ものづくり補助金平成26年度製造業和歌山県

梅干の概念を覆す!甘くてとろける食感のプレミアムスイーツ梅の開発

株式会社中峰農園

成果梅干の投入から包装完了まで約2秒

この事例のポイント

  • 梅干メーカーの増加で小売の販売競争が激しく、利益の確保が厳しい状態にあった。
  • 超低塩(塩分3%)で、酸っぱさを限界まで抑えつつ南高梅のやわらかくてとろける食感と融合させた「スイーツ梅干」を開発した。
  • 梅干の投入から包装完了まで約2秒。1粒ずつ包装したことで手軽に持ち運べ、手が汚れず、実が潰れにくいスイーツ梅干として若い人にも手に取りやすくなった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社中峰農園
所在地和歌山県 田辺市
業種食料品製造業
従業員数25人
資本金1,000万円
設立1994年

事業の背景

田辺市で梅の栽培から加工、販売までを一貫して行い、看板商品は自社ブランドの「農家の梅」である。梅は大半が梅干として消費され、梅干メーカーの増加で小売業(スーパー等)の販売競争が激しく、利益の確保が厳しかった。白干梅の塩分は通常20%、はちみつ梅でも塩分8%が、味わいと品質を保つための限界濃度だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術梅干メーカーの増加で小売の販売競争が激しく、利益の確保が厳しい状態にあった。
  • 販路・情報発信他社との差別化を図り競争力を強化するため、新分野の開発が必要だった。

やったこと

超低塩(塩分3%)で、酸っぱさを限界まで抑えつつ南高梅のやわらかくてとろける食感と融合させた「スイーツ梅干」を開発した。ご飯のお供というイメージを覆すため製法自体を改良し、南高梅の果肉の大きさと皮の薄さ・肉厚感を生かした「れもん梅」と「いちご梅」を発表した。梅干を1粒ずつ包装するため「ピラミッドパウチ・ピロー包装機」と「金属探知器付ウエイトチェッカー」を導入した。これにより梅干の投入から包装完了まで約2秒、計量と検品も一瞬で行えるようになった。

  • 加工機ピラミッドパウチ・ピロー包装機
  • 検査測定金属探知器付ウエイトチェッカー

新しい製品・サービス:超低塩(塩分3%)のスイーツ梅干「れもん梅」「いちご梅」

事業の効果

  • 梅干の投入から包装完了まで約2秒
  • 塩分濃度 8%→3%

1粒ずつ包装したことで手軽に持ち運べ、手が汚れず、実が潰れにくいスイーツ梅干として若い人にも手に取りやすくなった。手作業では手間がかかり低コスト化が難しかったが、導入した2機種により品質と生産性が向上し、低コスト化も実現した。販路は自社通販のほか道の駅や高速道路のPAに広がり、販売量は年々増加している。「れもん梅」は売上でおよそはちみつ梅を追い越す勢いである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性2

    農家として梅干づくりに励み加工から販売まで手掛けるとあるが、スイーツ梅干がこれまでの取組とどう一貫するかは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    梅干メーカー増加で小売の販売競争が激しく利益確保が厳しいという外部環境と、南高梅の果肉や皮の特徴を生かす差別化が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    利益確保が厳しい課題に対し、塩分3%の超低塩スイーツ梅干で差別化し、れもん梅がはちみつ梅の売上を追い越す勢いと書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    付加価値向上や賃上げの目標値は書かれていないが、販売量が年々増加している点は読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    従業員25人とあるが、補助事業を遂行する体制や人材配置についての記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    若者にも手に取りやすいデザイン性、熱中症対策で着目される点、道の駅やPAへの販路拡大など選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    新しい味の開発や営業強化、原料確保が今後の課題として挙げられているが、スケジュールや解決方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    超低塩3%で酸っぱさを抑えたスイーツ梅干という新分野に取り組み、従来の白干梅20%やはちみつ梅8%と比べ差別化している。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    熱中症対策で梅干が着目されている点はうかがえるが、国が補助する波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    包装工程を2秒で完了し低コスト化を実現したとあるが、補助金額に対する費用対効果の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ピラミッドパウチ包装機や金属探知器付ウエイトチェッカーの導入は読み取れるが、地域やサプライチェーンへのイノベーション貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    紀州田辺市の南高梅を活かした商品という地域性は読み取れるが、地域経済の成長を牽引する記述は薄い。

今後の展望

若者向けに新しい味の開発に着手し、販売ルートへの営業も強化する。原料となる良質な南高梅の確保が今後の大きな課題である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。