ものづくり補助金平成25年度製造業長崎県

鉄骨部材の大ブロック化と溶接システムによる省力化

永田鉄工株式会社

成果溶接にかかる時間 34.6時間→17時間

この事例のポイント

  • 建設現場の人手不足に対応するため、建設部材を工場で大型ブロック化して搬入することが求められていたが、対応が難しかった。
  • 吊上能力10トンの天井クレーンを導入し、建設部材を工場で大型ブロック化できる体制を整えた。
  • 溶接にかかる時間 34.6時間→17時間。現場での作業時間が大幅に縮小し、溶接にかかる時間は34.6時間から17時間に短縮して約50%減った。

事業者のプロフィール

事業者名永田鉄工株式会社
所在地長崎県 雲仙市
業種金属製品製造業
従業員数40人
資本金2,000万円
設立1973年

事業の背景

主な業務はビルや工場などの建築鋼構造物工事や一式工事で、仕入れた鋼材を工場で加工し現場で組み立てるのが基本である。島原市役所や九州新幹線・長崎駅舎などの建設に関わり、現在は長崎市役所の工事も進行中である。大手ゼネコンからは建設部材の大型ブロック化への需要があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力建設現場の人手不足に対応するため、建設部材を工場で大型ブロック化して搬入することが求められていたが、対応が難しかった。
  • 生産能力従来の溶接ロボットは小型の部材に対応したもので、大型ブロックの溶接には溶接工による手作業の溶接が必須となり、作業効率に問題があった。
  • 人手・技能現場での溶接作業は熟練の溶接工に頼っており、溶接にかかる時間は34.6時間に及んでいた。

やったこと

吊上能力10トンの天井クレーンを導入し、建設部材を工場で大型ブロック化できる体制を整えた。今回導入したのは鉄骨柱大組立溶接ロボットシステムで、これまで熟練の溶接工が必要だった溶接作業を非溶接工でも対応できるようにした。大型ブロックをロボットで溶接できるため、現場での作業時間を大幅に縮小した。

ロボット鉄骨柱大組立溶接ロボットシステム
その他吊上能力10トンの天井クレーン

事業の効果

  • 溶接にかかる時間 34.6時間→17時間

現場での作業時間が大幅に縮小し、溶接にかかる時間は34.6時間から17時間に短縮して約50%減った。工場での組み立てが可能になったことで、粉塵や騒音、危険な作業が減り安全性も確保された。加工精度が安定したことでコストの削減にもつながった。大型ブロックを溶接できるようになり受注先が増え、ロボットは24時間稼働できるため生産力も向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去に島原市役所や九州新幹線駅舎などを手掛けた実績と、建設部材の大型ブロック化対応が書かれ、事業の一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大手ゼネコンからの需要に応えるため大型ブロック化に対応し、受注先が増えたと具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    人手不足と溶接工の高齢化という課題を挙げ、溶接時間を34.6時間から17時間に短縮する解決策が示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    溶接時間が34.6時間から17時間へ50%短縮と数字で示され、コスト削減や受注増の成果も記載されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員数40名や非溶接工でも対応できる点はあるが、補助事業の遂行体制や事務処理能力の記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    大型ブロック化の需要や受注先増加が書かれ、顧客ニーズへの対応は読み取れるが、ターゲットの整理までは書かれていない。

  • 事業化までの道筋2

    今後はシステムをフルに活用し大きな案件を受注するとあるが、スケジュールや課題解決の方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    鉄骨柱大組立溶接ロボットで大型ブロックを溶接できる点は示されるが、分野の普及度や高付加価値化の水準は書かれていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    島原市役所や長崎駅舎などまちのランドマーク建設に関わった点が書かれ、社会インフラへの貢献はうかがえる。

  • 費用対効果3

    溶接時間の50%短縮やコスト削減が書かれるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ロボットによる大型ブロック溶接は書かれるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの波及は具体的ではない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    長崎や島原など地域の建設案件に関わるとあるが、地域特性を活かした付加価値や雇用創出の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

溶接の熟練工が高齢化する中で、大型ブロックを溶接できるロボットは欠かせないものとなる。今後はこのシステムをフルに活用し、さらに大きな案件を受注していきたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

MRI用超電導マグネット監視装置の生産体制強化

制御基板の試験を自動化するため、基板検査装置を開発し、手作業で行っていた測定端子の接続や測定値の読み取りを自動化する。

効果:測定工数は予定通り約半分以下の時間となった

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。