ものづくり補助金平成26年度製造業兵庫県

「両端切断加工設備」導入による生産性向上および低コスト化、短納期化計画

株式会社甲斐木工

この事例のポイント

  • 急増するオーダーメイド品やデザイナーズ製品の需要に対し、パネル切断工程がボトルネックとなり生産が追いつかなかった。
  • パネル切断工程の最大のボトルネックを解消するため、両端切断加工設備を導入し、切断工程の自動化を図った。
  • 両端切断加工設備の導入により、切断工程の自動化と段取り作業の簡素化が進み、生産能力が拡充された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社甲斐木工
所在地兵庫県 豊岡市
業種家具・装備品製造業
技術分野機械制御
資本金1,000万円
設立1983年

事業の背景

創業以来、オーダーメイド製品を中心に製造・販売してきたが、近年は特殊な加工技術と品質への取り組みが認知され、大手企業からの生産依頼が急増している。リフォーム需要の高まりや生活にこだわりを持つ消費者の増加により、オーダーメイドやデザイナーズ製品の市場も拡大している。一方で、材質や形状が均一でない材料を扱うため、作業者の負担と熟練工への依存が大きい状況だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力急増するオーダーメイド品やデザイナーズ製品の需要に対し、パネル切断工程がボトルネックとなり生産が追いつかなかった。
  • 生産能力材質や形状が均一でない材料に作業者が都度寸法を調整する必要があり、受注に対応しきれず失注が多かった。
  • 品質・精度熟練工の経験や知識への依存度が大きく、精度のばらつきや不良発生の要因となっていた。
  • コスト・採算切断工程では寸法調整、手戻り、切削条件に応じた段取り替えが頻発し、パネルの裏返し作業の負担も大きかった。

やったこと

パネル切断工程の最大のボトルネックを解消するため、両端切断加工設備を導入し、切断工程の自動化を図った。導入にあたっては、生産数量を倍増できること、設計データをそのまま使用でき1回の段取り替えが10分以内となること、条件の異なる切断を1工程で完了し切断面の品質が基準を満たすこと、さまざまな材質や形状、サイズに対応できること、価格と使用電力量が適切で加工時間を従来比50%以上短縮できることを厳しい基準とした。新設備はX、Y、Zの3軸で切断面の位置決め精度が向上し、デジタル制御により熟練工でも解消できなかったボード間の微細な誤差が解消された。設計データを転送して段取り作業を簡素化し、作業者の多能工化や加工技術のデータ化、教育体制の構築にもつなげた。

事業の効果

両端切断加工設備の導入により、切断工程の自動化と段取り作業の簡素化が進み、生産能力が拡充された。切断面の位置決め精度が3軸すべてで向上し、ボード間の微細な誤差も解消されたことで、品質のばらつきが抑えられた。手戻りや裏返し作業の負担も減り、作業環境の改善と作業者の業務負担軽減につながった。これらにより生産コストの削減と短納期化が見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    オーダーメイド製品中心の製造を創業以来続け、特殊な加工技術が認知され大手からの依頼が急増したと書かれているが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    リフォーム需要増や生活にこだわる消費者の増加を市場動向として挙げ、特殊な加工技術と品質が強みとして示されている。

  • 課題の認識と解決4

    ボトルネックの切断工程を課題として特定し、生産数量の倍増や段取り替え10分以内など具体的基準を掲げて解決を図っている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工時間を従来より50%以上短縮する目標と生産数量の倍増が示されており、目標値は具体的である。

  • 事業を進める体制2

    従業員や人材育成については人材への投資を進めたいとあるが、補助事業の遂行体制や事務処理能力の具体的記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    オーダーメイド品の需要増は書かれているが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    段取り簡素化や作業者の多能工化、教育体制の構築などの方向性は示されているが、スケジュールや遂行方法の詳細は乏しい。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    オーダーメイドやデザイナーズ製品市場の拡大は示されているが、同分野で高水準の高付加価値化を図るかは明確でない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    大手からの依頼急増や新市場の開拓が挙げられているが、波及効果や雇用創出など国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果3

    コスト削減と生産能力拡充が目標に挙がるが、補助金額に対する付加価値増加の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタル制御による加工精度の向上や設計データの転送が取り組まれているが、サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    豊岡市の地域企業であることは示されるが、地域の特性を活かした雇用創出や経済成長への言及は乏しい。

今後の展望

今後はさらなる投資と人材への投資を進め、事業継続を図る。医療関連施設分野の開拓も進め、環境の変化に動じない小さくても強い会社をめざす。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。