などの製造が可能になった。新設備のメーカーが主催する研修会に社員を派遣し、システムを使ったデザインの講習を4週間受講させた。工場敷地内の古い倉庫を改装して展示・販売スペースを作り、三宮に実店舗もオープンした。

  • ソフト3Dデザインシステム
  • 加工機ホールガーメントコンピュータ横編み機

新しい製品・サービス:手袋、帽子、ベスト、親指を抜いた形の手袋など、靴下以外のデザイン性の高い商品

事業の効果

新設備の導入により段取り替えが不要になり、1つずつ異なる製品を作れるようになったことで、多品種小ロットへの対応が可能になった。追加生産にも素早く対応できるため、余分な在庫が不要になった。実店舗を開始したことで、店頭で顧客の反応を直接見て多様なニーズを素早くつかみ、商品開発に活かせるようになった。また、インターネット販売をあまり利用しない顧客にも商品を知ってもらえるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来のOEM事業から自社ブランドへの転換という経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置付けを明示する記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    安価な輸入靴下の台頭という外部環境と、自社ブランド「千代治のくつ下」の展開は読み取れるが、強み・弱みの分析は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    ヒット商品の販売量が維持できないという課題と、デザイン性向上・顧客層拡大という解決の方向性が具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの数値目標は書かれておらず、目標はデザイン性向上や多品種小ロット短納期の実現にとどまる。

  • 事業を進める体制3

    社員をメーカー研修会に4週間派遣しデザイン講習を受講させたと書かれており、人材育成の取組は読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    若い世代の顧客拡大、実店舗でのニーズ把握、44%が40代女性というネット販売の顧客層が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    中長期の遂行スケジュールや課題解決方法は示されておらず、実店舗展開の方向性がうかがえる程度である。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    手袋や帽子など従来編めなかった製品を作れるようになったと書かれているが、同分野での高付加価値化の水準は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    加古川市の地場産業である靴下製造業の打撃という地域性にわずかに触れているが、波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    多品種小ロット化により余分な在庫が不要になったという効果は書かれているが、補助金額に対する費用対効果の数値はない。

  • イノベーションへの貢献2

    3Dデザインシステムの導入は読み取れるが、デジタル技術によるサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    加古川市の地場産業である靴下製造業の再生に取り組む姿勢は読み取れるが、雇用創出や地域成長への具体的な記述は薄い。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。