ものづくり補助金平成26年度製造業島根県

CNC円筒研削盤の導入により精密研削の受注体制強化

有限会社植田精密工業

この事例のポイント

  • 丸物の部品は自社で加工できず断るか外部の協力会社に委託しており、数種類の部品をまとめて発注したい顧客の要望に応えられなかった。
  • 補助事業では、CNC円筒研削盤を導入して自社で円筒部品を製作できる体制を整えた。
  • CNC円筒研削盤の導入により、これまで断っていた丸物の注文や外注に出していた円筒部品を自社で製作できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社植田精密工業
所在地島根県 出雲市
業種業務用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数10人
資本金500万円
設立1991年

事業の背景

創業は大正時代で、初代が鍛冶屋を始めた。先代が機械加工を行うようになり、約30年前からミシン、農機、自動車などの部品を生産するようになった。1991年2月に個人経営から有限会社化した。一般鋼材をはじめ耐熱合金やセラミックなど難易度の高い材料で精密機械部品を製作し、1個の注文にも高精度で対応して信頼を得てきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑丸物の部品は自社で加工できず断るか外部の協力会社に委託しており、数種類の部品をまとめて発注したい顧客の要望に応えられなかった。
  • 集客・繁閑丸物を断ると全体の注文を断る顧客が増えており、一括受注を取り逃がす状況が続いていた。
  • 納期・工程外注では加工に日数がかかり、納期が把握しにくく時間やコストの面でも負担が大きかった。

やったこと

補助事業では、CNC円筒研削盤を導入して自社で円筒部品を製作できる体制を整えた。円筒研削は平面研削に比べて10倍以上の精度、1000分の1ミリ単位の精度が求められる。切削工具メーカーを経て入社した後継者の長男が担当し、導入メーカーから技術を学びながら試行錯誤を繰り返して経験を積んだ。導入後は一括受注の取りやめ対策につながり、外注に頼っていた円筒部品を社内で加工できるようになった。

事業の効果

CNC円筒研削盤の導入により、これまで断っていた丸物の注文や外注に出していた円筒部品を自社で製作できるようになった。一括発注の取りやめを防ぎ、受注の幅が広がっている。外注に数日かかっていた加工が社内では1日か2日で済むようになり、納期が把握しやすくなった。納期短縮とともにコストダウンも図られた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    100年ほどの歴史と鍛冶屋からの機械加工への移行、30年ほど前からの部品生産が書かれ、過去の取組との連続性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    耐熱合金やセラミックなど難削材の加工実績と、県内外の精密機械企業との取引が書かれているが、市場動向との対比は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    一括受注の取りやめが課題として示され、CNC円筒研削盤導入で外注の約1週間を1〜2日に短縮したと具体的に書かれている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    年5〜10%増の売上高目標が数字で示され、機械化推進も挙げられているが、付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    後継者の長男が切削工具メーカー出身で導入メーカーから技術を学んだと書かれ、人材面の体制はうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    一括発注の顧客ニーズや高精度・短納期への対応が書かれているが、顧客ターゲットの整理は具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    習熟度向上後に難削材や内面研削へ対応する見通しが示されているが、スケジュールや課題解決方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    精密研削は一般的な分野だが、耐熱合金やセラミックの難削材加工に対応する点がわずかにうかがえる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地域企業との取引やビジネスマッチングの記述はあるが、波及効果や雇用創出を国が補助する理由としては示されていない。

  • 費用対効果3

    外注1週間が1〜2日になりコストダウンも図られたと書かれ、効果は示されるが投入額に対する数値はない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    島根県出雲市斐川町の地域企業として、旧斐川町の企業へのPRや商工会活動が書かれ、地域との関わりはうかがえる。

今後の展望

丸物の受注はまだ多くないが、習熟度が高まれば耐熱合金やセラミックなどの難削材や内面研削への対応が進み、精密研削の受注強化が見込まれる。今後は経験と実績を生かし、年5〜10%増の売上高を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。