ものづくり補助金平成26年度製造業和歌山県

耐震性に優れた住宅ニーズに対応すべく溶接機の改良による品質・強度・伸びレベルの向上

南海スチール 株式会社

この事例のポイント

  • 全強度溶接を施したユニット鉄筋の注文が増えた場合でも、安定した品質を保つ必要がある。
  • 機械メーカーと共同で溶接機の改良を進めた。
  • 改良後の機械を使った製品が既に得意先各社に納入され、得意先の品質管理担当者を納得させる製品レベルに仕上がった。

事業者のプロフィール

事業者名南海スチール 株式会社
所在地和歌山県 和歌山市
業種金属製品製造業
技術分野製造環境
従業員数35人
資本金1,000万円
設立2003年

事業の背景

2003年設立の会社で、大手ハウスメーカー向けの住宅基礎用溶接組立鉄筋ユニットを主力製品として製造している。業歴15年足らずだが、毎期安定した受注が得られている。住宅着工戸数は微増で推移しており、今後大幅に増加することは考えにくく、減少も想定される。一方で耐震強度を求める声は根強く、全強度溶接を施したユニット鉄筋は今後需要が増える可能性がある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度全強度溶接を施したユニット鉄筋の注文が増えた場合でも、安定した品質を保つ必要がある。
  • 品質・精度溶接時の電流を安定させ、高電流で強固(JIS規格以上)な製品を作る必要がある。
  • 品質・精度従来のシリーズ通電は電流制御が難しく溶接が安定しないため、別の溶接方式への改良が必要である。

やったこと

機械メーカーと共同で溶接機の改良を進めた。もともと保有していた溶接機を改良し、変圧器等を購入して、安定通電が可能な「ダイレクト通電」方式へ改良を行った。両者は専門分野が異なるため見解の擦り合わせに多くの時間を要し、図面は現場の作業効率を考えながら何度も作り直した。その結果、約半年をかけて機械の改良が完成した。

加工機溶接機
その他変圧器

事業の効果

改良後の機械を使った製品が既に得意先各社に納入され、得意先の品質管理担当者を納得させる製品レベルに仕上がった。生産量は増えていないが、安定してより高品質な製品を作れるようになり、不良率も低減した。ユニット鉄筋は現場組立の工期を大幅に短縮でき、現場職人の作業量軽減にも貢献する。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    耐震ニーズに対応する全強度溶接の製品が主力で、既存溶接機の改良という過去の取組との一貫性がうかがえる。経営戦略上の明確な位置付けは記述が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ユニット鉄筋の需要増、耐震強度への要求、全強度溶接の普及が少ない点を挙げ、競争優位の根拠が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    溶接電流の不安定さを課題として認識し、ダイレクト通電への改良と施工まで手掛ける展開を計画している点が読み取れる。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値化や賃上げの目標値は示されておらず、不良率低減という定性的な効果のみがうかがえる。

  • 事業を進める体制3

    機械メーカーと共同で約半年かけて改良を進めた経緯は読み取れるが、補助事業の遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ユニット鉄筋は現場作業が簡単で工期が大幅に短縮でき、全強度溶接は大手ハウスメーカーが求める方法と示されている。

  • 事業化までの道筋3

    施工まで一貫して行う展開と近いうちに取り組みを開始する予定が示されるが、スケジュールや課題解決方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    全強度溶接を施したユニット鉄筋は普及が少なく、同分野で高品質化を図る製品であることが具体的に読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    耐震ニーズや獣害対策フェンスなど地域への関わりがうかがえるが、雇用創出や波及効果の定量的な記述は薄い。

  • 費用対効果2

    不良率の低減や工期短縮は書かれているが、補助金額に対する付加価値増加の数値的な費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    溶接の電流制御や自動化・省人化を進める方針が示されるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献の記述は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    和歌山県を中心に関西一円で事業を展開し、関西で品質ナンバーワンを目指す地域的な事業であることが読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ユニット鉄筋の納入時に施工まで手掛ける体制を構築し、施工を一貫して行うことで改良点を見つける狙いがある。自動化・省人化を進め、関西で品質ナンバーワン企業を目指す。その後、関東方面の事業展開も真剣に考えていく方針である。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。